野田佳彦政権は、新たな人権侵害や言論統制を招きかねないとの批判が出ていた人権侵害救済機関「人権委員会」を法務省外局として設置する法案を閣議決定した。
今回の閣議決定は不可解な部分が少なくない。藤村修官房長官は「政府として人権擁護の問題に積極的に取り組む姿勢を示す必要がある。次期国会提出を前提に、法案内容を確認する閣議決定だ」と強調した。
だが、国会提出時には再度、閣議決定を経る必要がある。人権救済法成立に前のめりな党内グループに過度に配慮しただけではないのか。同法案に慎重な松原仁国家公安委員長の外遊中を狙った節もあり、疑念がつきまとう。
人権委員会は政府から独立した「三条委員会」で、公正取引委員会と同様の強大な権限を持つ。調査の結果、人権侵害と認められると告発や調停、仲裁などの措置が取られる。
最大の問題は、人権侵害の定義が相変わらず曖昧なことだ。「特定の者」の「人権」を「侵害する行為」で憲法違反や違法行為を対象とするというが、これでは何も定義していないに等しい。恣意(しい)的な解釈を許し、言論統制や萎縮、密告による新たな人権侵害を招きかねない。
こうした法案への疑念や危惧、抵抗感は国民は無論、与党や閣内にも根強い。にもかかわらず、いま行われている民主党代表選、自民党総裁選で、この問題が問われていないのは重大な欠落だ。
閣議決定に対し、自民党の林芳正政調会長代理は「なぜ、この時期なのか」と政府の意図に疑問を投げた。安倍晋三元首相も法案に対し「大切な言論の自由の弾圧につながる」と指摘した。石破茂前政調会長は以前、法案に反対としながらも、救済組織の必要性は認めていた。
政府・与党は先の通常国会終盤にも法案提出に意欲を示したが、批判を受けて見送ったばかりだ。国論が二分している法案を閣議決定して既成事実化するやり方は、到底適切な手続きといえない。
自民党内にも人権法案に前向きな意見もあるが、言論統制とは無縁の自由な社会を維持するために果たしてこの種の法案が必要なのか。民主、自民両党首選の立候補者は少なくともこの問題への立場を鮮明にし、国民的な議論を積み重ねてもらいたい。
D8マンのコメント
日本が領土や反日デモにおびえるこの時期に,民主党はこんな亡国法案を実に卑怯な手法で,選挙で人権関係者の票狙いで(法案慎重派の松原氏のいないときを狙い)閣議決定をした。
この亡国法案の決定は日本中が知って大反対運動が起きないとおかしいのに,産経で一面でも,あとの 大新聞はスルーしている。それが怖ろしい。
またテレビでも青山繁治氏はこんな怖ろしい法案を卑怯な方法で決定する民主党政府の面々を「戦後が産んだ恥ずかしい大人であり,戦後が育てた悪しき怪物」といったような趣旨で怒っていたが,まさにその通り‥。他のテレビ局はそれでいいのか?
戦後レジュームそのもの,憲法・人権・平和という押し付けが,「領土を獲られる」など国難を招きよせている。押し付けられた戦後レジュームの悪のキ-ワード「人権」を恣意的使われる・天下の悪法である。
この件に関して,以前に見解を当ブログで記している。
最近も「内なる国難」として下記のごとく‥
江田五月が,人権救済法案の基本案を挙げてきた。
小さく産んで大きく育てようと,反対されそうな条項を抜いて,骨抜き法案のふりをしてどうしても成立させるハラである。そしてあとでまた強化して「怖ろしい法案」に育てる方針だそうで全く油断ならない。
「人権侵害の定義を不明確にしたまま、全国に数万人の人権擁護委員を配置し、個人の感情や思い込みの問題であっても『人権侵害を行ったと思われる人』をつるし上げる。」
「メディアに個人情報を公開し、裁判所の令状なしで家宅捜査ができる」
「冤罪をはらすには裁判以外に方法がなく、しかも人権委員会は法務省など既存の権力機構から独立する」
こんなこと怖ろしい法案が必要なのだろうか。密告社会,訴訟社会など暗黒の国へ堕ちていってしまうことが明らかだ。今の日本は,人権,人権と叫びすぎて,基本的な義務がおろそかになってきており,人権という言葉が一人歩きして権力を持ち,国家崩壊へ突き進んでいるのである。その「人権」という言葉を,さらに強化するなど政府のやることは,地獄への誘導である。
国家として根幹に関わる,北朝鮮の拉致,中国人の尖閣列島での傍若無人など,日本人として,国家として受けた大きな人権蹂躙問題には目を瞑り,小さな個人の発言を歪めてあげつらっている。メディアが「差別発言」などと「言っては駄目ゲーム」のルールを勝手に決めて,違反があると騒いでいる。
この怖ろしい亡国法案を国会では絶対通してはならないし,これは中国の外圧以上の内なる民主党・国難である。
心ある日本人は,皆でこの亡国法案の正体をつかんで,世の中から,消し去ろう!