おっ? 『 戦車話 』 がタイトルのシリーズなのに大砲か? と思った人。 これもティーガーの話と同じくらい忘れてたネタで、これも書いておかないと・・で書くことに。

 

 

「8.8 cm FlaK 36 無料」の画像検索結果

 

specification

 

重さ     6861㎏

全長    4930mm

最大射程 10600m

装甲貫通力 87mm

( 射距離 1000m 傾斜30°対戦車徹甲弾使用の場合 )

装甲厚   30~77mm

 

 

 

丸ブルーティーガー戦車を語る前に、これを語るべきだった傑作

 

まあ 戦争兵器で『 傑作 』となれば 『 人殺しの傑作 』とも同義で、あまりいいものじゃないが、敵にしたら脅威で、コレを持っている側からしたらこんな頼もしい武器はなかったろう。

 

 

ドイツの8.8cm砲のシリーズは第一次世界大戦時から生まれており、当初は空を飛ぶ飛行機を打ち落とす『対空砲』 として開発された。型式にある『 Falk 』は『 Flugabwehrkanone( 対空機関砲 )からきている。

 

その戦いでドイツは敗戦して新規の兵器の開発から自国生産まであらゆることが禁止となるのだが、ドイツのクルップ社はスゥエーデンの兵器メーカー『 ボフォース社 』の株主でもあることに目をつけ、スウェーデンで8.8cm対空機関砲の新規開発をコッソリ続け、Falk 18を生み出す。

 

さらに1936年から始まったスペイン内戦で対立するスペインの二大陣営の片方の『 フランコ側 』につき、8.8cm砲などの武器・装備の支援に軍の派遣もした。 この時の実践経験をフィードバックして改良を加えたのがFalk 36となった。

 

 

もともと空を飛び動きの速い飛行機に打ち勝つために物凄いスピードで弾が飛び出す『 高初速弾 』というコンセプトが与えられていた8.8cm砲シリーズはあらゆる方向に対処出来て、水平発射も可能。  『 うーん これで戦車に撃ちこんだらどうよ? 』ということで敵戦車にブッ放したらえらい効果を発揮。 こうして8.8cm砲は『 対戦車砲 』としても注目を浴びるようになる。

 

 

 

 

1943年に北アフリカの米軍野戦病院に入院している負傷兵たちにアンケート。

 

『 ドイツの怖い兵器ってなに? 』の質問に負傷兵たちはダントツで8.8cm砲を上げた。

因みに2位は急降下爆撃機。3位は迫撃砲 4位は水平爆撃機と、まぁいつまでたっても『 戦車 』がでてこない・・と思ったら9位の『 その他 』に登場。 戦車が『 その他のひとつ 』に加えられてやっと対戦車砲が登場。 戦車って案外影が薄いものなんだなーってわかる話。

 

 

こういうアンケート結果になる理由は『 発見しにくいから 』

野砲は指揮官らの見立てで敵の部隊が進行してきそうな地点を予測して、そこにワッセワッセと運んで、草や枝で隠蔽(カモフラージュ)して待ち伏せる戦法が基本。

 

待ち伏せ状態となった野砲は、そもそもが小さいので発見しづらく、野砲が発砲して居場所が発砲煙などで判ったとしても、砲自体は戦車よりは明らかに小さいので当てにくい。 ミヒャエル・ビットマンに並ぶもう一人のドイツ戦社界のエース オットー・カリウスは・・・・

 

 

 

!!!!

 

 

しまった~まだ書いていなかった。オットー・カリウス氏の話。  Orz・・・・

 

 

うーん 年・・・始くらいにUPする方向で考えよう その話は。

 

 

とにかく見つけ難いから、野砲は突然コッチにドッカンドッカン撃ってくるという『 厄災&パニック 』を引き起こした。  兵士らにしてみれば、見つけやすい戦車より隠れている野砲の方が嫌だったに違いない。( ただまぁ 野砲が先制攻撃をスカすと反対に酷い反撃を受ける確率がメチャ高いという点もあるけど。 )

 

 

 

 

 

そもそも『 戦闘機や爆撃機を撃ち落す 』をコンセプトに開発がはじまった8.8Flakシリーズ。

 

 

空をチョコマカ動く飛行機を落とすには、発射された弾がヒュルヒュルと目で追える速度で飛ぶようじゃダメ。 そして出来ればマシンガンのように『 連射 』が出来れば、数撃ちゃ当たるの理論で当たる。 というか『 見越し射撃 』っつって、コレは動く標的を叩く手段として『 動く敵標的の未来の位置 』を予測し、その未来の敵が来るであろう予測位置に撃ちこむテクなんだけど、連射になればなるほど 未来の位置の予想は立てやすくなる。発射された弾が高速なら、もっと標的の未来予測位置は立てやすい。

 

というわけで、『 高火力で パンパン撃てて、弾が凄いスピードでビュンビュン飛ぶ 』砲 『 8.8Flakシリーズ 』が完成。

 

このコンセプトが地上を動き回る『 戦車 』にもビタリとハマッた。

 

 

 

 

ダイヤグリーン8.8cm高射砲 その他話。

 

 

1941年のアフリカでの戦いで8.8cm砲はイギリスの戦車を随分破壊している。

イギリスのマチルダ戦車は当時かなり堅固で8.8cm砲以外撃ち抜けなかった。

 

強力な敵戦車には普通の対戦車砲の弾は役に立たず8.8cm砲の水平射撃でやっと食い止めたという。( ウラを返せば8.8cm砲の撃破出来る射程までイギリスに攻め込まれたってわけなんだが。 )

 

8.8cm砲の発射音は独特で、ドイツ軍兵士たちはその音を聞くと『 アハト・アハト(ハチハチ)だ!』 と大いに湧いたという。

 

一昔前の対戦車砲なら歩兵数人の力で押し運べたんだが、8.8cm砲はデカくて人力での移動は大変だった。

 

ミヒャエル・ヴィットマンと双璧をなす『 もう一人の戦車界のエース 』と言えるオットー・カリウス( いずれカリウスの回掲載・・・・うーん面倒w )の戦記で8.8cm砲に触れ、T-34のデビューに衝撃を受けつつも『 私たちから時折、愛想笑いを受けていただけの高射砲部隊は、こうして最高の敬意を払われるようになった。  』と書かれている。

 

 

 

この8.8cm砲シリーズがティーガーⅠ型戦車の主砲となり、分厚い堅固な装甲とともに、ドイツ軍の強さを世界中にしらしめることになる。

 

 

 

 

ということで、これからも『 戦車以外の何か 』の話はチョイチョイUPするかもしれん。なるたけ面白く書くから、そこはご勘弁。