近頃私は、"適職の見つけ方"についてよく考える。

 

今までも「天職とか適職に就いている人は、その仕事に出会うまでにどんな人生を歩んできたのだろう?」と考えていたが、HSC娘が小学生になった時点で深く考えるようになった。

なぜ私がそんなことを考え始めるようになったかというと・・

学習指導要領の存在がある。
 

 


子供を普通に小学校に通わせていれば、先生が学習指導要領に沿って様々な経験をさせてくれる。

音読、書写、計算、縄跳び、プール、読書、工作、合唱・・

家庭では出来ない友達同士での取り組みや専任教師からの音楽・図工の指導、給食当番や掃除当番の存在など、本当にありがたい。


私はその豊富な経験の中から、娘が自分で"好き"を見つけて、大学選び、ひいては仕事選びに生かしてもらえたら・・と思っていた。


しかし1学期が終わった時点で、「学校任せではいけなかった」と自分の態度を反省した。


親としては、「こんなにたくさんの経験を学校でさせてもらえるんだから、その中から得意不得意や夢中になれることを自分自身の力で見つけて欲しい」と期待していた。


しかし実際は・・

娘はボリューム満載の学校生活に対して消化不良を起こし、1日を無事に過ごすので精いっぱい。
鉄棒など不得意分野に関しては「なぜこれを頑張らなきゃいけないの?必要性を感じない。でも将来のために何でも頑張らなきゃいけないんでしょ?」と投げやりになってしまうこともあった。


学習指導要領は一通り何でもまんべんなくやらせるので、可能性を広げる反面、真面目な子供にとってはどれも取りこぼせないと頑張り過ぎてしまうのかもしれない。



私も大人になり、視野が広がった今なので分かるが、実は学校生活は全てを頑張る必要はなく(公立中高一貫校や公立トップ高校を狙うなら別だけど)、ある程度取捨選択が許されるものだと思う。


プールが苦手なら、そもそもプールの存在しない中高一貫校に入学すればいい、集団が苦手なら通学しなくても卒業出来る学校も存在するというように。


子供に対して、


「多様な子供がいる分、学校も多様化しているから、必ずあなたに合う学校がある。

選ぶのはあなただ。

今いる学校が全てじゃない。日本には色んな学校が存在しているんだよ。」

と選択肢を提示する。

 

それだけでも、子供は自分の頑張りが足りないんだと自己否定したり、全部頑張らなきゃレールから外れてしまうというような心労が減り、余裕が持てるのではないだろうか。
 

 

そして学校で経験させっぱなしで家での振り返りがない状態では、子供は何が自分の得意分野であるか気づくことも、好きなことの伸ばし方や幅の広げ方も分からないのだと娘を見ていて気がついた。

 

大人だって自分の特技やいいところに自分1人の力では気づけなくて、人から指摘してもらって初めて気づく場合も多い。

子供なら尚更。

親が気づいて指摘し、導くことが大切なのだ。

 


結局、今受けている授業(体験)が自分の未来にどう繋がっていくのか?

 

それを子供に教えるのは学校ではなく、子供を一番よく分かっている親なのではないか?という当たり前のことに気づいたのだ。

今までは分かっていたつもりで本当には分かっていなかった。

 

 


それからは家で親子で教科書を読み、一緒に授業内容を振り返り、消化を手伝ったり、折に触れて娘の長所を娘に指摘して逐一気づかせてやることを心がけた。


例えば作文やスピーチ、図工や音楽の授業をきっかけに、娘が自分の思いを表現したり、自分の気持ちを他人に伝えることが得意であることに気づいた。

また道徳で「友達の良いところを探して褒めよう」という授業があった時にも、娘は短い時間で何十個も書き上げたという。

それは娘にしっかりとした観察眼があるということだ。

 

なのでひとまず近い目標として詩や読書感想文、絵画のコンテストを見つけて応募してみたり、小学校高学年になるとスピーチ大会というものがあるから出てみたらと紹介してみたり、5年生で生徒会に入ってみたらどうか?と提案してみた。


娘はノリノリで、「ワクワクする!挑戦してみたい!」と言っていた。

 

それからは娘は国語や図工、道徳の授業にますます力が入り、やる気をみなぎらせている。

 


自己表現が得意であれば将来的にも大きな武器になるだろう。

職業としては一般企業に就職するよりも、デザイナー、芸術家、ジャーナリスト、作家など単独で自分の裁量で仕事をするのが娘には合うのではないかと考えている。

実際、作家にはHSPっぽい人が大勢いるから。

HSPは内省が得意なので自分を掘り下げる作家という職業に向いているんだろう。

 

(余談だが私がこの人絶対HSPだなと思う作家→紫式部、益田ミリ、福満しげゆき)



という感じで私が簡単に未来のプランを提案しただけで、娘は今頑張っている勉強に意味を見出し、学校に通う気力が湧いてきたようだ。



子供は「これ好きだな~」と思えることがあっても知識と経験が足りないので、それをどう伸ばしたらいいか分からないし、どんな風に仕事に結びつくか分からない。

そもそも世の中にどんな職業があるのかほとんど知らない。


だから親が子供が夢中になっていることを見つけて子供に気づかせて、それを活かすにはこんな仕事があると紹介したり、その仕事に就くにはこの進路に進むといい・・と道筋を立てる。


もちろん選ぶのは子供自身だが、強制しないようにあくまで提案に留めるならば、子供は反発したり、親の顔色を伺うようにはならないのではないか。



私は恵まれた日本に住んでいるのだから、小学校のカリキュラムを踏み台にして親が子供の好きや得意を見つけ伸ばして、適職に出会えたらいいなと思った。