@妹
大腿骨頸部骨折、転院1週目。
金曜日の夜に帰省して、土曜日の朝9時に病院に向かいました。
毎週土日帰省して介護するようになって四年以上経ちますが、殴る噛むの不穏発生から二日目。場所は病院。覚悟して向かいました
と、着いた側から母の叫び声が廊下に響き渡っている
どうやらリハビリのために車椅子移乗しようとしたところ大騒ぎだったようです。
一呼吸おいて自分の中で最高の笑顔をつくって「おはよー」と声をかける。
パッとこちらをむいてくれたので、色々関係ないことをどんどん話す。精一杯で何を話したかよく覚えていない。
けれど、のせられたのか母段々と表情が和らいだのでとりあえずホッ
その後、午前中は穏やか。
午後もトイレ前の不穏迄は穏やか。
トイレを終えたらまた穏やか。
え、予想外にいい感じ。このままいけるかも
と思っていた矢先、15時過ぎのリハビリの時間に
きました。噂の暴力を伴う不穏。
姉から聞いてはいましたが実物は破壊力が違います。
生まれて初めて母に殴られ、リハビリ担当のPTさん(←女の子)が手を抑えてくれるけれど、そちらにもなぐりかかる勢い。
歩こうとするもののさすがに痛くてまともに歩けないようで、悲鳴をあげながらホフク前進。
まだ非荷重(患部に体重がかからないようにすること)の指示が出ているので、患部に負担がかからないようにこっちも必死に手を差し出しながら追いかけるけれども、その姿を見てまた殴りかかる。
異様な光景だ。他の入院患者さんとご家族の目が痛い。
とにかく落ち着けなければと思って「私が下手で恐い思いさせちゃったね、ごめんね」と話しかけているとまた猛烈に泣けてきた。
そうしたら次第に暴力は落ち着き、おむつ交換の時同様お説教モード
内容は支離滅裂だけれど、きちんと説明してからやってくれなきゃ怖いのということが言いたいらしい。もちろんきちんと説明してから始めたけれど、母は母なりに苦しんでいることは伝わってくる。
こちらが感極まって泣き出すとお説教しながら最終的に慰めてくれる母。
大分落ち着いたので部屋に戻り、少しお茶をしようと言ってジュースを差し出して他愛もない話しをしました。
30分ほど経つと、さっきまでの出来事が嘘のようにいつもの母が目の前に。
認知症マジック。こっちはトラウマになりそうなのにー
ここでやっとタイトルとつながりますが、こういう強烈な不穏を「破局反応」というそうです。
原因は不安や恐怖心とのこと。
認知症ねっとのユッキー先生のコラムを読みながら、できるだけ冷静に検証してみました。
<母脳内(想像)>
寝てる間にどこだか分からないところに連れてこられた。
周りにいるのも知らない人ばかり。
(↑※私の事は既に娘だとは分からないので)
何でか分からないけど体中痛い。
特に足の付け根がものすごく痛くて歩くことも出来ない。
いつも知らない人に囲まれてて怖い。
家に帰りたいのに知らない人達が沢山きて立っちゃ駄目だって言う。
先生っぽい人がきて車いすに乗せられたけど、それだけでめちゃくちゃ痛い。
絶対ここの人達おかしい。逃げなきゃ。
▼
(取り押さえられる)
▼
ウォー!!!
~ 破局反応 ~
という感じなのかなと。あくまで想像ですが。
今、私は自分のことを正常だと思っているけど、ある日突然周りに知らない人が沢山いて、帰ろうとすると歩いちゃ駄目だとか言って止められたら全力で抵抗するかもしれない。
さて、この翌週も同じような感じで、精神的にぐったりきてしまい、ここまで書き終えるのに当日から既に3週間以上経過しています
非荷重の期間は病院の方々と姉と分担しながら乗り切りましたが、この強烈な不穏の明確な解決策は見つかりませんでした。
骨折の自覚がない→立って歩こうとする→慌てて支える→破局反応
という因果関係は分かりましたが、非荷重の期間に好きなように動き回って転倒でもしたら大変だし。
普通はこの期間拒否の強い認知症の場合は拘束されてしまうと思うので、拘束しないがモットーの今の病院ならではの悩みかもしれません。
転院で両方の事例を見た身としては、拘束も時には必要かもと思います。
今の病院は看護師さんだけでなくPTさんがかなりの人数いて、しかも皆さん「介護士さん?」と思う位認知症患者に落ち着いて穏やかに接してくれるので何とか乗り切れていますが、普通の病院では多分無理。
無理な姿勢での悪化や再転倒の可能性を考えると、拘束は長い目でみて本人の為のような気はしました。急性期に限りですが。
最後に、非荷重の期間を終えてある程度好きに動かしてあげられるようになった今、暴力はおさまってきました。
痛みやトイレ前の不穏の興奮具合は相変わらず凄いですが。
一日の中での気分のアップダウンが激しすぎ&唐突すぎて1日一緒にいると魂抜かれる感じです
でも、非荷重時の暴力と同じで今が永遠に続くわけじゃない。長くてもあと1か月
と前向きに考えて入院期間を乗り切ろうと思います。