まあ、物理の依頼がありました笑
とある出版物のコラムで書きましたので、こちらにも書いておきますね☆
コラム 関西4私立医科大への物理の分析による相性の考察
私大医学部受験をお考えの皆さん、関西4私大、つまり、大阪医科大学・兵庫医科大学・関西医科大学・近畿大学医学部、の受験をお考えの方も多いのではないでしょうか。簡単ではありますが、この4私大の物理について分析をしていきます。物理に限った話ではありますが、受験校や志望順位のイメージがしやすくなると思います。そもそも、偏差値のランクは、2013~2016年度の全統模試の合格者平均偏差値を並べると、29大学中
大阪医科大学・・5位 関西医科大学・・6位 近畿大学・・8位 兵庫医科大学・・11位
となっておりますので、そこまで差はありません。なかなか高いレベルでまとまっているといえます。これは、首都圏等の私大医学部受験は割と国公立と私立が受験層がくっきり分かれているのに対し、関西圏では国公立との併願が多く、受験生のレベル層が高いという事情もある程度影響していることも挙げられます。よって、難易度が高めではあるものの、理科でも7割くらいの得点率が必要になり、ある程度高得点をとらなければなりません。ゆえに、出題分野、形式等の相性は、選定基準に十分になりえるということになります。
1. 出題範囲の分析
まずは, ノーマルではありますが、出題分野の整理をいたします。(2013~2016)
A.力学
① 等加速度運動 運動方程式 慣性力
・・・2014 近大 2013 関西 2013 2014 大阪
② モーメント
・・・2013 2014 2015 兵庫 2014 関西 2014 大阪
③ 運動量・力積 仕事・エネルギー
・・・2013 2015 2016 兵庫 2015 関西 2013 2014 大阪
④ 円運動 遠心力
・・・2015 近大 2015 2016 大阪
⑤ 単振動
・・・2013 2016 近大 2015 兵庫 2016 関西
⑥ 万有引力 ケプラーの法則
・・・2014 兵庫 2015 2016 大阪
B. 電磁気
① 電場・電位
・・・2013 兵庫 2014 2015 大阪
② コンデンサー
・・・
③ 直流回路
・・・2013 2016 近大 2013 兵庫 2014 関西 2015 2016 大阪
④ 磁場・電磁誘導
・・・2015 近大 2014 2015 2016 兵庫 2013 2015 関西 2013 2014 2015 大阪
⑤ 交流・電気振動・電磁波
・・・2014 近大 2014 2015 兵庫 2013 大阪
C. 波動
① 波の性質
・・・2013 近大
② 音波
・・・2016 近大 2013 2014 2015 兵庫 2013 関西 2013 2015 大阪
③ 光波
・・・2014 近大 2013 2014 2015 2016 兵庫 2014 2015 2016 関西 2014 2016 大阪
D. 熱力学
① 熱量と温度
・・・2015 近大 2013 2016 兵庫 2014 関西 2016 大阪
② 分子運動論
・・・2015 関西
③ 状態変化
・・・2013 2014 2015 兵庫 2013 2016 関西 2015 大阪
E 原子
① 粒子性と波動性
・・・2015 2016 関西 2016 大阪
② 原子の構造
・・・2016 兵庫
③ 放射線・核反応
・・・2016 兵庫 2014 関西 2016 大阪
単純に出題分野というのなら, 力学はバランスよく万遍なく出題されるということ、電磁気では直流回路・電磁誘導の分野、波動では光波、熱力学は全体的に扱いが低く、原子は2015年度からの原子ラッシュ以降に全国的に増えたことが近大以外はそのまま現れたといえます。
2. 原子物理の扱い
核に関するニュースは皆さんも多く耳にするところだとは思います。使い方を誤ればとてつもなく人類の脅威になることは周知の事実でありますが、新課程において、その認識度を高くする、ということも、教育課程の狙いの1つと考えられます。医学部の入試において、直接関係するのか、といえば、治療機器としてX線が広く使われている事実を踏まえれば、その性質やリスクについての理解を深めることはむしろ医師として当然のことのように思えますので、出題分野として重視されだしたこともむしろ必然です。関西の私大医学部だけでなく、全国的に出題が増えてきている傾向は持続すると思われます。そうすれば自ずと受験生が入試出題分野の1つとして原子分野もきっちり学習してくるので、しばらくすれば元のバランスに戻り、従来の力学・電磁気が2大主人公の入試に戻ると思われます。近畿大学は、数学でも数学Ⅲを出題しないように、物理でも将来的にも原子は出題しないかもしれません。
3. 対策のしやすさ
物理は、科目的な特徴として「問題を見た瞬間にテーマが分かりやすい」ということがあり、兵庫医科大学、大阪医科大学なども後半は難問があるとはいえ、前半は定石通りの問題がわりとありますので対策もまだしやすいです。しかし、関西医科大学の物理はこの部分がかなり見極めにくく、知っている知識、分野に落とし込むのが最も難しいです。問題文の読解、設定の理解といったところに時間を要するので、かなりハイレベルな実力が要求されます。2015年度の第4問の物質の波動性からの考察問題、2012年度の第4問の太陽光発電の仕組み等、馴染みなき問題に瞬時に対応しなければいけません。滋賀医科大や京都府立医科大志望で過去問等をやり込んでいる実力者はそこまで苦労しませんが、そうでない受験生には厳しいでしょう。また、近畿大学に関しては、難易度そのものは標準的といわれがちですが、総合大学としては他大学との違いをだしていきたい学校の方針手伝ってか、受験生のあまりなじみのないテーマの問題も頻出です。2016年度の第3問の赤血球の速度をドップラー効果で求める問題等は最たる例です。ただし、誘導設問は比較的親切についているので、他学部の問題や過去問、推薦入試といった問題で慣れていけばそれほど面食らうことはないかもしれませんが、いずれにせよ高い対応力は求められます。
4. 最後に
先述の通り、関西の4私大医学部の入試は国公立志望の生徒とも張り合う必要性もありますので、物理に関しても甘いところはありません。まず教科書に書いてある内容を隅々まで理解し、知識量がしっかりしていることは攻略の前提になります。公式・定理なども証明まできっちり理解していることが大切です。そのうえで標準レベルの問題を解きこんで、速さを伴わせ、見慣れない問題やハイレベルな問題を解く時間的余裕をつくることが攻略のためには必要ですので、精進しましょう。
