面倒くさいんだけど、書かないと話が進まないからさ、イヤイヤ書く。  Orzグッタリ・・・・


 

🔵弾の種類を『 弾種 』という。

 


さてみなさんは、拳銃や戦闘機の機銃など映画のシーンとかでバンバン撃っているけど、ああいう弾も種類があり、それなりに独特な弾があることをご存じだろうか。

 


今回はその話




戦車で扱う弾は大きく2種類に分けられる。


 


大きく分けると運動エネルギー弾と化学エネルギー弾だ。 だったよな?


 

 


🔵それぞれのおおざっぱな説明


 

1️⃣運動エネルギー弾の代表格 AP



 armor-piercing shot and shell 略してAP弾

日本語で「徹甲弾」が運動エネルギー弾の代表恪。



運動エネルギー弾は『 実体弾 』とも呼ばれ、非常に硬い弾芯が撃ちだされ、その撃ちだす際の火薬の爆発のエネルギーと砲弾自体の重さを掛け合わせたエネルギーを敵戦車の装甲にぶつけ、貫くように作られている。弾芯で装甲が貫かれると、衝突の力で装甲の破壊と弾芯の破壊が始まり、弾芯部分は壊れ、融解しながら装甲を突き破り内部に。そこで弾芯の破片や装甲の破片、融解時に発生した熱と破片などで敵車両の内部の機器破壊や乗員を倒す。



ざっくり言うと運動エネルギー弾の「強さ」の公式は……



弾の重さ✖弾の硬さ✖敵(の装甲)に衝突する時の速さ=弾の威力


となる。


(実はこれ以外の要素もちょいとあるが)



要するに

重くて、硬くて、凄い速度の弾が凄い弾となる




人類史の中で弾を使った戦争の多くがこのタイプを使い、その威力は弾の重さと、敵装甲への衝突時の速度の掛け算が貫通力や威力にかかわってくる。このタイプの代表格が「 AP(徹甲弾) 」だ。


 


2️⃣化学エネルギー弾の代表格 HE


 High Explosive 略号は(HE)日本語だと「榴弾」が代表格。HE弾は爆発によって中の火薬を詰め込んだ弾丸の金属部分の破片が広範囲に飛散するように設計されている。



化学エネルギー弾は弾を発射させるときに爆発する『 発射薬 』とは別に、弾の中に『 炸薬(爆薬) 』が入っている。


このテの弾の場合、AP弾みたく弾の重さ、硬さ、速さの重要性は減る。弾の威力の大部分は弾の中に詰め込まれた炸薬(火薬)の量と爆発の際の反応エネルギーが決めてくるからだ。そもそも中に炸薬を詰めるのだから、炸薬を包み込む弾殻(弾の外殻)の金属は「火薬の容れ物」の役目となるから、硬くするにも限界があるし、炸薬は金属より明らかに軽いので、弾自体を重くする事もできない。



それでもこの手のタイプの弾が生まれた当初は、弾の外殻の金属の硬さは一定量求められるし、それは今でも変わらないが、後に説明することになる成形炸薬弾(HEAT弾)に至っては弾の硬さも重さも、もっと言うなら速さも求めるタイプの弾ではなくなってくる。




🔵弾の種類の説明の前に



 前述の通り〜


砲弾は大きく2種類に大別できる。一つは芯まで金属製の弾頭で、


これを「運動エネルギー弾(または実体弾)」という。


 


もう一つは金属製の弾殻(だんかく=弾の形をとった殻構造)中に炸薬などを詰め込んだ弾頭で、これを「化学エネルギー弾(または中空弾)」という。


 


初期の戦車砲弾は敵戦車の装甲を貫くための運動エネルギー弾である徹甲弾(略称AP)の系統と、敵歩兵や、その歩兵達が身を隠している陣地を沈黙させるために着弾時・あるいはその陣地の中空で中に詰め込まれた炸薬が爆発し、弾殻を構成していた無数の金属の破片が弾丸の発射速度に迫る速度で飛散。爆発力で建物を破壊し、爆風と飛び散る弾殻の破片で潜む兵士達を殺傷する榴弾(略称HE)の系統の2つだったが、この2つの弾をベースに様々な弾種が生まれている。



 


🔵対戦車用の砲弾で最初に発明されたのは2つの弾のミックスの「APHE弾」


 


比較的に早く実用化されたのはAP弾とHE弾の特徴を混ぜ合わせた「APHE弾」。徹甲弾の一部に炸薬が充填されたもので、敵戦車の装甲を貫くと同時に中の炸薬が爆発し戦車の車内にいる敵戦車兵を弾が爆発で割れて飛び散る破片で薙ぎ倒すという、徹甲弾と炸薬弾の中間のような弾頭だ。


 

 


🔵滑り止め対策の弾 「APC」系統



程なく敵戦車に向けて撃った弾が着弾したのはいいが、装甲に対して斜めに当たった為に弾が滑って、そのまま弾かれるという「跳弾」が問題となり、多少斜めに弾が敵戦車の装甲に当たったとしても、滑らずに確実に敵戦車の装甲を貫ける確率を高めるよう、滑り止めの「被帽」を被せた「被帽徹甲弾(APC)」が早くも生み出されたが、その誕生の速さの理由は海軍の艦砲で培われた技術のフィードバックがあったからだった。



そしてこの被帽徹甲弾に更に空気抵抗の減少と弾道の安定を狙った風帽を被せた「風帽付被帽徹甲弾(APCBC)」と、


「よし!これに榴弾の能力も足しちゃえ!」の「風帽付被帽徹甲榴弾(APCBCHE)」が登場する。




(だいぶ ややこしくなってきてるでしょ)


 



🔵運動エネルギー弾のざっくりな歴史と今


 


第二次世界大戦中に開発された「分離式弾筒付徹甲弾(APDS)」は現代の戦車が使う運動エネルギー弾の原点となる。


 


この弾は「実際に敵戦車の装甲を貫く部分(弾体、弾芯ともいう)の強度が充分で、命中時の衝撃によって砕けず、且つ、狙った装甲のより狭い部分により大きな質量と運動エネルギーを集中させることができれば、より貫徹力が増す」・・難しい?


 


 わかりやすく言うと、断面が直径1センチメートルの棒で絨毯に置いた紙を貫くのは難しいが、この鉄の棒がアイスピックの先端のように先が尖っていたら簡単に穴が開くし、このアイスピック自体が重ければ重いほど、そして硬ければ硬いほど、そして飛んでいる速度が速ければ速いほど、装甲を貫く威力が増す。



これは裏を返せば「硬い弾の先端が細くて尖っていれば」重さを求めずとも、先端へのエネルギーの集中で敵車両の装甲を貫く事が出来る。というシンプルな原理に行き着いたものだ。


 


結果として砲の口径より細長い弾芯を打ち出すことになるのだが、発射時の火薬によって生まれた爆破のエネルギーを弾芯に伝えるために、弾芯の周りにその発射する砲の口径に合わせたサボ(分離装弾頭)が装着される。




簡単に言うと、飛んでる時の弾は細い棒だが、この棒の外側に大きな筒をくっつけ、砲の口径にピッタリフィットするようにしてる弾で、弾が砲から飛び出た瞬間、筒が別れて落ちる仕掛けになっている。


 


面倒なので弾をネジを回す道具「ドライバー」だとすると、砲身に装填するときの弾の形はドライバーそのものだけど、撃ち出されるとドライバーの「握り・グリップ」の部分が空中に飛び出した瞬間、パカッ!と2つ、もしくは3つ程度に割れて、ドライバーの真ん中の金属部分だけが敵車両に向かって飛んでいくということ。




このサボは砲身から飛び出し、空中に出ると同時に分離して飛び散り、あとはそのサボの真ん中に据えられていたダーツの矢のような形状の細長い弾芯だけが目標に向かって飛んでいく。


 


だが砲弾に弾頭の動きを安定させる目的で、旋回力を与える旋条(ライフリング)が施された「ライフル砲」の場合、弾芯をアイスピックの先のように細くしようとすると、すり鉢の中の味噌を滑らかにする「すりこぎ」のような軸のブレた運動が発生して、(みそすり運動という。)直進性に問題が出てくるので、今日では砲身は弾に旋回力を与えるライフリングが施されていない「滑腔砲(かっこうほう)」を使いその結果、直進性が失われる問題を解決するため、弾芯の尾部に直進安定のための「矢羽(フィン)」を付けて直進安定性を高めた「装弾頭付翼安定徹甲弾(APFSDS)」の組み合わせが、今日の戦車砲の主流になっている。



🔵タングステン鋼か?劣化ウランか?


直接敵車両の装甲の貫通をする部分「弾芯」の素材で、硬くて重いとなればタングステン鋼のモノか、劣化ウランのモノか……となっているようだ。


硬さでは甲乙付け難いが、重さでは劣化ウランに軍配が上がるし、敵車両の装甲への衝突時、このときのエネルギーで劣化ウランは激しい熱を発生し、敵車両の装甲を突き破ると、その、より激しい熱で敵の車両内部を焼夷する(高熱で焼く)効果はタングステン鋼より上回るそうだ。 殺傷能力では劣化ウラン弾の方が上と思われる。


コストでウラン弾の製作は安上がり。というのはデマなようで、劣化ウラン弾もタングステン鋼弾も製作コストに言うほどの差は無いらしい。というか製作コストはどっちも高い。