先日、小河内ダム(奥多摩湖)の周囲
をめぐる”いこいの道”を歩きました。
私は「足の裏で地面を感じる」こと
の大切さを思い出しました。靴をは
いていても、石の感触や落ち葉の踏
み音などいろいろな感覚がせまって
きます。
風のゆらぎ、鳥のさえずり、水の音
木々の香、湖面にうかぶ小島――
それらが私の心と身体をそっと結び
つけてくれるようでした。感覚に帰
るというマインドフルネスの時間。
湖面に広がるさざなみを眺めている
と、時間がほどけていくような感覚
に包まれました。
風の向きや強さでさざなみも変わっ
ていきます。光を帯びて美しく波打
っていました。
小河内ダムは歴史的にもつらい記憶
のある所です。現在、都民の水道の
18%程を担ってくれているダムで
すが、その背景には多くの方々の犠
牲や悲しい決断がありました。
いこいの道の入り口近くには慰霊碑
がそっと立っていました。神様に祈
りを捧げました。
帰宅して、夜休んでいたのですが、
ふしぎなことがありました。
夜中にビジョンが見えました――
奥多摩湖の湖上を、着物姿の女性た
ちが行きかっている光景でした。
不思議に思い、当時の服装を調べて
みると、昭和30年代以前の小河内村
では、和装が主流だったことを知り
ました。
もしかすると、私の感性が時を超え
て、湖に沈んだ村の記憶に触れた瞬
間だったのかもしれません。

