わたしは、静けさを愛しながらも、魂はどこかで
「もっと深く知りたい」「もっと遠くへ行きたい」
と願っている気がします。
そんな矛盾を抱えたわたしにとって、聖ヒルデガ
ルト・フォン・ビンゲンという聖人の存在は、
魂の応援者のように感じることがあります。
ヒルデガルトは12世紀の修道女でありながら、
神秘家、作曲家、詩人、植物学者としても活躍し
た女性です。
彼女は「生ける光の影」と呼ばれる幻視を受け、
それを音楽や詩、医学書、自然学にまで昇華させ
ました。その創造の幅広さと深さは、まさに繊細
な感受性と刺激への好奇心が共存するHSS型HSP
の霊性に通じるものがあるような気がします。
彼女の思想の中でも、わたしが特に惹かれるのは
「Viriditas(ヴィリデタス)」=緑の力という概念
です。わたしたちの内側にも、神の光に触れた時
に芽吹く「緑の力」がある。ヒルデガルトは、修
道院の静けさの中で幻視を受けながらも、皇帝や
教皇に助言を送り、説教旅行にも出かけました。
彼女の生き方は、内向的な祈りと外向的な行動力
の両立という、HSS型HSPの魂が求めるバランス
を体現しています。
ヒルデガルトが歩んだ「霊とこの世の架け橋」と
しての道は何か励ましを与えてくれます。
繊細さは、神の声を聴くためのアンテナ。
行動力は、その声を世界に届けるための翼。
ヒルデガルトの霊性は、そんなわたしたちに
「それでいいのよ」と静かに語りかけてくれるよ
うです。
