先日、地域の子育て支援事業として無料の走り方教室があるということで、

息子たちを連れて参加してきました。

 

私としては、他の指導者の指導を勉強させていただける絶好の機会と思い、

保護者&指導者どっちもの目線で参観させていただきました。

 

比較的狭い室内(30m×30mほどの体育館)での教室だったため、

距離を十分とって走るということはなかなか難しい状況に感じました。

それでもできる限りの距離をとって、子どもたちが走る場面がありました。

 

講師の方が言ったこの一言で子どもたちの動きが変わりました。

 

『音が鳴らないように走ってみよう!』

 

この一言を聞いた瞬間、

(先生…それは…ちょっと…言っては…)と嫌な予感がしました。

 

『音が鳴らないように走ろう』という講師の方の考え、わかります。

陸上競技での走りは、短い接地で地面の反発をもらいながら走ることが良しとされます。

ドタバタ走る子どもたちへ、地面を踏みしめて走るんではなく、ポンポン軽く走ってほしいという

意味で言われたのだと想像します。

 

しかし、『音が鳴らないように走ろう』と言われた子どもたちがどのように走り出したか。

 

『バレエダンサーのようにつま先でツツツツツ・・・』

『忍者が忍び足をするように膝を上げずサササササ・・・』

 

音が響く室内だからこそ、子どもたちは地面の反発も何もない走り方で走り出しました。

『音が鳴らないように走ろう』という指導は、速く走りたい走りとは逆効果でした。

 

もちろん、『音が鳴らない走り』とはどのようなことなのか、

 

今の音が『ドンドン』なら、もっと軽い音『タンタン』という風に足の裏前半分で走ってみよう!

 

のように詳しく説明することで子どもたちの理解も全く別のものになります。

講師の方の考えがわかるからこそ、もっとそこの補足があれば…と悔やまれます(;;)

 

 

これは、実は私も教員時代経験済み(^^;)

場所は状況が変われば、指導の言葉も変わってきます。

野外と体育館では地面の音の感じ方や接地の間隔も違います。

指導者は、

指導の言葉や発問を子どもたちがどのように理解するのかよく予想しておくこと

が指導する際には重要だと改めて感じました。

 

 

自分のレッスンでも気を付けなければと良い勉強をさせていただきました。

『人のふり見てわがふり直せ』です。