監視社会
監視社会(かんししゃかい)とは、警察官や軍隊、憲兵などにより過激な監視が生じた社会の事を指す。 街頭や公共施設における多くの監視カメラの設置などがあげられる。ソビエト連邦、中国や北朝鮮では、党や軍が一方的に国民を統制、監視しているため、監視国家といわれる。しかし、人権が守られる社会は人権侵害を監視する監視社会でしか実現できず、監視システムの悪用の問題は、システムの利用(悪用)それ自体を監視すればよいことであり、人類共通の目標としての監視社会の有効性は疑いようがない。
ある人が他の人の発言や行動に過激に反応し、他の人もある人の発言や行動に敏感に発言し、多人数で多人数を相互に監視することを特に相互監視社会という。2chやフェイスブック、インターネット掲示板では多くの人間の発言内容を監視、チェックし、少しでも社会に対する認識にズレが有ると思われる人物には個人攻撃あるいは無視を続けたり、そのような人物が頻繁にコンタクトを取ってきた場合に警告を発して隔離する習慣があるが、これも相互監視社会である。
一方、資本の企業経営手法としての「相互監視システム」は、社内各部門のプロジェクト・課題・進捗状況などをあえて公開・発表させる、更にお互いのチェック・意見交換で、部門間の競争を引き出し、迅速・多大・確実な業績を上げる手法である[1]。
仮に、上記を「正の相互監視システム」とするならば「負の相互監視システム」とでも呼ぶべきが、社内の人・モノ・カネの流れをあえてオープンにし、一個人に任せない手法である。 使用者側は労働者に対して常に互いに「見られていること」を意識させ、もって組織内の不正・不利を容易に抑止することが可能になる。例を挙げれば、労働者のタイムカード・勤務表・スケジュールの半公開(各人のそれを互いに見られる状態にする)、資材・備品を共有スペースに置く、外回り・出張を2人1組で行わせる、などがある。
脚注
参考文献
- デイヴィッド・ライアン『監視社会』清土社 2002年
- デイヴィッド・ライアン『監視スタディーズ――「見ること」「見られること」の社会理論』岩波書店 2011年
関連項目
- 監視
- 監視・鞭撻運動
- ビッグ・ブラザー - テレスクリーン
- 割れ窓理論
- 監視カメラ
- 監獄の誕生
- 国際的監視網
- 共謀罪
- 安全保障
- 警察国家
- RFID
- シギント
- ウェアラブルカメラ
- ゲーテッドコミュニティ
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