「星くずたちのささやき」1
「ついに来ちゃったか、この日が…」
って言ったって
死ぬわけじゃない
ましてや
嫁ぐわけでもない
ようは
解雇…っていうか、会社自体が無くなるからなぁ。無職と言った方が適当かな。
見通しが甘かったとはいえ、こんなんになるとは思ってもみなかったけれどね。
まあ、結局、自分かなあ。責任があるのはって思ったね。
こんなんでも大学は出たんだよね。
母親がさ、
『どうせ、女なんて働いたって、腰掛けって思われるし、さっさと結婚しちまえばいいから』
って言って。
でも、そう言う割には、結婚に有利になるからって、大学は出ろっていうし、遠くの大学はダメだって言うし、
そして、何よりも母親自身はシングルマザーだし。
結局、わたしのことが心配だし、すごく大切なんだってわかってた。
それはたぶん、わたしがあまり体が強くないからだね。
小さいころに、よく熱性痙攣起こしたって聞かされたもん。
倒れたたんびに救急車呼んで…不安がったらしい。
そんな娘を一人暮らしさせらんないよね。
まあ、わたしはわたしで、大学は…みんなが就活してるのに遊んでて、結局、ギリで入った印刷屋に就職したんだ。
まあ、社長は『出版社!』って、いつも言っていたけどね。
どう見ても、印刷屋。広告とか、学校の新聞を印刷する程度。
また社長は人がよすぎるから、低予算で引き受けちゃうから、儲けが少ない。
だからかなあ、わたし以外はみんな、高卒やバイトでまかなっている感じ。
で、結局、毎月赤字。
そんなある日、社長が息巻いたんだよね。
『一発逆転のチャンスだ』って
何事かって思ったら
『携帯小説』の出版
社長、喜んじゃってさ。絶対にあたるって思ってたらしく…
わたし社長に相談されたのね。唯一の大卒だからって、この作品はどうだって…
はっきり言って
ありきたりって感じかな?
それと、わたしの世界観じゃ
有り得ない
でも、社長の目は…
『このままでいいだろう?』
やっぱりね。