本日のネタは「同一労働同一賃金です。」

 

ここ数日、新聞紙上を賑わす話題になっています。国内労働市場の4割がいわゆる非正規社員なのだそうですが、その給与水準は、正規社員のおよそ6割程度(日本経済新聞11月29日朝刊)。完全に賃金が同一になったとすると、企業にとっては単純に計算して16%ほどのコストアップになります。捨て置けない問題です。政策の動向注視、というところですが、実は、政策を先取りして、今年の5月にある判例が出され、話題となりました。

 

東京地裁平成28年5月13日の判決です。

この事案の原告は、トラック運転手で、1年契約の契約社員。仕事の内容は正社員と同一でしたが、賃金に2~3割の格差があり、この差額の支払いを求めたのがこの裁判です。裁判所は、仕事の内容が正社員と同一であると認定し、賃金に差があるのは労働契約法第20条(※2)に反する、とし、原告勝訴の判決をしました。

 

これは、従来の通説を覆す、画期的な判決となりました。これまでは、長期と短期といった雇用形態の違いによって、賃金に格差が生じるのは、不合理ではない、との立場をとっていたのです。

 

本判決は、同一労働同一賃金を認めた初の判決となりましたが、「特段の事情」があれば差別も許される、との留保もされました。それでは、「特段の事情」とはなんなのでしょうか。現時点では明らかでありませんが、少なくとも本判決においては、「労働者の同意があること」は特段の事情に該当しない、としています。職能による差別(加齢による能力の低下など)は合理的とされてきましたが、このような差別は「特段の事情」なのでしょうか?

今後、議論されてゆくのでしょう。

 

職務給の概念が定着している欧米ではいざしらず、日本では、まだ職務給よりも職能給の概念が勝っており、政策でこれを推進するのは、かなりハードルが高いように思われます。

企業としては、今後の政策や判例の動向を注視するほかありません。

(なお、本判決は東京高裁に控訴がされているとのことです。)


※2 労働契約法第20条(期間の定めがあることによる不合理な労働条件の禁止)

有期労働契約を締結している労働者の労働契約の内容である労働条件が、期間の定めがあることにより同一の使用者と期間の定めのない労働契約を締結している労働者の労働契約の内容である労働条件と相違する場合においては、当該労働条件の相違は、労働者の業務の内容及び当該業務に伴う責任の程度(以下この条において「職務の内容」という。)、当該職務の内容及び配置の変更の範囲その他の事情を考慮して、不合理と認められるものであってはならない。

 

 

先日、西武ライオンズのファン感謝デーで、おかわり君とハイタッチしました。

手がグローブでした。(おわり)