前回お話した管理会社、敷金返還の件ですがある意味予想通りの結果です。いまだなんのリアクションもなし。

 

借主は、賃料の支払いのための振込手数料は借主が負担しているのだから、敷金の返還のための振込手数料は貸主が負担すべきだと主張しているが、いずれの主張が正しいか。

回答

1.    結 論
     借主の主張が正しい。
2.    理 由
     敷金は、確かに借主の債務の弁済を担保するための預り金ではあるが、本件の場合は原状回復後の残余敷金の返還であるから、その債務者は貸主である。したがって、当事者がその残余敷金の返還のための費用(弁済費用=本件の振込手数料)の負担者を定めなかった場合には、その負担者は一義的には債務者である貸主が負担することになる(民法第485条本文)。

参照条文

   民法第484条(弁済の場所)
     弁済をすべき場所について別段の意思表示がないときは、特定物の引渡しは債権発生のときにその物が存在した場所において、その他の弁済は債権者の現在の住所において、それぞれしなければならない。
   民法第485条(弁済の費用)
     弁済の費用について別段の意思表示がないときは、その費用は、債務者の負担とする。ただし、債権者が住所の移転その他の行為によって弁済の費用を増加させたときは、その増加額は、債権者の負担とする。

 

これが正解ですね。無視しているのは知識がないのか、少額だからほっとけば諦めるだろう・・・ってことでしょうか?

 

こういったことをするから不動産関係の会社はいまいち信用にかけるんですよね~

 

長くこの業界に携わって来たものとしては非常に残念です。

 

個人的には納得がいくとかいかないということより、こういった悪しき慣習がなくなることを目指して一応の悪あがき?をしてみようと思っています。

不動産管理業はサブリースや敷金返還の問題点の多さから新たに国家資格、業務する上での資格等を創設し色々な規制や借主保護の観点から法整備が行われ始めましたが、まだまだ抜け落ちている点が多いのが実情です。

不動管理業協会、消費者センター等々への照会、また個人としても機会があれば発信していこうと思います。

 

持ち家志向がまだまだ強い日本ですが、賃貸物件で居住されている方も多数いらっしゃいます。

そういった方が一方的な不利益を被らないようになりますように。

ただ、借主さんも自己防衛のためにいろいろと知識を蓄えていくことは必要だと思います。

 

複数の賃貸物件のオーナーとも付き合いがいまもあり、運営上での相談を受けますが古き悪しき慣習にとらわれたままの方も多いですし、管理会社に丸投げで良くも悪くもお金だけ入ってくれば後のことは管理会社まかせというオーナーさんもいまだに多いです。

貸主の観点から行けばガイドラインの設定によって事業としてはあまりうまみのない事業にもなりつつある中で、知識がなければいずれかの業者に任せるしかないのですが、業者を選定するにあたって何をどのように選べばいいのかわからず紹介であったり、管理手数料だったりで何となくお願いしているケースが多いですね。

なんの業態でも事業主となるからには、最低限関係ある法律の知識や業界の慣習などは理解したほうがよいとは思いますのでそういったことはお話いたしますが、高齢な方が多かったり兼業の方が多くてそこまでは難しいのかもしれません。

しかしSNSの発達した時代です。

事実かどうかよりも悪評が拡散してしまったあとでは手遅れになります。自己防衛のためにもしっかりとした知識と対応のできる会社を選びましょう。

日本の借地借家法は借主保護が異常なまでに強く、貸主としては負担が大きいのでその辺も国は改善すべきところがあるんですけどね。

 

さて実社名公表については、いまのところ土日除いて4日目ですので1週間は待ってみようと思います。その間にこちらの主張の裏付けなどの作業をしていこうと思っています。

ハマり具合がいいのかねぇニコニコ

日々いろいろいらだつことも多いですがうちの娘たちが和ましてくれています。感謝ですね。

ではまた