外の世界が少し騒がしく感じる日は、静かな

場所が恋しくなります。誰かの言葉に心が揺

れたり、心がざわめき、なんだか疲れてしま

ったり。やさしさを選び続けることが、少し

重たく感じるとき――


わたしは、そっと糸に触れます。
HSS型HSPのわたしは、動きたい気持ちと、

すぐに疲れてしまう繊細さのあいだで揺れな

がら生きています。きついなと思うこともし

ばしばあります。


新しいことに心が惹かれたり、誰かの痛みに

深く共鳴したりとなんだか慌ただしい時。
そんなとき、編み物はわたしに「ちょうどい

い刺激」をくれる存在です。五感を癒す刺激。


糸の色や手触り、かすかな針の音、編み目の

変化、飲み物の香り、味わい――
それらは、やさしく五感に響いて、わたしを

「今ここ」に戻してくれます。
 

ひと編み、ひと編み。
その静かな繰り返しは、まるで祈りのよう。
編みながら、ほどけそうな心をそっと結び直

していく。元に戻るような感覚。
「だいぶできてきたね」糸が語りかけてくれ

るような気がします。
編み物は、こころの避難所。わたし自身を整

えるための“帰る場所”であり、贈り物を編む

ときは、もしかしたら誰かへの灯りにもなる

のかもしれません。


外の世界に揺れた心を、ひと編みひと編みで

整えながら。クラシックギターの音楽をかけ

て、涼しくした部屋で、のんびりのんびり。