これはびっくり!空想の世界と現実がリンクする、未来を的確に予言していた小説と映画 9 作品

2014年06月27日 ι コメント(65) ι 知る ι 歴史・文化 ι #

 

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 「事実は小説より奇なり」という。小説は空想の世界であり、ありえない世界が展開されるが、実は、現実に起こる出来事は、作られた物語の中で起こることよりも不思議なことが多かったりする。

 ところが今回紹介するのは、小説や映画のストーリーが未来に起きる出来事を予知していたかのような、空想世界と現実とリンクしてしまった奇妙な例である。作家には予知能力があるのだろうか?なんとも不思議な話である。

 

1. エドガー・アラン・ポーの冒険小説
「ナンタケット島出身のアーサー・ゴードン・ピムの物語」

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 なんとこの事例は、小説の内容と実際に起きた出来事のシチュエーションも、人数も、そして死亡者の名前まで同じという奇跡的現象である。

予言したストーリー:
 1838年、エドガー・アラン・ポーが書いた小説に、リチャード・パーカーという人物が反逆者として登場する。彼は他の反逆者とともに船に乗せられたが、この船が途中で転覆した。

 パーカーを含め、生き残った者には十分な食料がなく、苦肉の策として、パーカーは皆に「くじ引きでアタリを引いた人を皆で食べる」というカニバリズムを提案をする。そして、あろうことか、彼自身がアタリを引いてしまい、皆に食べられてしまうのだ。

実際に起きた事件:
 1884年、英国のサザンプトンからオーストラリアに向けて出港したヨットが転覆した。乗組員のうち4名が生き残り、救命艇に乗った。その中には17歳のリチャード・パーカー乗組員が含まれていた。じきに飲料と食糧が底をつき、尿を飲んでしのいだが、食糧がないため、ついには残る3名がリチャード・パーカーを殺して食べ、生き延びたのだ。

 

2. アメリカ人の元船員モーガン・ロバートソンの短編小説
「フューティリティ(タイタン号の沈没)」

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 あまりにも有名なタイタニック号の悲劇だが、それとそっくりの予言的な小説が事前に書かれていた。1898年、書かれたこの小説は、タイタン号という架空の船が氷河にぶつかって沈むストーリーで、このタイタン号の話が1912年に沈んだタイタニック号とそっくりなのである。
 

類似点:
a) 両船ともスクリューは3本だった。

b) タイタニック号は269mで66482トンであり、不沈船といわれていた。小説のタイタン号も244mで、75000トンであり、同じく不沈船という設定だった。

c) タイタニック号には20の救命艇しかなく、タイタン号も24の救命艇しかなかった。

d) タイタニック号は1912年4月12日、北大西洋、ニューファウンドランド沖740kmの地点で22.5ノットという早すぎるスピードで氷河に右舷からぶつかった。タイタン号も4月の夜、同じくニューファウンドランド沖の740km地点で同じく氷河に右舷からぶつかっているのである。

e) タイタニック号は沈み、2200人の乗員乗客のうち、半分以上が亡くなった。タイタン号も沈み、2500人の乗客のうち半分以上が溺れた。


 ※のちにこれは仕組まれたものであるということが判明した。タイタニック号沈没事故後に、この本は改訂が加えられ、上記類似点が付け加えられたそうで、初版では、大型船の沈没を扱っていたものの、タイタニックの事故に酷似した内容ではなかったそうだ。

 

3.H・G・ウェルズのSF小説 
「解放された世界」

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 1914年、ウェルズはこの小説で、大規模な核兵器の使用とその後の制御できない結果について描いた。彼は核兵器を用いることの危険性を描いたのだが、逆にこのことにより核兵器の発達をもたらしてしまった面もある。

 物理学者のレオ・シラードは1932年にこの本を読み、翌年、中性子連鎖を思いつき、さらに翌年、その特許をとった。

 

4. パディ・チャイエフスキー脚本の映画
「ネットワーク 」

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 1975年、パディ・チャイエフスキーが脚本を描いた、視聴率に踊らされるテレビ業界人の狂騒を痛烈に風刺した映画「ネットワーク」は、上映当時はわからなかったが、後にテレビ業界の未来を見事に予言した作品であると評価された。

 たとえば、”視聴率至上主義”、”低レベルの現実逃避的な番組”、”一般人を登場させること”、など1976年当時のテレビ業界にはなかったことで、今では当たり前になっていることが描かれていたのである。

5. ヒューゴ・ガーンズバックのSF小説
「ラルフ124C41+」

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 「Modern Electrics」という雑誌に1911年に12回にわけて連載されたこのSF小説は、登場する主人公が、テレビ、リモコン、ビデオフォン、大陸間の航空サービス、太陽エネルギー、音の出る映画、人工牛乳、人工の食事、人工繊維の布、声紋、テープレコーダー、宇宙旅行などについて、ほのめかしているのだ。

 言うまでもなく、これらのものはすべて現実にありきたりのものとなっているが当時にはなかったものばかりだ。

 

6.エドワード・ベラミーの小説
「顧みれば」

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 1888年、エドワード・ベラミーが書いたベストセラー小説「顧みれば」では、クレジットカードについて触れている。この本で主人公は1887年に昏睡し、2000年に目が覚める設定となっている。

 世界は社会主義者の天国となっており、全ての人がクレジットカードを持っている。(ここに描かれているのはクレジットカードというよりはデビットカードに近いかもしれない。)

 ベラミーはまたショッピングモールやオンラインショッピングについても予言した。ただし、その配送は、地下に通したトンネルを使う設定なので、これは現実ではまだ起きていない。

 

7. 米SFテレビドラマシリーズ
「トワイライト・ゾーン」

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 番組は1959年から1964年に放映されたが、今日でも宇宙自体のクラシックな作品として非常に有名である。核戦争、宇宙探検、政府による国民の支配、国民のイライラ感、国民のモラルについてもいくつかの話で表現している。

 登場する多くの技術が当時は変わってるとか、ありえない、などとされたが、たとえば、運転しないでも動く車や、液晶テレビや、オンデマンドの番組や、人間にそっくりのロボットや、政府による監視など、現在では普通とされることも多々あった。

8. アーサー・C・クラークとスタンリー・キューブリックのSF映画
「2001年宇宙の旅」

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 2001年宇宙の旅は、原作者のC.クラークとスタンリー・キューブリックがアイデアを出しあってまとめたストーリーに基いて製作されたSF映画およびSF小説である。

 1968年に公開されると視聴者はおおいに混乱したが、それが故に今までの映画の中で最も優れた映画の1つだとされ、また、もっとも予言的な映画であったとされる。

 1951年のクラークの小説を原作とし、ミステリアスなモノリスに関係する人類の進化について描かれている。映画も、ほぼ同時に出された本も、未来の技術進歩について触れているが、そのうちのいくつかはすでに実現している。
 

実現した科学技術:
(a) 映像ネットワーク (現代のインターネット・ネットワークと酷似)

(b) 宇宙船(1971年に初の宇宙船サリュート号が登場した。)

(c) iPad(映画では2人の宇宙飛行士がiPadそっくりのタブレットを使っているシーンがある。)

(d) 飛行機内での個人用のテレビ(1990年代にやっと登場した。)

(e) コックピットをガラス張りにすることや、宇宙空間でのロボットの使用、宇宙旅行、そして仮死状態(最近、FDAにより、医療目的でのみ認可された)など





 

9. ジュール・ヴェルヌの小説
「月世界旅行」

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 1865年、ジュール・ヴェルヌは「月世界旅行」を記したが、この本は104年後に実際に起きることを正確に予言していた。104年後、アメリカは月に人間を派遣したが、その時の乗り物の形も大きさも搭乗人員の数(3名)もほぼ同じである。地球に帰還したあとに太平洋に着水したのも同じである。

 しかも、ジュールは、宇宙船では無重力になることを、小説の中の「コロンビアド」号に関する記述で予言していた。これはまだアポロ11号が月に行く106年も前のことである。しかもこのアポロ11号の作戦モジュールは「コロンビア」という名前で、1969年の7月16日に発射されたのだ。

via:oddee・原文翻訳:LK

 

番外編:手塚治虫のマンガ
ブラックジャック

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 『週刊少年チャンピオン』で1973年11月から1983年10月まで連載されていたこのマンガの「もらい水」編でに、”6月14日午前8時”に東北一帯に大地震が起きると描かれた1コマがある。2008年の同日時、”6月14日午前8時”に実際に M7.2(推定)の地震が起きた。

【予言】手塚治虫が漫画ブラックジャック内で、今回の岩手・宮城内陸地震を時間まで正確に予言していた!?


 その他手塚治虫氏のマンガの中では、様々な予言があると言われている。
 

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