マクロスと接合する艦艇

プロメテウス

CVS-101 プロメテウスは、地球統合海軍太平洋艦隊所属の大型航空母艦。全長512m。最新鋭可変戦闘機バルキリー150機他を搭載する。飛行甲板にはエレベーター9基とカタパルト6基(艦首4・アングルド・デッキ2)、その他対空ミサイル、対空ファランクスを備える。半潜水航行性能を持ち、艦橋(アイランド)は流体力学的形状に設計されている。

西暦2005年11月に就役し、統合戦争後にバルキリー部隊が配備される。2009年2月のマクロス進宙式典の際、周辺海域の警護任務のため南アタリア島海域に配備されていたが、強襲揚陸艦ダイダロスと共にマクロスのフォールド暴走事故に巻き込まれ、冥王星軌道上に転移する。この際、水密区画以外にいた乗員は死亡。その後は艦尾を改造のうえ、マクロスの左舷ドッキングポートに接続され、航空兵器のプラットフォームとして運用される。純然たる洋上艦であるため、水密区画以外では乗員は宇宙服を着用して運用している。

マクロスの防衛能力保持のため、緊急処置的に接続される本艦だが、第一次星間大戦及び第一次マクロス・シティ防衛戦を戦い抜き、防衛戦後の西暦2012年のマクロス大改修にて取り外されるまで、マクロスの航空戦力拠点としてその責務を全うする。

なお、設定だけで本編中では使用されなかったが、「プロメテウスクラッシュ」(または「プロメテウスアタック」)という「ダイダロスアタック」と対になる戦法が考案されていた。

劇場版では、ブリタイ艦のフォールドに巻き込まれて未知の無人惑星に飛ばされた一条輝と早瀬未沙が本艦の朽ち果てた残骸を発見し、そこが変わり果てた地球であることを知る。1997年発売のセガサターン版ゲーム『超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか』のオープニングムービーでは、マクロス進宙式警護のため南アタリア島近海を航行中、ゼントラーディ軍接近の報を受け、スカル小隊が発艦した直後、衛星軌道上からのビーム攻撃により船体を真っ二つに割られ轟沈する。

ダイダロス

SLV-111 ダイダロスは、地球統合海軍太平洋艦隊所属の大型強襲揚陸艦。全長488m。陸戦兵器デストロイド部隊を海上輸送し、その頑強な艦体にて敵前に強襲上陸作戦を行う。艦内には2層の格納庫があり、艦首には上陸用大型ハッチと展開式ランダー・タラップ、また「超時空要塞マクロス THE FIRST」エピソード:0での冒頭シーンでの確認ではあるが後部に大型ウェルドック用ハッチを備える。プロメテウスと同様に半潜水性能を持ち、通常航行用と半潜水時哨戒用の2つの艦橋(アイランド)を持つ。

プロメテウス就役から5か月後の2006年4月に就役。2009年2月、プロメテウスと同様に南アタリア島海域でマクロスのフォールド暴走事故に巻き込まれ、冥王星軌道上に転移する。この際、完全水密ハッチを持つため乗員は無事だった。プロメテウスと同じく艦尾を改造され、アームド級宇宙空母に代わってマクロスの右舷ドッキングポートに接続され、マクロスの右舷として運用される。頑強な艦体とピンポイントバリアを利用した強襲接舷戦法として「ダイダロスアタック」が考案され、マクロス強攻型の文字通り右腕として同艦の生存に大きく寄与しており。また、マクロス進宙前のエピソードではあるが「超時空要塞マクロス THE FIRST」ではグローバルの奇策でもって艦首を追尾していた改アクラ級潜水艦クリリスクにぶつけ沈めると艦の丈夫さを遺憾なく発揮している。

プロメテウスと共に第一次星間大戦を戦い抜くが、西暦2012年1月の第一次マクロス・シティ防衛戦の際に、特攻したカムジン艦の体当たりの直撃を受けてマクロス艦体の右舷もろとも大破。その後のマクロス大改修に伴いそのまま廃艦となる。

テレビ第3話にて、宇宙空間のアームド級宇宙空母の艦隊の中に、ダイダロスやプロメテウスと同型の艦が数隻混じっているシーンがあるが、演出及び作画スタッフによるミスの可能性が高い。

劇場版には未登場。

アームド級宇宙空母

アームド級宇宙空母は、もとは静止軌道上の浮きドックを、マクロスを軸とする戦略構想の要請により急遽宇宙支援空母へと改装したものである。アームド(ARMD)とはArmaments Rigged-up Moving Deckの頭字語。バルキリーなど艦載機のプラットフォームとして機能する他、作戦中に燃料切れを起こした機体の回収行動も行う。そのため外装が強化され、艦尾には大型推進器が取り付けられた。但し、推力に比して船体質量が必要以上に大きいため、艦速を始めとする機動性能は劣る。間に合わせ仕様ではあったものの、単純な構造による実用性と量産性には一定の評価がある。

同級宇宙空母は月軌道上の工業ステーションで順次建造され、1、2番艦 (ARMD-01H.J.ニーヴン, 02インヴィンシブル) がマクロスの両舷に接続される予定であった。しかし、西暦2009年のゼントラーディ軍との開戦時、マクロスとのドッキングを阻止され、2隻とも撃沈される。(ただし、異説としてARMD-02は中破しながらも避退に成功し、後にボドル基幹艦隊との決戦に参加したとある。)その後8番艦 (ARMD-08ミッドウェー) までが就役し、オーベルト級宇宙駆逐艦とともに地球近傍の防衛任務にあたるが、これらもまたボドル基幹艦隊との決戦時に全滅する。(同じく異説では、ARMD-06コンステレーションはL-5の、ARMD-08ミッドウェーはアポロ基地の、それぞれ直衛の任に就いていたため、無事であったとされ、また第一次星間大戦後、9~14番艦がフォールドシステムを搭載して就役、生き残った6番艦および8番艦も後にレトロフィットがなされたという。)

劇場版は本来の計画通りマクロスの左舷にアームド-01、右舷に02が接続されている。マクロスの腕に見えるように指のような構造物が追加されるなどデザインがマイナーチェンジされている。作中では格納庫からスライド式フックアームでスーパーバルキリーを吊り出し、宇宙空間へ放出する発艦シークエンスも描かれている。地球上での戦闘シーンもあるが、この場合重力下でどのように発艦作業を行うのかは設定されていない。

1992年12月発売の超時空要塞マクロス 永遠のラブソング (PCエンジン・CD-ROM2 )には、派生級と推定される「プロメテウスII」強襲揚陸空母が登場し、ゼントラーディの艦船に対してダイダロスアタックを敢行する。
1997年発売のセガサターン版ゲーム『超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか』のオープニングムービーでは、南アタリア島上でフォールドするマクロスにアームド級2隻が接合しているが、どの時点でマクロスとドッキングしたのかは不明。また、ゲーム中ではダイダロスアタックと同様の戦法「アームドアタック」が設定された。
同じく1999年発売のPCゲーム、『マクロス アナザーストーリー』ではアームド級宇宙空母ヴァリウスがプレイヤーの母艦となり、単独でのアームドアタック(ヴァリウスアタック)を敢行する。

『マクロス7』の時代(約30年後)には、ステルス仕様で単独フォールド可能な

次世代型のグァンタナモ級や2段甲板のウラガ級宇宙空母が登場する。

  • 全長: 約450m
  • 全幅: 約220m
  • 全備重量: 174,000t
  • 推進: 熱核反応エンジン2機、姿勢制御用スラスター多数
  • 搭載: VF-1バルキリー260機以上、無人戦闘機ゴースト、宇宙戦闘機ランサーIIなど多数
  • 兵器: 誘導収束ビーム砲、小型対空火器の他、対艦戦用反応弾ランチャーも装備
  • 就航年次及び艦名: 2008年7月 ARMD-01H.J.ニーヴン。 / 2008年10月 ARMD-02インヴィンシブル。 / 2009年3月 ARMD-03エンタープライズ。 / 2009年5月 ARMD-04クレマンソー、ARMD-05アカギ。 / 2009年8月 ARMD-06コンステレーション。 / 2009年10月 ARMD-07ラングレー。 / 2010年1月 ARMD-08ミッドウェー。 / 2011年8月 ARMD-09ミンスク、ARMD-10ハルナ。 / 2012年12月 ARMD-11キエフ。 / 2013年2月 ARMD-12インディペンデンス。 / 2014年5月 ARMD-13フォレスタル。同年9月 ARMD-14R.A.ライスリング。

ARMD-15以降はアームドII級(アドヴァンスド・アームド級)の建造に移行したとされる。

マクロス級

艦体自体が一から建造したのではなく、前述のように巨人族用に建造された艦を地球統合軍の主力戦艦として改修するという特殊な経緯を経て就役したため、完全な同型艦は存在しない。特に後付である「両腕」などの部分において、監察軍のものとは、ある程度別の形状になっている。

準同型艦(オリジナル)

元の持ち主である監察軍には原形となった艦が存在していたと考えられるが、ASS-1と完全な同型艦は2059年時点で銀河のどこにあっても発見されておらず、その謎は飛来から50年後も未だタブロイド誌と学会を賑わせている。

ただし、第一次星間大戦後、新統合軍がゼントラーディの自動工場衛星奪取へ赴く際、航路上に大破して浮遊していた監察軍の宇宙戦艦に接触しており、この艦はサイズや形状から、SDF-1マクロスのベースとなったASS-1の同型艦であった可能性が高い。

監察軍との接触は貴重な機会であるため、ブリタイ艦に同乗していた早瀬未沙が調査を進言するものの、工場衛星奪取作戦への時間的な制約と、マクロス同様ブービートラップの発動を憂慮したブリタイにより却下される。

準同型艦および後継艦(地球製)

メガロード級(SDF)

2003年11月にマクロスをベースとした純地球製のSDF-2 メガロードが建造開始。のちに宇宙移民船メガロード-01へと仕様が変更され、2012年9月に地球を出港した。なお、テレビ版の「メガロード」(設定画のみ)と、後年発売された『超時空要塞マクロス Flash Back 2012』に登場した「メガロード-01」はデザインが大きく異なっているが、これはTV版設定はマクロス級2番艦戦艦メガロードとしての完成予想図、Flash Back 2012版は仕様変更され、実際にメガロード級移民船メガロード-01として完成したデザインであるとの解釈がなされている。

以後メガロード級は25隻が建造され、超長距離移民船団として地球から旅立っていった。

第一世代型マクロス級(SDFN)

また、メガロード-01の出航直後の西暦2013年から、超長距離移民船団の予定航路調査や安全確保を目的として、マクロス級1番艦 (SDFN-1)「ジェネラル・ハヤセ」を筆頭に12隻の初代マクロスの同型艦が量産され、地球を出航している。第117次大規模調査船団の旗艦としてマクロス級4番艦 (SDFN-4)「ジェネラル・ブルーノ・J・グローバル」が運用されていたが、2059年に惑星ガリア4の辺境で残骸として発見される。劇中では「第一世代型のマクロス」と呼ばれている。『マクロス30 銀河を繋ぐ歌声』に登場するマクロス級8番艦(SDFN-8)「ジェネラル・ブリタイ・クリダニク」は惑星ウロボロスへの移民を行い、同惑星の首都「ブリタイ・シティ」となっている。

新マクロス級(NMCV)

2030年、メガロード級の後継艦としてさらに巨大な宇宙移民船新マクロス級1番艦が建造され、「マクロス」という名は地球人類の象徴、ひいては宇宙移民のシンボルとして移民船団の名称に引き継がれていくこととなった。新マクロス級はより優れたフォールド能力をもって、先行した調査船団に追いつき、マクロス級は移民船団に合流した。新マクロス級の船団はマクロス級の乗員らを、宇宙移民の先駆者として、畏敬の念を持って迎え入れたという。『マクロス7』に登場するマクロス7は新マクロス級7番艦で、第37次超長距離移民船団の旗艦である。2059年の時点ではアイランド・クラスター級と称される第五世代型の移民船団が登場しており、船団の規模もよりスケールアップしている。

シティ艦と呼ばれる居住艦とバトル級空母から構成されており、バトル級はマクロス同様トランスフォーメーションが可能。マクロス・キャノンはガンシップとして単艦運用することもできる。後期型バトル級では、さらに本体部分も5隻の戦闘艦に分離可能で、ガンシップと合わせバトル級1隻で最大6隻の艦隊(空母3、戦艦2、砲艦1)を編成できる。

マクロス・クォーター級

マクロスF』に登場する、フロンティア船団にする民間軍事企業S.M.Sの母艦。「マクロス・クォーター」は、全長約400mとその名の通り従来の新マクロス級(バトル級)の約4分の1というサイズながら、強攻型へのトランスフォーメーション機能やマクロスキャノンなど、マクロスの特徴を受け継いでいる高性能艦となっている。機動性に関しては従来マクロス級を大幅に上回っており、格闘戦では中間形態や人型の利点を活かした複雑な機動で敵に迫る。後期型バトル級同様、5隻に分離することも可能(巡洋艦1、空母1、砲艦3)。

S.M.Sが主に採用している母艦という設定になっており、劇場版や小説版、関連書籍では他の移民船団や移民惑星の各S.M.S支部などに、「クレイジー・ホース」や「エンライトメント」といったクォーターの同型艦が複数登場する。

マクロス・エリシオン級(仮)

マクロスΔ』に登場する、ケイオス所属のマクロス級。腕以外はマクロス・クォーターに似た艦形だが、サイズは800m級と倍近い。ラグナ支部の拠点として強攻型で陸地に係留されている。分艦にも対応しており、腕部は宇宙空母として単独行動が可能。

マクロスキャノン

マクロスII』に登場する統合軍の超大型決戦兵器。公開されている作品中の時系列上、現時点で最新のマクロス後継艦に当たる。 マクロスの砲撃戦艦としてのコンセプトを拡大発展させた重砲艦であり、砲艦型から砲撃体型へとトランスフォーメーションすることもできる。 艦隊旗艦ではなく、純粋な砲撃戦闘専用として設計された一砲艦であり、内部に居住区画はない。マクロスの主砲があった両肩部分とドッキングポートのあった両腕部に、主砲として合計4隻のノプティ・バガニス級(通称ブリタイ艦、劇場版仕様)を連結した姿をしているが、ノプティ・バガニス級自体が4000mにも及ぶ巨艦であり、それらと同等以上の大きさのメインブロックを含め、バトル級を遥かに上回る全長を誇る。5隻のエネルギーを合わせて放たれる主砲の威力は絶大だが、その巨体故にマクロス・クォーター級とは逆に、運動性やダメージコントロール・近接防衛は劣悪である。 当時の統合軍は歌の効果で相手の混乱させ、バルキリー部隊によって動きを止めたうえで、砲撃で仕留めるという戦術「ミンメイ・ディフェンス」をとっていた。同型艦が6隻就役しており、マルドゥークとの最初の会戦でも4隻が投入されるが、歌に耐性を持つマルドゥーク軍の前では、歌に頼りっきりの戦術が災いし、弱点を突かれて全て轟沈している。決戦時には調整不足で初戦に参加できなかった2隻が投入される。