「星くずたちのささやき」115
メグさんが口を開く…
「実は…」
「えっ…」
驚くあたしにメグさんは、何も言えなかった。でもあたしも、メグさんを責める気にはなれなかった。
あたしがその場にいても、きっと、エミさんには本当のことを言ってしまったに違いないから…
「ところでさ、エミさんなんで、急に更新を?」
「…エミさんは私に『ありがとうございます』って言って、『もう、いつ果てるかわからない命ならば、アリさんの想いを広げたいの…できるだけわたしの手でね…』って。私は、そんなことしたら、余計に命の期限を縮めてしまうことになるからってやめさせようって思って言ったんですが、エミさんは『やめたら、退屈がわたしを殺しちゃうわ』って…それに…『最後が、自分の最後が誰かの役に立てるなんて嬉しいのよ。わたしの人生、最高じゃん』って…」
「エミさん…そっか…もう、覚悟決めちゃってるんだよね」
「…はい。ひょっとしたら、ひょっとしたら、ですが、更新がエミさんの寿命を延ばすことだってあるかも…じゃないですか!?」
「…メグさん…そうかもね…やりたいこと。やらせてあげるのが一番の薬かも…ね」
あたしたちは
自分たちが出した決断を
無理やりに…なんとか、納得しようとしていたのかもしれない。この廊下で…。
「エミさん…選んでいただいたことは、嬉しく思ってます。だけど、わたし、自分の甘さとか、人間性とか、欠如してるものとかに気がついて、それで…やっぱり、この役はやれないって判断したんです。本当、勝手言ってばかりでごめんなさい。こういうところなんです。わたし、嫌われものだし…自分自身も嫌いです。たぶん…」
「…わたしはね。まずはじめにあなたの演技力に惹きつけられたわ。他の誰にもない…っていうよりね、他の子はね、みんな同じなのよ。だけど、あなたは違った。あなたの演技は他の子と違った。たぶん…それは、他の子と一緒には練習しないのか、仲が良くないのか、どっちかでしょう?だから、あなたは他の子たちがどれだけ練習してるかわからないから、不安で仕方なくって、人一倍練習したんじゃないの?」
「それは…わかりません…人一倍かどうかは…ただ、エミさんの言うように、みんなはお互いに見合って練習してたみたいです。わたしは…そんなの…いませんから…」
「やっぱり、ね」
「わかって、たんですか?」