新たなる超大陸 「アメイジア大陸」形成が進行中。地殻プレートの活性化とネパール大地震に関連性(オーストラリア研究)
2015年04月30日 ι コメント(27) ι 知る ι 自然・廃墟・宇宙 ι #
今月28日、ネパールを襲った大地震は、甚大なる被害をもたらしており死者は10,000人を超える可能性があり、懸命なる救助活動が続いている。別の側面で見ると、この地震は、地球上の陸塊が今まさにこの瞬間、新たなる超大陸を形成中であることを浮き彫りにしているのだという。ネパール大地震はプレートの移動が破壊的になる例だと研究者は語る。
これは被災地へ飛んでインド・プレートとユーラシア・プレートが一緒に移動する様子を調査した研究者の発言で明らかになったものだ。研究者たちは新技術を利用して、これまでとは様相が全く異なっているであろう今後数千万年単位の変化を調査し始めている。
アメイジア大陸と呼ばれる超大陸が形成中であるという学説は新しいものではない。だが、カーティン大学の地質学者、李正祥博士は、インド・プレートがすでにユーラシア・プレートに接触しているにも関わらず、毎年数cmほど北へ移動を続け、地殻活動を起こしているという事実を現地で確認した。
そして、他の大陸もまたお互いに接近しつつある。太平洋は毎年数cmずつ狭くなり、やがてアメリカ大陸はユーラシア大陸に衝突するだろうし、オーストラリア大陸もアジアへ向かって毎年7cmずつ移動しており、最終的にはアメイジア大陸の一部となる。
「新超大陸が完成するには、少なくとも数千万年か、ひょっとしたら数億年がかかるでしょう」と李博士。
高解像度断層撮像法および地理情報システムという新技法と、演算能力の向上したコンピューターが、この大陸の変化を前代未聞の方法で追跡することを可能とした。例えば、こうした変化とかつて存在した超大陸、ロディニア大陸やパンゲア大陸との比較など、地球表面の現在のプレート理論とマントル深奥のプロセスや太古の地質データを結びつけることができる。
新超大陸が形成される正確な場所については、いくつかの説が提唱されている。アフリカの周辺とする説がある一方で、2012年にはイェール大学の研究者が北極が中心とする説を発表している。この研究によれば、南北アメリカは1つに融合し、カリブ海と北極海が消失する。さらに、アジアがこの融合したアメリカに加わるという。こうした変化は5千万~2億年のうちに起こるようだ。
下の地図からはネパールがインドとアジアの境界に位置することが分かる。ここでは2つのプレートが衝突し、一方の中へめり込み続けている。北へ移動するインド・プレートの地殻活動が地震の原因となる。
最も最近の超大陸であるパンゲア大陸(ギリシャ語で”全ての陸地”の意)が形成されたのはおよそ3億年前のことで、アフリカを中心としていた。これが現在の7大陸に分裂し、大西洋が生まれたのはそれから1億年後のことだ。パンゲア大陸は地球史上、3か4番目の大きさを有していたと考えられている。
パンゲア大陸が分裂して、今日の大陸へと形成された様子を説明するイラスト
その前にあった超大陸が約10億年前に形成されたロディニア大陸で、さらに18億年前にはヌーナ大陸が存在した。
大陸移動説は、1912年ドイツ人の気象学者アルフレート・ヴェーゲナーが、ジグソーパズルのようにぴったりと一致する陸地の形状を説明するために提唱したものである。地球の表面は、7つの主要な固い岩盤(プレートと呼ばれる)といくつかの小さな岩盤で形成されており、人間の爪の成長とほぼ同じ、年に数mmから数cmほどの速さで移動している。このプレートが移動する際に生じる摩擦が地震の原因となる。
via:.dailymail・原文翻訳:hiroching
●アメイジア大陸とは?
プレートテクトニクスにおいて現在より約2億年後に出現する可能性があると考えられている超大陸の一つ。アメイジアは「アメリカ」と「アジア」を繋げたもの。
この超大陸は、アフリカ大陸、ユーラシア大陸、アメリカ大陸、オーストラリア大陸の合体によって形成される。その際太平洋は消滅し、そこに大山脈が出現する。直後には太平洋の跡からの大規模なプルーム現象が起こると予測されている。なお、東ユーラシアと北アメリカが直接衝突し、その南にオーストラリアが衝突する形になるか、オーストラリアが両者の間に割り込むところまで北上するか、南極大陸がオーストラリアの南側に衝突するか単独の大陸のままで残るかなどについては予想が分かれている。一方で、イェール大学のミッチェル博士らは、北極を中心に形成されるとしている。
また、アメイジア大陸とは逆に、大西洋が消滅するような形で超大陸が形成されるという説もあり、この超大陸はパンゲア・ウルティマ大陸またはパンゲア・プロクシマ大陸と呼ばれている。