「2029年、人間の脳は機械と融合する」的中率86%のグー…Ⅰ
画像は「Daily Mail」より引用
このようにカーツワイル氏は、人工知能も双眼鏡や補聴器やペースメーカーなどと同じように人間の能力をサポートする道具になると考えているようだ。この点については「人類のサイボーグ化」を提唱する「テスラ」社CEOイーロン・マスク氏も同意見だ。以前トカナでもお伝えしたように、マスク氏はAIの脅威を取り除くためには高速処理を実現するインターフェースを脳に接続する必要があると断言している。
AIと人間の融合は最も理想的な人類の発展と見ていいだろう。それというのも、両者にはそれぞれ補いあうべき長所と短所が存在するからだ。コンピューターの情報処理能力はすでに人間を遥かに凌駕していることは周知の事実だが、英有名物理学者ロジャー・ペンローズ氏などは人工知能と人間の知性の間には架橋できない大きな差があると主張している。曰く、計算と理解には雲泥の差があるという。また、人間性の中核をなすともいうべき「倫理」をAIが持ち合わせていないという指摘もある。
画像は「Daily Mail」より引用
機械の長所を人間の能力の拡張として使うことができれば、人間の頭脳は計り知れないほどの記憶ストレージと計算能力を得るだろう。さらには、カーツワイル氏が主張するような意識のクラウド化が実現すれば、個人の意識やアイデンティティ、社会的な死さえも消失し、人類という1つの知性が思考するようになっていくのかもしれない。いずれにしろ、結果は数十年後に明らかになる。その時、人類が今よりも少し賢明になっていることに期待したい。
(編集部)
参考:「Futurism.com」、「Daily Mail」、ほか