登場兵器(オーラマシン)
地上人であるショット・ウェポンが造り出したオーラ力と呼ばれる人の精神エネルギーを動力源とする機動兵器の総称。主に「恐獣(強獣)」と呼ばれる巨大肉食獣の筋肉繊維や甲殻等を用い製造され、多くは昆虫に似た外観(一部の物やオーラシップは除く)を持つ。基本素材に生物の一部を利用しているため、長期間稼動しないと腐敗や劣化が進むことがあり、水中に沈めて保存する場合がある。
地上界でオーラマシンを使用した場合の特徴として、その火力はバイストン・ウェルとの大気の密度の違いから膨大な破壊力を発揮する反面、深度の深い海中などで活動した場合は生体パーツによる問題から水圧に耐え切れず圧壊しやすい。
用途・形状などにより、「オーラ・バトラー」「オーラ・シップ」「ウイング・キャリバー」などに分類される。
詳細は「オーラマシン」を参照用語
- オーラ力(オーラちから)
- 人間の持つ生体エネルギーであり、オーラマシンの動力源である。強いオーラ力を持つ者は他者にもその影響を及ぼし、場合によっては予想し得ない巨大な結果をもたらす。オーラマシンにフェラリオが同乗すると性能以上の力が発揮されることや、ドレイク・ルフトやビショット・ハッタといった一国の王をルーザ・ルフトという一個人のオーラ力が惑わし翻弄したことは、その好例である。
- オーラマシンの発揮する力は、パイロットのオーラ力に大きく左右される。これはオーラマシンの動力源そのものが、パイロットのオーラ力に依存しているためである。よって基本性能が劣る機体でも、強いオーラ力を持つ聖戦士が操縦すれば高い能力を発揮し、逆に高性能であってもパイロットのオーラ力が弱ければ本来の性能を発揮しない。一方で怒りや憎しみといった負の感情に流されるとオーラ力は暴走を起こし、「ハイパー化」の果てに自滅に至る危険性もある。
- なお、バイストン・ウェルではオーラ力の作用や反応は抑制されるのに対し、地上界ではオーラマシンの性能や兵器の破壊力が格段に向上する。また、ショウ・ザマを始めとするバイストン・ウェルで過ごした地上人が地上界に放逐された際は、肉親のオーラ力に引かれてその付近に出現している。
- 聖戦士
- 強いオーラ力を持ち、オーラマシンの操縦適性がある人物のことである。劇中では主にバイストン・ウェルに召喚された地上人がそう呼ばれる。ただし、オーラ力が強いからこそオーラ・ロードを通ってバイストン・ウェルに召喚されるのであり、地上人を召喚するのはパイロット適性を持つ者を手っ取り早く選抜する手段に過ぎない。ゆえに召喚された地上人並みにオーラ力の強いコモン(バーン・バニングス、ミュージィ・ポーなど)も少なからず存在し、逆に舞台が地上界に移った後のオーラ・ロードを越えていない地上人については、特にオーラ力が強いという描写はされていない。
- 物語序盤でドレイクが地上人をバイストン・ウェルに次々と召喚したのは、ダンバインのようにより強いオーラ力を必要とするオーラバトラーのパイロットを揃えるためである。しかし、物語中盤では操縦者のオーラ力を直接増幅する「オーラ増幅器」が開発され、一般のコモンでもオーラバトラーを扱うことが可能となった。以後は戦闘適性のあるコモンが台頭し、舞台が地上界に移った後も地上人は起用されなくなった。
- なお、バイストン・ウェルでは一種のテレパシーにより異なる言語で会話しても意味が通じるため、地上人がバイストン・ウェルの住人や他国出身の地上人と会話するのに不自由はなく、後にオーラマシンと共に人々が地上界に放逐された際も(バイストン・ウェルで生活した地上人も含めて)その能力は維持されていた。後者については、劇中でマーベルとその友人がする英語の会話を聞いたショウが「日本語のように理解できる」と独白する形で示されており、急な路線変更に伴う苦肉の策だったことがうかがえる。
- ハイパー化
- オーラ力の暴走によって発生する特殊な現象。怒りや憎しみなどの負の感情により、オーラマシンを覆っているオーラバリアーが実体化して膨れ上がり、巨大化したオーラマシン像を形成する。機体そのものが実際に巨大化しているわけではないが、ハイパー化したオーラマシンは巨大化した機体そのままに行動し攻撃力も比例して増大する。しかし、暴走したオーラ力の負荷に機体が耐え切れず、いずれ自壊に至る極めて危険な諸刃の剣でもある(ただし、自壊現象にまで至ったのはジェリル・クチビの機体のみで、その他の事例では自壊する前に戦闘の決着がついている)。
- 初めてハイパー化が描写されたのは、ジェリル搭乗のレプラカーンである。その後、トッド・ギネスのライネック、黒騎士(バーン・バニングス)のガラバもハイパー化を果たしたが、黒騎士の場合はエレ・ハンムにより封じられる形で元に戻っている。また、ショウのビルバインもハイパー化の危機に陥ったが、チャム・ファウの知らせでそれを察知したマーベルやエレの助力により寸前のところで制御され、暴走するには至らなかった。なお、後の富野の監督作品『ブレンパワード』や『リーンの翼』でもハイパー化とよく似た描写(もしくは同一の現象)が見られる。
- フェラリオ
- 水の天界「ウォ・ランドン」やコモン界の「クスタンガ」に住む種族。「ミ・フェラリオ」「エ・フェラリオ」「チ・フェラリオ」という(位階制度ではなく成長の段階としての)階級が存在する。ミ・フェラリオは昆虫のような翅が生えた小さな妖精の姿。エ・フェラリオは成人女性(男性)のような姿。チ・フェラリオは強大な霊力を持つエ・フェラリオの上位種族で、劇中ではジャコバ・アオンが該当する。なお、ミ・フェラリオの子供はすべて花の中から誕生し、修練の結果エ・フェラリオへと成長した場合は、男性は「インテラン」、女性は「ワーラー・カーレン」へと進み、さらなる修練を積む。また、チャム・ファウを始めとするミ・フェラリオはワーラー・カーレンに住むエ・フェラリオ達を「お姉様方」と呼んでいる。
スタッフ
- 企画 - 日本サンライズ
- 原作 - 矢立肇、富野由悠季
- 総監督 - 富野由悠季
- キャラクターデザイン / 作画監督チーフ- 湖川友謙
- メカニカルデザイン - 宮武一貴
- 音楽 - 坪能克裕
- 美術監督 - 池田繁美
- 音響監督 - 藤野貞義
- プロデューサー - 森山涇(名古屋テレビ)、大西邦明(創通エージェンシー)、中川宏徳(日本サンライズ)
- 制作 - 名古屋テレビ、創通エージェンシー、日本サンライズ
主題歌・挿入歌
オープニングテーマ
- 『ダンバイン とぶ』
- 作詞 - 井荻麟 / 作曲 - 網倉一也 / 編曲 - 矢野立美 / 歌 - MIO
- 元プロレスラー・前田日明は新日本プロレス在籍当時の1983年、英国遠征から帰国した際に、入場テーマ曲としてこの歌のイントロのリピートを一時的に使用していた。
エンディングテーマ
- 『みえるだろうバイストン・ウェル』
- 作詞 - 井荻麟 / 作曲 - 網倉一也 / 編曲 - 矢野立美 / 歌 - MIO
挿入歌
- 『青のスピーチ・バルーン』
- 作詞 - 三浦徳子 / 作曲 - 網倉一也 / 編曲 - 矢野立美 / 歌 - 小出広美
- 『水色の輝き』
- 作詞 - 三浦徳子 / 作曲 - 網倉一也 / 編曲 - 矢野立美 / 歌 - 小出広美
上記4曲を収録したEPレコードは、いずれもキングレコード(スターチャイルド・レーベル)から発売され、何度かCD化もされている。
各話リスト
数 | 放送日 | サブタイトル | 脚本 | ストーリー ボード |
演出 | 作画監督 |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 1983年 2月5日 |
聖戦士たち | 斧谷稔 | 鈴木行 | 湖川友謙 | |
2 | 2月12日 | ギブンの館 | 富田祐弘 | 斧谷稔 | 関田修 | |
3 | 2月19日 | ラース・ワウの脱出 | 渡邉由自 | 井内秀治 | 佐々門信芳 | |
4 | 2月26日 | リムルの苦難 | 今川泰宏 | 遠藤栄一 | ||
5 | 3月5日 | キーン危うし | 富田祐弘 | 鈴木行 | 佐久間信計 | |
6 | 3月12日 | 月の森の惨劇 | 関田修 | 篠田章 | ||
7 | 3月19日 | 開戦前夜 | 渡邉由自 | 菊池一仁 | 佐々門信芳 | |
8 | 3月26日 | 再び、ラース・ワウ | 井内秀治 | 金山明博 | ||
9 | 4月2日 | 天と地と | 富田祐弘 | 今川泰宏 | 坂本三郎 | |
10 | 4月9日 | 父と子 | 鈴木行 | 遠藤栄一 大森英敏 (湖川友謙) |
||
11 | 4月16日 | キロン城攻防 | 渡邉由自 | 斧谷稔 | 関田修 | 佐々門信芳 |
12 | 4月23日 | ガラリアの追跡 | 菊池一仁 | 佐久間信計 | ||
13 | 4月30日 | トッド激進 | 富田祐弘 | 井内秀治 | 篠田章 | |
14 | 5月7日 | エルフ城攻略戦 | 今川泰宏 | 金山明博 | ||
15 | 5月21日 | フラオン動かず | 渡邉由自 | 鈴木行 | 遠藤栄一 大森英敏 (湖川友謙) |
|
16 | 5月28日 | 東京上空 | 関田修 | 佐々門信芳 | ||
17 | 6月4日 | 地上人たち | 菊池一仁 | 川瀬敏文 | 坂本三郎 | |
18 | 6月11日 | 閃光のガラリア | 井内秀治 | 秋野洋一[注 9] 矢木正之 大森英敏 遠藤栄一 (湖川友謙) |
||
19 | 6月18日 | 聖戦士ショウ | 富田祐弘 | 今川泰宏 | 坂本英明 大森英敏 (湖川友謙) |
|
20 | 6月25日 | バーンの逆襲 | 鈴木行 | 篠田章 | ||
21 | 7月2日 | 逃亡者リムル | 渡邉由自 | 今川泰宏 | 関田修 | 佐々門信芳 |
22 | 7月9日 | 戦士リムル・ルフト | 菊池一仁 | 川瀬敏文 | 佐久間信計 | |
23 | 7月16日 | ミュージィの追撃 | 富田祐弘 | 川手浩次 | 井内秀治 | 遠藤栄一 矢木正之 北爪宏幸 (湖川友謙) |
24 | 7月23日 | 強襲対強襲 | 鈴木行 | 金山明博 | ||
25 | 7月30日 | 共同戦線 | 渡邉由自 | 今川泰宏 | 大森英敏 坂本英明 (湖川友謙) |
|
26 | 8月6日 | エレの霊力 | 井内秀治 関田修 |
関田修 | 佐々門信芳 | |
27 | 8月13日 | 赤い嵐の女王 | 富田祐弘 | 川手浩次 | 井内秀治 | 坂本三郎 |
28 | 8月20日 | ゴラオンの発進 | 渡邉由自 | 今川泰宏 | 川手浩次 | 矢木正之 遠藤栄一 (湖川友謙) |
29 | 8月27日 | ビルバイン出現 | 富田祐弘 | 鈴木行 | 坂本英明 大森英敏 (湖川友謙) |
|
30 | 9月3日 | シルキーの脱出 | 渡邉由自 | 関田修 | 佐々門信芳 | |
31 | 9月10日 | 黒騎士の前兆 | 富田祐弘 | 井内秀治 | 金山明博 | |
32 | 9月17日 | 浮上 | 斧谷稔 今川泰宏 |
今川泰宏 | 坂本三郎 | |
33 | 9月24日 | マシン展開 | 渡邉由自 | 斧谷稔 川手浩次 |
川手浩次 | 大森英敏 北爪宏幸 (湖川友謙) |
34 | 10月1日 | オーラ・バリアー | 関田修 | 遠藤栄一 坂本英明 矢木正之 (湖川友謙) |
||
35 | 10月8日 | 灼熱のゴラオン | 富田祐弘 | 井内秀治 | 佐々門信芳 | |
36 | 10月15日 | 敵はゲア・ガリング | 鈴木行 | 金山明博 | ||
37 | 10月22日 | ハイパー・ジェリル | 渡邉由自 | 今川泰宏 | 大森英敏 北爪宏幸 (湖川友謙) |
|
38 | 10月29日 | 時限爆弾 | 富田祐弘 | 川手浩次 | 坂本三郎 | |
39 | 11月5日 | ビショットの人質 | 渡邉由自 | 関田修 | 佐々門信芳 | |
40 | 11月12日 | パリ炎上 | 富田祐弘 | 井内秀治 | 遠藤栄一 坂本英明 矢木正之 (湖川友謙) |
|
41 | 11月19日 | ヨーロッパ戦線 | 今川泰宏 | 金山明博 | ||
42 | 11月26日 | 地上人の反乱 | 渡邉由自 | 鈴木行 | 大森英敏 北爪宏幸 (湖川友謙) |
|
43 | 12月3日 | ハイパー・ショウ | 富田祐弘 | 川手浩次 | 佐々門信芳 | |
44 | 12月10日 | グラン・アタック | 関田修 | 坂本三郎 | ||
45 | 12月17日 | ビヨン・ザ・トッド | 渡邉由自 | 井内秀治 | 大森英敏 北爪宏幸 (湖川友謙) |
|
46 | 12月24日 | リモコン作戦 | 今川泰宏 | 金山明博 | ||
47 | 1984年 1月7日 |
ドレイク・ルフト | 富田祐弘 | 鈴木行 | 北爪宏幸 (湖川友謙) |
|
48 | 1月14日 | クロス・ファイト | 渡邉由自 | 川手浩次 | 佐々門信芳 | |
49 | 1月21日 | チャム・ファウ | 富田祐弘 | 斧谷稔 関田修 |
関田修 | 坂本三郎 |
派生作品
小説
富野由悠季は、本作以降もバイストン・ウェルを舞台とする小説やアニメを多数発表しており、ガンダムシリーズと並ぶライフワークとなっている。
- リーンの翼
- ファウ・ファウ物語(-リストリー)
- オーラバトラー戦記
- ガーゼィの翼(OVAではバイストンウェル物語ガーゼィの翼タイトルとしてOVA化された)
漫画
- 聖戦士ダンバイン(池原しげと、『コミックボンボン』連載)
- 聖戦士ダンバイン(杉山たかゆき、『TVアニメマガジン』〈旧『冒険王』〉連載、未単行本化)
- 聖戦士ダンバイン異伝 エグザイルサーガ(衣谷遊、『サイバーコミックス』)
- 聖戦士ダンバイン外伝 敬禱する巨甲騎士(森下薫、『サイバーコミックス』)
『コミックボンボン』および『TVアニメマガジン』の連載はテレビシリーズ放映と同時期、
『サイバーコミックス』の掲載はシリーズ終了後。
総集編ビデオ・OVA
テレビ放映終了後に全3巻の総集編が発売された。各巻に1話ずつ、全3話からなる新作(OVA)『New Story of Aura Battler DUNBINE』が1話ずつ収録された。設定上はテレビシリーズの続編(未来世界)とされるが、世界観などの内容はやや異なる。
ウォー・シミュレーションゲーム
- FS-002 グランアタック ダンバイン (ツクダホビー)戦術級。
- オーラバトラー(ツクダホビー)戦闘級。
- オーラバトラー1機単位での空戦ゲーム。登場機種はレプラカーンまでで、オーラバトラー以外はルール化されていない。
- ウイングキャリバー(ツクダホビー)戦闘級。
- 『オーラバトラー』の続編だが単独でもプレイ可。ビアレス以降のオーラバトラーやオーラマシンがルール化されているが、ブブリィ、グライウイング、オーラバトルシップを含む艦船類は含まれていない。
- バイストン・ウェル(ツクダホビー)戦略級。
コンピュータゲーム
- 聖戦士ダンバイン(ファミリーソフト、1991年1月19日発売、MSX2用)
- 聖戦士ダンバイン バイストン・ウェルの炎(ファミリーソフト、1991年8月9日発売、PC-9801用)
- 聖戦士ダンバイン 聖戦士伝説(バンダイ、2000年3月4日発売、PlayStation用)
-
- プレイヤーは「リの国」を率いる地上人の主人公「シュンジ・イザワ」(声 - 上田祐司)となり、オーラバトラーを開発・強化しながら、テレビシリーズのifが体験できるシミュレーションロールプレイングゲーム。マルチエンディング制であり、ニー・ギブン達に味方するロウルートとドレイク・ルフトと手を結ぶカオスルートの大きく2種類のルートがある。行動次第でアニメ本編のキャラクターの生死や動向が変化する。また、ゲームオリジナルのオーラバトラーが登場するのも特徴である。
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-