本日は、敷金返還トラブルについてです。
まず、筆者の実体験から。
現在の自宅に引っ越す前は、賃貸アパートに住んでおりました。バブル絶頂期の建築で、建築費が高かった割には、いかにも安普請(失礼。)といった感じで、借りるときは、築7年あまりにして、すでにかなりどこかしこ傷んでおりました。結局、10年賃借し、かなりきれいに使ったつもりでしたので、せいぜいクリーニング費用2~3万を控除されるだけで、敷金はほぼ全額戻ってくるだろう、と甘くみていたら、なんとなんと、返還はおろか、敷金では原状回復に要する費用が足りない、と、逆に7万円ほどの請求が来たではありませんか!敷金を全額充当したうえで、さらに7万円の請求・・・。しかも、差出人は、聞いたこともない設計事務所。(後に不動産コンサルティングを行っている事務所であることが判明。)速攻で、差出人の設計事務所ではなく、オーナー宛てに、請求には異議があるので説明を受けたい旨を記載し、手紙を送付。無視されたので、今度は、原状回復費用の請求へ異議がある旨と敷金全額返還を請求する内容の文書を内容証明郵便で送付しました。これも無視されたので、まあ、勉強にもなるか、と、敷金返還請求訴訟を簡易裁判所に提起いたしました。
原状回復の範囲はどこまでか。賃貸借物件の明渡しに際しては、必ずといっていいほど、もめるところです。もめないまでも、やたら押しの強い不動産業者が明渡しのときにやってきて、散々使い方が悪いと難癖つけて、がっつり清掃費用を敷金から控除される、などよくあるはなし。なんでこんなに敷金が減るんだ!と憤った方もいらっしゃるのでは?
私のときは、クリーニング費用はおろか、契約時に相互確認していた壁や床の穴、キズについてもすべて修復、クロスもすべて張替、と、もうこのまま次の人に貸せるんじゃね?というまで、いえいえ、私が入居した時よりもきれいにして、出ていけ、という、なんとも受け入れがたい要求でした。
そもそも物件の経年劣化に対しては、賃料、というかたちで補償をしています。ですから、通常の使用をしている限り、クリーニング費用など負担する必要はないのですし、関西圏でよく見られる「敷引き」(あらかじめ一定金額を敷金から控除することを約定すること)というのも、本来、理屈に合いません。要するに少しでも賃料を多くとりたい貸主側が、貸し手優位の契約実態を背景に、暴利をむさぼっている(少し貧乏人のひがみが過ぎるかもしれませんが。)、ということです。
しかし実態は、安定受給の名のもとに(この住宅が売れ残る時代に!)、敷引きが容認されていますし、(関東圏でも最近は増えているそうです。)実務的には、クリーニング費用も借主が負担するのが一般的です。
さて、敷金返還訴訟の結末は・・?
裁判上の和解手続きにおいて、裁判官の心証開示があり、100%私の勝ち(!!)でしたが、世話になったんだから(別になってないけど・・)クリーニング費用くらいは負担しなさい、と裁判官に輸されて、3万円を負担して、和解しました。クリーニング費用は借主負担、という実務は存じていましたし、これ以上時間的コストをかける余裕もなかったので、不満はありませんでした。
