オイラ陽気なイタロ・ジャッポネーゼ■ミラノ -26ページ目

カットリチの長い一日

Chiesa

2日21時37分、サン・ピエトロ広場を埋め尽くす沢山の人々の祈りの中 (意外な印象を受けるほど若者たちも多い)、ローマ法王ヨハネ・パウロ二世が 死去する。
昨日はイタリアが、と書いたが、世界中の10億人と言われるカットリチ (カトリック信者)が落ち着かない一日を過ごした。
コンサートやサッカーの試合も延期され、刻々と伝えられた近況で、はっきりと 「死」という単語を使っているあたりに、日本語との違いを感じる。

「死んだ」「亡くなった」、という言い方の違いはあるのに、現在進行形で 「死に向かっている」という言い方はひとつしかないようで、それをテレビで 文字で見るのはやはり衝撃的でもあった。

これから世界中に散らばる80歳未満の枢機卿約120人が招集され 次期法王選挙(コンクラーベ)が行われる。
前回のコンクラーベでは前法王の死去8時間後には全員がそろっていたという。

ポーランド出身の彼が本名で呼ばれるのを今夜初めて聞いた。
さらばカロル、安らかに。

カトリックでないボクにも、他宗教と対話を重ねたその想いは 強く印象に残るだろう。



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胸騒ぎのイタリア

Edicola

あなたも教会に行って祈りなさいね、お願いだから。

同僚のお母さんからかかってきた電話はそんな風に締めくくられた。
昨日から本格的に具合が悪くなってしまったローマ教皇の容態が、テレビを見ているともう亡くなってしまったのではないかと思うくらいの報道ぶりで、これまでの業績をたたえたり、コメンテーターによってはもう過去の事として話してしまっている。

次の人は大変だろうと言われるほどあらゆる国を巡って活動した教皇。
パーキンソン病を煩いながらもそれは変わらず、でも見ていて気の毒なほど体が動かなくなって、最近は話すのも辛そうだった。
終身の高位であるだけでそうしているのではないのは、これだけ慕われる人物であることからもうかがえる。
ノストラダムスの予言で、彼が最後の教皇と言われていたらしい事も、それがどういう意味であるのかが興味深い。

内容にまではふれないでおくが、新教皇の選出が背景の「天使と悪魔」を読んでいる最中にこういう状況を迎えたのは、とても不思議な気がしている。

イタリア中が、落ち着かない気持ちでこの夜を迎える。



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ミラノ郊外、世界一のはじまり

Fiera Pero 2

ミラノ郊外に、5年後に全てが完成すると世界一の規模となるフィエラ・ペーロ新ミラノ見本市会場が一部完成し、オープニング・セレモニーが行われた。
メトロ(地下鉄)1番赤線の新駅も出来て、今日のニュースはこの話題で持ち切り。

この完成部分の7カ所のバーやレストランの設計施工に関わったが、衛生管理の検査官が音を上げたほど広いのだ。
まだ、完成したのは一部なのに!

オープニング・セレモニーに建築を担当したマッシミリアーノ・フクサスが出席しないなど、反ベルルスコーニ首相の人達の反発も大きいらしいのだけれど、デカすぎて、ちゃんとイベントで埋まるのかなぁ、なんてボクでも思うくらい。
今回4日間の後は9月まで閉まるとか、今年のミラノ・サローネから使うと聞いていたものまで無くなっていて、いろいろ謎でもある。

土曜日には見に行けるハズ。



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雷鳴

Turno

メトロの出口を上がると、遠くでゴロゴロと、胸騒ぎを誘うような雷鳴が聞こえる。
空を灰色の雲が荒々しくうごめいて、家路を急ぐ人達が行き交う。
1日中、ぽつぽつと降る気配だけ見せてはやんでいた雨が、とうとうドカッと降る事に決めたらしい。

こんな日はおとなしく、読みかけの本のつづきでも楽しむ事にしよう。



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親指のアレルギー

イタリアに住み始めてもうすぐ7年がこようというのに、未だにつまらない言葉の間違いって多い。
似た単語を入れ替えたりごっちゃにして覚えてしまうのが原因だが、これが最初に間違うとなかなかちゃんと覚えられない。

最初の頃は Carne:肉 と Cane:犬、Nave:船 と Neve:雪あたりだろうか。
前の日の晩御飯の話題で、日本でも犬を食べるのかと驚かれた事もあれば、船が降ってくるスケールの大きな話をしてしまった事もある。
今でも気をつけておかないと、Uova:卵と Uva:ブドウは結構間違えるし、発音の問題で上手く言えないのが Pollo:鶏肉と Porro:ポロネギで、ちょっといいレストランでメインディッシュにポロネギ料理が出てきてしまったりもするのだ。

さて、今回のフィレンツェ滞在で驚いたのが杉花粉の量。
バルコニーに黄色い粉がたまっていたのを見たときは、てっきりそこから見えているミモザの木から飛んできた花粉かと、おののいてしまったり…。
この花粉のアレルギーはイタリアでも問題になっているけれど、ボクは時々、親指アレルギーがいかに辛いか力説してしまう事がある。
友人たちよ、Pollice:親指じゃなくて Polline:花粉だと、わかっているのに嬉しそうに話を進めるのはやめなさい。



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パスクワの大移動

今年のパスクワ(イースター)はたったの3連休。
移動祝日といわれるこれは基本的に「春分の日の後の最初の満月の次の日曜日」とされていて、地域などでも違ったりするらしいのだけれど、ボクには4月後半の印象が強く、それだと他の休日とも合わせて大型連休、信仰心の無いボクにはちょうど日本のゴールデン・ウィークのようなイメージがある。

だから以外に地元に帰らない連中も多かったのだけど、逆にこの週末に集中的に大移動があり、新幹線にあたるユーロ・スターのチケットさえ予約出来ないような状態だったのだ。

やらなきゃならない事もあったから、フィレンツェに行くはずだったのにチケットが取れない!?
最終的には友人たちのおかげでなんとかなって、それでも帰りの切符は急行のインター・シティ。
席の予約をしていれば、普通はきちんとコンパートメントごとにその札が用意されているはずが、何も無いから大混乱。
それでもたったの15分遅れにしかならなかったのは、北行きのインター・シティは遅れるもの、と思い込むくらいひどいものなのに、奇跡に近いと言えるだろう。

大切な話が出来た事、嬉しいものがいくつか作れた事。
ちょっとだったけど、充実した休日。
かなり気持ちが落ち着いて、モノの見方も変わるかな。


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大雨のパスクワ

雨戸を叩く大雨の音に目が覚める。
ナターレ(クリスマス)と並ぶ重要な行事であるパスクワ(復活祭)にはあいにくの天気だ。

この日もやはり、イタリアでは家族で集まってごちそうを食べて過ごす。
子供たちは、割るとプレゼントが出てくる卵のチョコレートを楽しみに、仔羊や卵の料理が伝統的なその土地のものとして食卓を彩る。

昨晩、打ち合わせをかねて夕食に招待してくれたシニョーラのごちそうで、そんなイタリアの復活祭の気分を存分に堪能する。
ほんれんそうと卵のタルト、仔羊のグリル、リンゴと干しぶどうのさくさくタルト、と料理研究家である彼女が腕を振るったのだから、それは美味しい。

今日から夏時間にもなって、あの灼熱の太陽に逢うのもあと少し、みな首を長くして待っている。


「パスクア風タルト」と「仔羊のロースト、ポテト添え」を作ってみてね!
[ イタリア情報サイト「ペルバッコ」 > 5つの手順でできる、カンタン家庭料理 > 2003年3月、「アンティパスト(前菜):パスクア風タルト」、「セコンド(第2皿):仔羊のロースト、ポテト添え」 ] 参照


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アフリカン・ドリーム

元気?
突然の電話に驚いて、たいていの友達はこう聞く。
えっ、いまドコ?

国際電話のイメージが、昔の、声がワンテンポ遅れて聞こえるイメージなのも、ボクがいつも唐突に帰国してはお互いが知らないだろう友達をかき集めてご飯を食べるのも、いろいろ理由はあるだろうけど、やっぱりちょっとビックリされる。

そう言えば、最初にローマにたどり着いた時、無事についた事よりなにより、なんだか隣で話してるくらい普通の電話だねと笑ったような気がする。
それくらい先入観の残る時代だったのだろうか、たった7年前なのに。

南アフリカに住む友人と電話で話す。
パッと場所が浮かぶ人がどのくらいいるのだろう?
ボクはスグにはわからなかった、地理は苦手だもんな。

イタリアと時差が無いのにも驚いたが、イチバンは季節が逆なのだ。
ボクたちが震え上がっている真冬に、夏のバカンスでこんな素敵な場所に行ったよ、と写真が送られてきて、ジェラシーに燃えたり、街中の友達のところのパーティでは、窓際に座ったら弾丸が飛んでくるかもしれないからと注意された、ちょっと想像もつかないエピソードも聞いたり。

この友人に出会ってからというもの、ボクはずっと南アフリカを夢見ている。
でも、ボクの頭の中では、アフリカと聞くだけでライオンがガォーと吠えてもいる。
まだ見ぬ乾いた土を、いつ踏みしめられるだろうか。



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俺のアリスについて…

俺のアリスについて誰か何か知らないだろうか。

親友からこんな携帯メッセージが届く。
アリスと喧嘩でもして出て行っちゃたんだろうか?
でも恋人の名前はアリスじゃないから、二股かけてたんだろうか?
こんな秘密を打ち明けられちゃって、ボクはどうしたらいいんだろうか?

ほっとくワケにもいかないので、こっそり電話を入れてみる。

あのさぁ、インターネットのサービスについてなんだけど…。
いや、そんな事だろうと思っていましたが、俺のアリスっていったい…?

Alice mia(アリーチェ・ミア:マイ・アリス)、新サービスの名前でした。
フラッシュとかメガとか今までのはわかるけど、コレは…、ヘンな名前。
だけど、こんな妄想が広がる方がもっとヘン!?



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ミラノのディズニーワールド!?

ねぇ、チェントロに寄って行く気はない?
帰ろうとするボクに、突然言い出した。
どうせ帰り道に通るんだから、いったいドコに行きたいんだ?
こちらを振り向きもせずに、ニヤリと笑う。

ホントだ、外が見えてるのは楽しいものね。
メトロ(地下鉄)の方が早いんじゃない?と言うのを、それほど変わらないからとトラム(市電)に乗ってみて、この気持ち良さを堪能したらしい彼女、窓から見えるショーウィンドウも、ちょうど夕方の薄暗くなりかけた中にいろんな色に輝くようで、なかなか綺麗なものなのだ。

目的地、ヴィットリオ・エマヌエレ二世通りのディズニー・ショップはさらに華やか。
オープン当時、超モダンなマネキンが白雪姫の衣装を着て、凄みのあるニラミをきかせていたのはなんだか子供が怖がりそうで笑ったのだが、入るのは初めてだ。

子供の友達の誕生日のプレゼント選びのはずが、こんなところに子供連れで来ちゃったら最後だね、とは言いつつも、オトナ2人、結構楽しんでしまう。
なかなか決まらなかった肝心のプレゼントも、レジに並ぶ間にも目移りしてしまったりもして…。

帰りには、最近オープンしたカフェ&バーもちょっぴり覗いて、だけどアペリティーボの誘いにはのらなかったのは、さすが母親。
でもあなた、かなり迷いましたね(笑)。



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