18日水曜日、彼と2人で福島県いわき市へボランティアに行ってきました。
夜行バス、高速バスを乗り継ぎ浜松を出発してから約10時間後、福島県のいわき駅に到着しました。
私たちはボランティアの受入先であるいわき市災害救援ボランティアセンターへ向かい受付を済ませました。
その後、作業の際の注意事項の説明、派遣先の振り分け(マッチング)が行われ、約8名で小名浜港近くの釣具屋さんの倉庫の片付けに行くことが決定しました。
そちらの釣具屋さんにはこの2ヶ月間一度もボランティアが入っておらずセンターの方もどんな状況かがわからない為安全には十分に気をつけて作業するようにとのお話がありました。
小名浜港はいわき市内でも特に津波の被害を多く受けた場所でもあったので
私たちは若干の不安を抱えながら現地へ向かうこととなりました。
移動中、いわき市の中心地へ近い地域ではほとんど地震の被害を受けた様子は無く、行き交う車の量も、営業中のお店、会社の量も普段と変わらない様子でした。
ですが、山間部を抜け、海が見えてくるとそこはさっきとは全く違う光景が広がっていました。
海に浮かんでいるはずの何艘もの船が岸壁に打ち上げられ、建物の1階部分は津波に打ち抜かれ、道路の信号は全く役目を果たさない状態で傾いたままでした。
私たちがお手伝いする釣具屋さんは海から400Mほど離れた場所にありました。
早速ご主人に挨拶をして作業を開始しました。
倉庫は車1台が入るほどの小さな倉庫でしたが、扉を開けると中は悲惨な状態でした。
津波の勢いで業務用の大きな冷蔵庫3台が倒され、他にも重たい浮きなどが散乱していました。
そして何より作業を困難にさせたのが臭い…。
倉庫に保管してあった釣り用の撒きえさが海水に浸りものすごい臭いを発していたのです。
まずは物を外に運び出す作業、そして水浸しになった売り物や釣り道具を水で洗う作業を行いました。
私が売り物の釣り針や錘を洗っていると手伝いに来ていたご主人の知り合いの方が
「この倉庫だけでも被害総額1000万円は下らないんだよ」
と教えてくださいました。
「ここがきれいになったらまたお店を再開されるんですか?」
と聞くと
「無理だね。ここの海は放射能で汚染されているから、もうここで店を開くことはできないよ」
とおっしゃいました。
確かに港の横を通った時も、ほとんど人はおらず、町中がとても静かな印象を受けました。
車は何台か見かけましたが、運転する人を見ると作業着の人が多く、地元の人というより被害の状況を確認しにきたどこかの団体の人という印象でした。
15時半の作業終了時間の頃には倉庫の床はきれになり、被害に免れた物は収納できるところまでになりました。
女性2人で行っていた洗い物はまだまだありましたが、次の日もう一度ボランティアの方が入ることが決まったので残りはそちらへ任せることになりました。
帰り際、私たちの車に何度も「ありがとう」と手を振って送ってくれたご主人を見て来る前は、本当に私たちが役に立てるのか、逆に邪魔にならないのか心配でしたが、この時初めて来てよかったのだと思いました。
こちらのいわき市ではまだまだボランティアが足りていない状態です。
私たちが行って感じたことは、災害ボランティアが初めての方でも、できることは必ずあるということです。
少しでも「行ってみよう」という気持ちがある方は、友人でも同僚でも親子でも是非誘い合って、1日でも早い復興の為に力を貸しに行かれることをお勧めします。
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