パパの実家でお泊まりして家に帰ってすぐ


リビングで横になって不機嫌そうにテレビを見てるパパ。


「どうかした?」なんとなく言いたい事は分かってるけど聞いた。


パパ「テレビなんにもやってねぇなぁ。退屈やなぁ。ちゃむ寝んかなぁ。」


ママ「パチンコ行きたいの?」


パパ「実家で泊まってお前も気疲れしてるだろうし・・・」


パパ「ちゃむ寝てないし大変やろうし・・・行かないよ。」


そう言いながら部屋着を脱いでジーパンを履きながら


タバコと財布と鍵をポケットに入れてる。


ママ「行けば。」


パパ「まじ?ちょっと行ってくるわ。」


ちゃむ「おでけ?一緒に行く!」


パパ「ちゃむはお留守番だよ。ちょっと行ってくるね。」


ちゃむ「ママぁいってらっしゃいするぅ」


ママ「パパは一人で遊びに行くだけだよ。寒いしいってらっしゃいしなくていいよ。」


パパ「冷てぇなぁ。(笑)」


上機嫌で出かけて行った。


パパがパチンコ行ってる時間に散歩に出かけた。


ご近所の子供ちゃんに「今日パパは?」と聞かれて


ちゃむが「パパお仕事よ」と言った。


すごく悲しくなった。


パパはあなたの心が育つ大切な時期に


パチンコばっかり行ってるんだよ。


あなたの成長よりパチンコが気になるのよ。


あなたのオムツを替えたくなくて・・・


あなたの遊びに付き合うのが面倒で・・・パチンコに行くのよ。


そう言いたかった。


そんな時に来た延長依頼メール。


『止まらないので止まったら帰ります。』

・・・・・・・・・プッチン。

『帰って来なくて結構』

そう返信して直後にかかってきた電話を拒否し続けた。

仕事のストレスは理解してるつもり。

毎晩パパの止まらない愚痴を聞いてるから苦労してる事も知ってる。

だからパチンコに行くのも止められなかった。

パチンコへ行く事で一人の時間を過ごす事でリセットできたらいいなって思ってた。

妻として、夫の事を理解してるつもりでいる。

でもちゃむの母親としては許せなかった。


体が怒りで震えた。


夫婦茶碗とパパにプレゼントした絵付けをしたお皿と


出張のお土産に買って来てくれた高級プリンの容器(陶器)


勝手口の外に投げ捨てて割ってやった。


去年ストレスで倒れたのも今こんなに怒ってるのも


すべてパチンコのせい。パチンコに行く彼のせい。


全部知ってるくせに通う彼を許せなかった。


何度も電話はしてきたけど帰ってきたのはしばらくしてからだった。


きっと止まってから帰ってきたんだろうなぁ。


「怒ってる?」とリビングのドアを開けながら言った彼に


私は何も言えなかった。


きっと今からはじまる。・・・・・はじまった。


ご機嫌取りタイム。苦痛な時間。


「夜ご飯なんか買って来ようか?ちゃむと行くからゆっくりしてていいよ。」


「今日ちゃむお風呂入れようか?ゆっくりしてていいよ」


うるさい。うるさいうるさいうるさい。


頭の中がグチャグチャになる。


夜ご飯の支度をしながら一度ふらついた。


倒れる・・・?


グッとこらえて深呼吸する。


今年は変わらなきゃ。負けちゃダメだ。しっかりしなきゃ。


なんとかご飯を作ってテーブルに並べる。


「おなか空いてる?もう食べるの?俺はまだいいけど・・・やっぱ食べます。」


私の顔、たぶん鬼みたいだったんだろうな。


静かな夜ご飯。ちゃむはお散歩の疲れで食べながらウトウトしてる。


ちゃむがパパに抱かれて寝始めたので


深呼吸してパパに伝えた。



私はあなたの事を理解してるつもりです。妻として。


仕事がつらいのも知ってます。だからある程度は耐えられます。


でもちゃむは違うでしょう。


三つ子の魂百まで。って言うでしょう。


今は心を育てる大切な時期なんです。


そんな時にあなたはずっといない。


ずっとパチンコ行ってる。


ちゃむの心は育ちますか?


ちゃむは言葉を覚えるのはすごく早かっったけど


ブランコやすべり台、まだ一人で遊べません。


階段も一人で上がれないし下りられない。


父親が力強く支えて見守って母親が優しく見つめて見守る。


そうしないと子供は勇気を持って新しい世界に踏み入れないんだよ。


私はそう思います。今のちゃむには、これからのちゃむも今までのちゃむも


父親が必要なんだよ。なんでそんな時にいないの。なんでパチンコ行ってるの。


あなたは父親です。もっとちゃむの事見てあげてください。


どうしてもパチンコに行きたいならちゃむが寝てから夜行きなさいよ。



ふぅーーーー


深く深呼吸して話を終えた。


「その通りだな。悪い事したな。ごめん。」


パパはそれだけ言って終わった。


数日後の今日、


仕事終わりのパパから電話があった。


「今8時半やけど・・・パチンコ行っても大丈夫かな?」


救いようがない。今日もまた離婚したいって思った。


ちゃむは夜ご飯パパと食べるって言って


ずっと食べなかった。まだ二歳の小さい子供なのに


パパと一緒に食べるって遅くまで我慢してた。


我慢できなくてパンを食べたりジュース飲んだりしてた。


そんなちゃむがかわいそうで・・・


「ちゃむ、パパとご飯食べるって言ってずっと待ってるよ。」


パパに話したら、


「そっか。帰った方がいいか。」


少し不機嫌な顔をして帰ってきた。


帰ってすぐちゃむに


「おい飯食うぞ。早く座れよ~」


そう言ってふて腐れた顔をしてご飯を食べだした。


彼の病気、パチンコ病、どうやったら治るのかな。


私もちゃむをパパに預けてパチンコ通ってみようかな。


・・・そんな事できるわけない。子供をおいてパチンコなんて。


パパはできるんだなぁ。子供をおいてパチンコ。


もし離婚できるとしたら・・・絶対ちゃむを渡しちゃいけない。


そう強く思った。