『イエス、マスター。◼ ◼ ◼ ◼にアクセス、スキル《マップ》を習得、周囲の地形を探索、地図を可視化表示します。ただしレベルにより範囲の制限あり。スキル《鑑定》を習得、対象の情報を得ることが可能、ただしレベルにより得られる情報量に制限あり。スキル《サーチ》を習得、周囲の生物より、害意、敵意のある者を光点で表示、ただしレベルスキル差により表示制限あり。
え、ちょっとなに《ナビゲーター》この便利ユニークスキルは、勝手にスキル習得したよ。もしかチートスキルなのか。助かるからいいけど。
試しに目の前の木を鑑定してみよう。
「《鑑定》」
=ルシウの木=
え?これだけ?名前だけなのか。もう一回こっちの木で試してみる。
「《鑑定》」
=ルシウの木=
『スキル《鑑定》のレベルが上がりました』
はやっ、2回使ってレベルが上がった。よし、もう一回だ。
「《鑑定》」
=ルシウの木
温暖な地域に生える広葉樹。傷を付けると粘着性の樹脂が分泌される=
よし、鑑定の説明文が増えたぞ、この感じで使っていこう。とその前に。
「ステータスオープン」
名前 フブキ・アマサカ
年齢 17歳 種族 異世界人
レベル 1 職業 学生
HP:110/110(100+10)
MP:107/110(100+10)
STR(筋力) 110(100+10)
DEF(防御力) 110(100+10)
VIT(生命力) 110(100+10)
DEX(器用さ) 110(100+10)
AGI(敏捷性) 110(100+10)
MND(精神力) 110(100+10)
INT(知力) 110(100+10)
LUK(幸運) 110(100+10)
【スキル】
言語理解LV1
アイテムボックスLV1
各種パラメーター補正LV1
取得経験値補正LV1
マップLV1
鑑定LV2
サーチLV1
【ユニークスキル】
ナビゲーター LV1
コピーLV1
【加護】
異世界神の加護
【称号】
異世界より召喚されし者
落とされた者
MPが3減ってる、ということは鑑定1回MP1消費するってことだな。
ちょうど杖に良さそうな枝が落ちている。
「《鑑定》」
=キノヒの枝
長さ2メートルのしなやか、且つ丈夫な枝=
うん、杖として、ちょっとした武器としても使えそうだな。
次は《マップ》だが表示、非表示を設定することで自分の視界に現れるようだ。実際に行った場所及び《サーチ》した場所しか表示されないので今は周りの小さなエリアだけだ。いくつか色のついた点が表示されている。
「《サーチ》」
表示にしていたマップに半径100メートルくらいの場所の地図が追加された。減ったMPは10だ、結構減るな。
ナビゲーター、この《マップ》の白い点はなんだ?
『イエス、マスター。それは過去に《鑑定》したモノと同種のモノで害意、敵意のないものです。タップする事で種名が表示可能です」
試しにタップしてみる。
=ルシウの木=
『種名をさらにタップする事で任意の色に表示変更できます』
おお、便利だ。欲しいものを《鑑定》して《サーチ》で探せるって事だよな。やっぱりチートかも知んない。
こっちの緑色の点は?
『〈飲食可能な植物〉とのことで《鑑定》歴のあるビタンの木を表示しました。《サーチ》時、対象を任意に設定、色指定出来ます。今回はこちらで設定いたしました』
じゃあ《サーチ》をしつつ食料確保だな、水も欲しいし、川か泉探すか。ナビゲーター、人のいる場所、集落や街の方向ってわかるか?
『イエス、マスター。◼ ◼ ◼ ◼ にアクセスします。・・・レベル不足により情報の習得に失敗しました』
レベル1だし、仕方ないか。ここは感と言うか運任せだ。さっき拾った木の枝を真っ直ぐ立てて手を離す。
よし、こっちに行こうか、ビタンの木もあるしな。一番近いのは20メートルほど先か。
歩いて行くとなにやら実のような物がなっている木があった。
「《鑑定》」
=ビタンの枝
温暖な地域に生える、年中実をつける=
リンゴのような形で色は白い実をもいでみる。
「《鑑定》」
=ビタンの実
栄養価の優れた甘い実、乾燥させて保存食にすると酸味が増す=
甘いとあるがさっきの干しビタンは酸っぱかった。制服の袖で擦って表面を拭く。恐る恐るひと齧り。
コレいくつかもいで行こう。新たにもいだ実をアイテムボックスに《収容》すると
・ビタンの実
・ビタンの実
・ビタンの実
あ~、なんか入れ物ないかな?これじゃすぐにアイテムボックスがいっぱいになる。そうだ、体操着入れてた袋に入れたらどうだろう。
通学カバンを取り出して中の体操着袋の中身を通学カバンに入れる。で袋にビタンの実を入れてみた。7個ほど入ったのでアイテムボックスに入れてみた。
・ビタンの実入り袋
よし。こんなもんか。
食べかけのビタンの実を齧りながら歩き出す。ステータスを確認するとMPが89になっていた。トータルで14使用したが3ほど復活している。5分で1くらい復活しているのかな。腕時計で5分確認して確かめると90になっていた。
《サーチ》はやりすぎるとあっという間にMP枯渇してしまうのでどうするか?もう一回使ってみよう。
「《サーチ》」
『スキル《サーチ》のレベルが上がりました』
お、これも2回でレベルアップした。しばらく進んだらもう一回使ってレベルアップでどう変わったか確認するか。と言うわけで森の中を黙々と歩く。均された道ではないので枝が役に立った。
だが不思議と疲れないな。ん?なんか水の流れる音がする。
「《サーチ》」
さっきより表示範囲が広がった、縮尺から見て150メートルくらいかな。《マップ》に川らしきものが進行方向に表示されたのでそのまま進む。
徐々に水の音が大きくなる、音の割に小さな川幅だと思ったらちょうど1メートルほどの段差、これも滝と言うのだろうか?石の河原を歩いて近付く。
「《鑑定》」
=森の中の小川
清流の流れる小川=
清流ってことなので両手ですくって再度鑑定をすると
『スキル《鑑定》のレベルが上がりました』
=森の中の小川の水
小川の水、飲水可能なナチュラルミネラルウォーター、軟水=
飲めるのか。でも入れ物ないしな、水を捨て手を振る。川の近くには人の住む場所があるかも。ってことで川に沿って歩きだそうとして大きな石を踏んだ。
足元の石を見て思いついた。大きめの石を持ち上げ、足元の石に叩きつける。
砕けたカケラをもう一度叩きつける。石はさらに砕けた。破片の中から比較的薄く尖ったものを選んでさらに石で叩いて形を整えると、石器ナイフの完成だ。いや、これで切れるとは思わないが刺さりはするだろう。枝の先にくくりつければ槍っぽい。直ぐに砕けそうなのでいくつか追加で作ってみた。次はくくりつけるヒモに代わる何か。辺りを探すと蔓性の植物があったので、十得ナイフで切り取り、石で叩いて柔らかくする。うん、なんとかなりそうだ。お手製槍の完成。残りの石はブレザーのポケットに入れておく。