歴史的な津波の一覧 Ⅱ【日本】穢土・明治・大正・平成
日本国外を発生源とする津波
タイ南部にある観光地[注釈 6]の海岸線付近に達して人々を襲う、スマトラ島沖地震の津波。
当時はまだ津波の脅威について世界的認知度が低く、無防備な状態で被災した人が大勢いた。2004年12月26日撮影。
上に同じく、モルディブの海岸線に到達したスマトラ島沖地震の津波と、それを傍観する人々(2004年12月26日撮影)。
※津波の到達時刻は地域によってまちまちであるため、基本的に、ここで示す日付けのうち、月日は地震および津波の発生時(現地時間)を表す。
- 紀元前426年 - 紀元前426年のマリ湾津波(英語版)。歴史上、津波による災害が無いとされてきた地中海世界において、古代に発生していた大津波の一つ。
- 紀元前373年 -
ギリシャ・古代ギリシアの都市国家ヘリケー(英語版)の地震による津波。ヘリケーに甚大な被害をもたらした[37]。
- 365年 -
ギリシャ・クレタ島の西沖を震源とする海底地震による津波で、ギリシア沿岸、アレクサンドリア、パレスティナなどに津波が襲来し、甚大な被害をもたらした[38]。
- 583年 - Tauredunum event。
- 799年12月5日(延暦18年11月4日) - 常陸の国(茨城県)で朝から夕方までで15回の津波を観測した記録(『日本後紀』)。継続時間および周期から遠地津波とされる。
- 1420年8月29日(応永27年7月20日) - 常陸の国(茨城県)で4時間で9回の津波を観測した記録(『神明鏡』)。遠地津波とされる。
- 1575年12月16日
チリ・バルディビア地震 - チリ南部に大津波。1960年チリ地震と同規模とも推定される。
- 1586年7月10日 - ペルー地震(1586年ペルー地震)による津波。cf. 地震の年表#南北アメリカ。
- 1687年10月20日 - ペルー地震(1687年ペルー地震)による津波。cf. 上に同じ(宮城県戸倉で津波の記録)。
- 1700年1月26日 -
アメリカ-
カナダ・カスケード地震(アメリカ北西部、カナダ西部)による津波。
- 1730年7月8日 -
チリ・バルパライソ地震。太平洋全般に波及。陸奥にも津波襲来。
- 1737年10月17日 -
ロシア・カムチャツカで地震、大津波。1952年カムチャツカ地震と同規模とも推定される。
- 1751年5月25日 -
チリ・コンセプシオン地震。
- 1755年11月1日 -
ポルトガル・リスボン地震による津波。地震による犠牲者多数で、津波による犠牲者も約10,000人を数えた。大西洋全般に波及。リスボン大震災。3万~6万人死者ポルトガル世界一転落。
- 1837年11月7日 -
チリ・バルディビア地震。太平洋全般に波及。翌日(天保8年10月11日夜)、仙台藩領の沿岸各地に津波押し寄せた。牡鹿郡石浜(宮城県女川町)には夜九つ時(0時頃)(『万ふしぎ事控覚帳』宮城県史編纂委員会)、気仙郡今泉宿(岩手県陸前高田市)(『角屋敷久助覚帳』渡辺鎌男編)と宮城郡塩竈町(宮城県塩竈市)では夜九つ半頃であった(『天保日記抜書』)。
- 1868年8月13日 -
チリ・アリカ地震。太平洋全般に波及。ニュージーランド、北海道、宮城、下田にも津波襲来。
- 1877年5月10日 -
チリ・イキケ地震。太平洋全般に波及。ハワイ諸島、オーストラリア、北海道、三陸、房総海岸にも津波襲来。
- 1946年4月1日 - アリューシャン地震による津波。推定波高30m。ハワイ諸島を中心に死者・行方不明者165人。津波地震とされる。
- 1952年11月4日 -
ロシア・カムチャツカ地震 - 大津波が生じ、ハワイ諸島、北海道など太平洋全般に波及。
- 1957年3月9日 -
アメリカ-
ロシア・アリューシャン地震による津波。太平洋に波及しハワイ諸島などで被害。
- 1960年5月22日 -
チリ・チリ地震による津波。地震発生の22時間30分後に18,000km離れた日本の太平洋沿岸にも津波が襲来し、死者・不明者142人を出した。これにより、遠隔地津波として日本では有名(1730年(享保15年)、1751年(宝暦元年)、1837年(天保8年)、1868年(明治元年)、1877年(明治10年)も日本に来襲)。
- 1964年3月28日 -
アメリカ・アラスカ地震。最大遡上高67m。太平洋全般に津波波及。
- 2004年12月26日 -
・スマトラ島沖地震による津波。最大波高34m。スマトラ島アチェを中心に、タイのプーケット島周辺から、スリランカやアフリカ東岸などといった遠隔地にまで到達し、インド洋沿岸各地で250,000人もの犠牲者を出す(遠隔地津波の発生で、有史上最大の被害である)。
- 2010年2月27日 -
チリ・チリ地震(チリ・マウレ地震)による津波。地震発生から21時間後にフランス領ポリネシアで4m、ハワイのマウイ島で1.8m。ファン・フェルナンデス諸島のロビンソン・クルーソー島で死者3人・行方不明複数人を出す。
噴火・山体崩壊に伴う津波
- 紀元前1628年頃(cf.) -
ギリシャ・ミノア噴火(ミノア文明後期のサントリーニ島[そのうちの、ネア・カメニ島]で起こった噴火)に伴う津波。地中海で最大波高90mの大津波が発生したとの推定がある。アトランティス伝説や『旧約聖書』の「出エジプト記」(海が割れる奇跡の伝説)の元になったとの説もある。
- 1640年7月31日(寛永17年6月13日) -
日本・北海道駒ヶ岳の崩壊に伴う津波。亀田から十勝にかけて津波を記録。岩なだれと津波により溺死者700名以上、船舶100余隻に被害。
- 1741年8月28日(寛保元年7月18日-19日) -
日本・寛保津波、北海道西南沖の渡島大島近海で火山性地震 (M6.9、Mt8.4)による大津波。死者2,033人。対岸の熊石から松前にかけて大きな被害、津波高さ3m、佐渡島でも津波を観測。能登・若狭にも津波。家屋791棟流出・破壊。船舶被害1,521隻。
- 1792年5月21日(寛政4年4月1日) 島原大変肥後迷惑 -
日本・雲仙岳噴火、眉山崩壊とそれに伴う津波により現在の長崎県島原市周辺および橘湾対岸で死傷者約15,000人。
- 1815年
インドネシア・タンボラ山(西ヌサ・トゥンガラ州) - 噴出物1,700億トン、直径6キロメートルのカルデラを形成。火砕流、津波、疫病、飢饉などにより犠牲者数117,000人。
詳細は「夏のない年」を参照
- 1883年8月27日 -
インドネシア・クラカタウ火山噴火による津波。噴火により噴出した火山灰・岩石・噴煙が上空20,000メートル以上にまで到達、噴火によって発生した津波も含め犠牲者数36,000人以上。島の北部約3km四方が崩壊し、インド洋、太平洋に津波が波及。
- 1888年
パプアニューギニア・リットー山(ヴィート諸島(英語版)) - 火山性津波により死者3,000名[48]。
- 1911年 -
フィリピン・タール山(ルソン島) - 火砕流および津波により死者1,335名。
- 1958年7月10日 リツヤ湾大津波 -
アメリカ・アラスカで発生した地震によりリツヤ湾奥で大規模な山体崩壊。高さ約525mに及ぶ津波が発生。