無能者ばかりで構成されている国家が音頭を取り、将来有望で、有能な人材を育成するという企画ほど笑止千万なことはないでしょう。愚者が集まって賢者を養成できるわけがありません。それにはかかわらず、大まじめな顔をして公募しているのは、おそらく自分たちのことを大した人間だと心底信じているからでしょう。
かれらはただ単に、周りが馬鹿ばっかりという好都合な環境のなかにあって、学歴と幸運に頼ってその地位に就いたにすぎず、化けの皮が剥がれる日々に身をさらしているだけなのに、そうしたとんでもない誤解と錯覚が堂々と罷り通るこの日本とはいったいどれほどおめでたい国なのでしょうか。
このことは芥川賞の選考委員と受賞者の関係に酷似しています。恐ろしくレベルの低い者が、それよりもレベルの低い者を選んでしまうという悪環境を思い出さずにはいられません。これではまともな書き手が育つわけもなく、現に、質の悪化を食い止める手立てもないありさまです。いずれは全体が死ぬことになるでしょう。たとえ表面上は生きているように見えたとしても、その実態は生ける屍ということになるでしょう。
真に有能な人材は、その根底に反骨と反逆の精神をしっかりと具えているものです。それが最低条件であり、必須条件であるのです。だから、国家の呼びかけに喜び勇んで応じ、その意向に調子を合わせようとする者たちのなかから、将来の日本を輝ける方向へ導くことができる逸材が出ることなど万が一つにもありません。かれらもまた、選ぶ者たちとそっくり同じ道を辿ることになる選ばれた者となるだけでしょう。
【新刊発売のお知らせ】
朝日新聞出版よりエッセイ『人生なんてくそくらえ』が発売になりました。
定価:1785円(税込)
発売日:2012年2月17日
四六判上製 204ページ
■概要
「好き勝手に生きていい人生だということを本当に理解しているのか」 定職につけない、結婚相手がいない、親の面倒を見なければならない……現在にも未来 にも不安や迷いを抱える人々に、辛口に喝を入れると同時に、人生なんてくそくらえ!と吹き飛ばすパワーを与えてくれるエッセイ。仕事、親、学歴、国家、宗 教、恋愛、死といった問題について、「自立して生きる」を実践してきた著者だからこそ書ける、空疎で陳腐な前向きな人生論を超え、心にまっすぐに切り込む 一冊。
ぜひご一読ください。
かれらはただ単に、周りが馬鹿ばっかりという好都合な環境のなかにあって、学歴と幸運に頼ってその地位に就いたにすぎず、化けの皮が剥がれる日々に身をさらしているだけなのに、そうしたとんでもない誤解と錯覚が堂々と罷り通るこの日本とはいったいどれほどおめでたい国なのでしょうか。
このことは芥川賞の選考委員と受賞者の関係に酷似しています。恐ろしくレベルの低い者が、それよりもレベルの低い者を選んでしまうという悪環境を思い出さずにはいられません。これではまともな書き手が育つわけもなく、現に、質の悪化を食い止める手立てもないありさまです。いずれは全体が死ぬことになるでしょう。たとえ表面上は生きているように見えたとしても、その実態は生ける屍ということになるでしょう。
真に有能な人材は、その根底に反骨と反逆の精神をしっかりと具えているものです。それが最低条件であり、必須条件であるのです。だから、国家の呼びかけに喜び勇んで応じ、その意向に調子を合わせようとする者たちのなかから、将来の日本を輝ける方向へ導くことができる逸材が出ることなど万が一つにもありません。かれらもまた、選ぶ者たちとそっくり同じ道を辿ることになる選ばれた者となるだけでしょう。
【新刊発売のお知らせ】
朝日新聞出版よりエッセイ『人生なんてくそくらえ』が発売になりました。
定価:1785円(税込)
発売日:2012年2月17日
四六判上製 204ページ
■概要
「好き勝手に生きていい人生だということを本当に理解しているのか」 定職につけない、結婚相手がいない、親の面倒を見なければならない……現在にも未来 にも不安や迷いを抱える人々に、辛口に喝を入れると同時に、人生なんてくそくらえ!と吹き飛ばすパワーを与えてくれるエッセイ。仕事、親、学歴、国家、宗 教、恋愛、死といった問題について、「自立して生きる」を実践してきた著者だからこそ書ける、空疎で陳腐な前向きな人生論を超え、心にまっすぐに切り込む 一冊。
ぜひご一読ください。