人と関わることが好きで、交流や行動にも

情熱を注ぎたい。でも、ふとした瞬間に心

がすり減って、へとへとになってしまう。

投げ出したような悲しい気持ちにさえなっ

てしまうとき


そんな日々の中で、わたしが見つけた静か

な癒しが「お灸」でした。
お灸は、ただ身体を温めるだけではなく、

心の奥にある境界線をそっと守ってくれる

ような存在です。小さな火ですが、篝火の

ように守ろうとする火です。

 

HSS型HSPのわたしたちは、外からの刺激

に敏感で、人の感情や空気にすぐに巻き込

まれてしまうことがあります。それでも行

動しつづけて、気づけば、自分の心がどこ

か遠くに置き去りになっているような感覚。
そんなとき、お灸の香りと温もりが、


「ここがわたしの場所だよ」と、静かに教

えてくれるのです。もう休む時間だよと。


火を灯すその瞬間、まるで祈りを捧げるよ

うな気持ちになります。火がそっと燃える

間、祈りの時間になります。


香りが立ちのぼると、どこか懐かしい記憶

がよみがえります。静かな畳の部屋、夕暮

れのやさしい空気——
火のあかるい赤は、静かで力強い色。
小さな火が、過去でも未来でもなく、「今こ

のとき」に気づかせてくれ、呼吸もまた穏

やかになっていきます。


お灸の時間は、わたしにとって「境界線を

編み直す時間」でもあります。誰かの期待

や空気に飲み込まれそうなとき、お灸の小

さな火が「わたしはわたしでいていい」と

静かに語りかけてくれるのです。