労務関連の記載が続いてしまいましたので、本日は、趣を変えて、「定型約款」についてです。

「約款」とは、「定型取引において、契約の内容とすることを目的として特定の者(主に業者)によって準備された条項の総体」と定義されています。(民法改正法案)

この「定型約款」と呼ばれるものは、不特定多数を相手とする、コンシューマー向け取引において、よく見られる契約の形態(保険契約、携帯電話の契約など)ですが、これまでは民法上の規定がなく、契約後、「そのような約款など知らない(=合意がない)」と、契約無効の訴えがされるリスクを常に孕むものでした。そこで、国会で審議中の民法改正案においては、新たにこの「定型約款」に関する規定が設けられました。主な改正点(新設)は次の通りです。

 

1)要件(①業者と顧客とが定型約款を契約の内容とする旨の合意をしたとき かつ、②業者があら

かじめその定型約款を契約の内容とする旨を顧客側に表示していたとき)を満たせば、たとえ

客側がその約款を読んでいなくても合意が成立したものとみなす、とされました。これによっ

て、「約款を読んでいないから、合意はなく、契約は無効」という類の主張は、とおらなくなり

ます。ただし、顧客(消費者)に不利益となることを避けるため、「相手方の権利を制限し、義務

を加重する条項であって、信義則に反して相手方の利益を一方的に害する条項は、合意をしなか

ったものとみなす」との規定が置かれました。 

2)相手方から請求があったときは、定型約款の内容を示すことが義務つけられました。当然ですね。

3)「定型約款の変更」は、その変更が、①相手方の一般の利益に適合するとき または、②契約の

目的に反せず、かつ合理的なものであるとき に認められ、業者側は、効力発生時期を定め、イ

ンターネット等で変更を周知し、上記②の変更については、効力発生までに周知が必要、とされ

ました。

 

 コンシューマー向け事業の法務をやっていたころ、よく「約款の変更」について頭を悩ませていましたが、立法的に解決されることになったわけです。めでたし、めでたし。

 ・・・それにしても、この約款に関する規定を含む「民法の一部を改正する法律案」が国会に提出されたのが、平成27年3月31日。国民生活の基本法たる「民法」の改正が、他の重要(?)法案に押され、審議が先送りされたままです。いつになったら審議入りするのでしょうか。

 

 

 最近、日本酒はあまりいただきませんが、お正月は、特別。いなげやでいいものみつけたので、即ゲット。

基本的に甘口のお酒ですが、他の新潟の酒にあるような、媚びるような甘ったるさがなく、いいお酒です。