私は巡礼の旅に出ていました。
長崎、島原、天草・・・
訪れたのは、大浦天主堂、コルベ記念館、
中町教会、雲仙地獄、原城、大江教会、
崎津教会などなど
それぞれの地に、殉教者たちの祈りと命の
記憶が静かに息づいていました。
雲仙地獄では、信仰を貫いた人々の苦しみ
に胸が締めつけられ、原城では、命をかけ
て灯りを守った者たちの静かな勇気に触れ
ました。
大浦天主堂のステンドグラスに差し込む光
は、まるで「あなたも灯りを守って」と語
りかけてくるようでした。
心が苦しくなるような殉教者の歴史を辿る
旅でしたが、こころが安らぐ時もありまし
た。
天草の宿で、有明海の水に手を浸したとき。
ひんやりとした感触の奥に、殉教者たちの
祈りが静かに流れていました。
私も、教会奉仕がんばろうと思いました。
多くの殉教者の中で最も印象に残った聖人
は、福者イグナチオ内堀でした。

