サウジアラビア Ⅳ 外交・軍事
地理
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アラビア半島の衛星画像 |
サウジアラビアの地図 |
アラビア半島の大部分を占め、紅海、ペルシア湾に面する。中東地域においては面積が最大級である。
北はクウェート、イラク、ヨルダン、南はイエメン、オマーン、アラブ首長国連邦、カタールと国境を接する。 かつては、イエメン、オマーン、アラブ首長国連邦との国境線は大部分が未画定であったが、2000年までにすべて画定した。 アラブ首長国連邦との国境は1974年の条約によって一時画定し、これによりサウジアラビアはアル・アイン周辺の数ヶ村をアラブ首長国連邦へ譲り渡す代わりにカタールとアブダビとの間のアラビア湾に面した地域の割譲を受けて、アラブ首長国連邦とカタールとは国境を接しなくなった。しかし2006年にアラブ首長国連邦政府はふたたび割譲した地域の領有権を主張し、紛争が再燃した。
国土の大部分は砂漠で、北部にネフド砂漠、南部にルブアルハリ砂漠(広さ25万平方km)があり、その間をアッダハナと呼ばれる長さ1500kmに及ぶ砂丘地帯が結ぶ。鉄分を含むため赤色を呈し、衛星画像で弓状に曲がった地形が識別できる。砂漠と紅海の間には中央山地(北のヒジャーズ地方からトワイク山地)があり、西部で標高1500m、東部で800mである。南部には最高地点であるサウダ山(英語版)(標高約3000m)がそびえる。 砂漠気候で夏は平均45°C、春と秋は29°Cで、冬はまれに零下になる。昼夜の気温差が大きい。
行政区画
詳細は「サウジアラビアの州」を参照
国内には13の州があるが、知事(アミール)は、すべて王族が勅任されている。
主要都市
- リヤド(リヤード、首都)
- ジッダ(ジェッダ)
- メッカ(マッカ)
- ダンマーム(ダンマン)
- カフジ(ハフジ)
- アル=フバル
- マディーナ(メディナ)
- ジーザーン(ジャーザーン)
- アル=ジュバイル - ロイヤルコミッション(英語版)(Royal Commission for Jubail and Yanbu)管轄の石油工業団地都市
- ヤンブー(ヤンブウ)
- カティーフ
交通
西部にはイスラム教の2大聖地であるメッカとマディーナがあり、世界各地から巡礼者が訪れる。2007年からは非ムスリムに対しても観光ビザが発行されるようになったが、団体ツアーのみ発行され個人には発行されていない。個人入国を認める査証は巡礼(巡礼ビザ、ムスリムのみ)か政府や各種団体(外交官ビザ、公用ビザ)、現地企業の招聘による仕事(商用短期訪問ビザ)、サウジアラビア在留者の家族(家族訪問ビザ)の場合のみ発行される。女性は既婚者が原則で夫または男性の近親者同伴、単独の場合は30歳以上であることが条件。
国営航空会社のサウジアラビア航空が世界各国[19]を結んでいる他、外国航空会社がリヤードやジッダなどの主要都市に乗り入れている。
サウジアラビアでは交通事故の死亡者は増加傾向にあり、2000年には3500人だった死亡者は2007年には6300人と激増し、交通事故総数が435,264件である。 交通事故による負傷者も過去10年間で30万人を越え2000人以上が重大な障害を負うなど、 交通事故は死亡理由、負傷理由の上位を占めている。 2000年には200億サウジ・リアルだった経済損失も2007年には3460億サウジ・リアルにまで増大している。 2000年から点数制度が導入され、取り締まりが強化されているが、事故、死傷者とも増加傾向にある。 若者の間では「サウジドリフト」と呼ばれる暴走運転が広く行われており、暴走族が社会問題化している。
サウジアラビアは世界で唯一、女性が自動車を運転することが禁止されている国である(運転免許の取得が法的に認められておらず、社会通念的にも運転は禁止されていると見なされる[20])。ただし、女性が財産として自動車を所有することは禁止されていない。このため、女性が自動車を利用するには運転手を雇うか、親族男性に運転してもらうしかない。