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流通雑感のブログ

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「流通雑感 臨時号NO.16」2025年 7月20日

 

「流通雑感 臨時号」は、住谷ゼミのOBOGの皆さんに読んでいただこうと思って発行するものです。

《近況》

*ようやく1年遅れで、昨年の退官記念パーティの幹事の方たちの慰労会を行うことができました。とてもご苦労とご迷惑をおかけしましたので、開催出来てとても良かったです。少し気持ちが楽になりました。また、改めてパーティに出席していただいたOBOGの皆様には心より感謝申し上げます。

*先月末には、帰省し、両親の墓参り、次兄の納骨式に参列し、兄弟の食事会に参加してきました。長男と長女夫婦は80歳代です。船橋でも秋田でも70歳代、80歳代の人と話をすることが多くなりました。

*左手の腱鞘炎は、まだ治りません。長くかかるものです。注射を打つと治るそうですが、再発したら手術だよと脅されています。

*これから本格的な夏、体調を壊しやすい時期かもしれませんね。皆さん、お互いに気を付けて夏を乗り越えましょう。

 

1,社会・消費者について

(1)   TOEIC試験で集団不正

(2)   20代前半よりも40代前半の出生数が上回った

2,小売業について

(1)ノジマ、約40社のグループ企業に

(2)三井アウトレットパーク木更津、店舗数日本一

(3)トライアルの「DXタウン」

(4)ローソン「リアル×テック、ローソン」1号店開業

(5)ローソン、駐車場で車中泊

(6)高島屋高崎店の「メゾンドエフ」に行ってみませんか?

(7)ヴィレッジヴァンガード、チェーン店の3割閉店

(8)地方百貨店再生の事例

(9)クシュタールがセブン&アイ買収案を撤回

3,消費財メーカーについて

*特になし

4,その他

(1)ゼンショー、国内外食企業NO1、さらに海外へ

 

 

1,社会・消費者について

(1)TOEIC試験で集団不正

TOEICを運営する「国際ビジネスコミュニケーション協会」からの通報で警視庁が捜査した結果、京都大学大学院生の王立抻を逮捕しました。王容疑者はマスクの内側に小型マイクを取り付けていました。板橋区の会場には王容疑者と同じ住所で43人が申し込んでいました。王容疑者の近くに座って、王容疑者のつぶやく解答をイヤホンで聞き取ろうとしていたようです。別の会場でも10人ほどが怪しい言動をして事情徴収されています。

どうやら不正ビジネスが存在しているようです。別人に受験させる替え玉のほか、イヤホンを通じて解答を聞き取る手法があるようです。

今、日本の大学院に入りたい中国人留学生は一杯います。ただ、大学院に入るためには専門分野の試験の他に英語の試験が必ずあります。

一方、日本の大学院では、教員が英語の出題・採点を嫌がっています。そのためTOEICの点数で英語の入試の代わりにしているのですが、このような問題が明らかになった以上、再び、教員が英語の入試を出題せざるを得ないでしょう。

日本語も流暢でない中国人留学生を大学院に入学させている事例も多くあります。なんのために、彼らを入学させるのか疑問に思う時もあります。

また、現在、大学入試でもTOEICが英語の試験の代わりになる大学が増えています。この不正行為が、高校生に広がらないように祈るだけです。

TOEICの不正は英国でも韓国でも起きていましたので、この際、不正受験が行われないように国際ビジネスコミュニケーション協会もしっかりとした対策を講じる必要があります。

その後、国際ビジネスコミュニケーション協会は調査を継続し、結局、803人の受験者に対して得点を無効としたうえで、受験資格を5年間はく奪するという措置を講じました。今後は、不正が行われないように厳しい対策を講じるそうです。これで何とか信用は維持されるのかもしれません。

(2)20代前半よりも40代前半の出生数が上回った

2024年の出生数が人口動態統計(概数値)で68万6061人となり、1899年(明治32年)以降で過去最少を記録したことは既に報じられていますが、年齢別出生数において、20代前半(20-24歳)より40代前半(40-44歳)の出生数の方が上回ったという事実がSNSなどで話題となっています。具体的には、20-24歳出生数4万2754人に対し、40-44歳が4万3463人で、40代前半の出生数が20代前半のそれを逆転したのも初めてです。

 

2,小売業について

(1)ノジマ、約40社のグループ企業に

ノジマは、積極的なM&Aを繰り返し、今では約40社のグループ企業になっています。自己資本利益率(ROE)は25年3月期で17%台です。ヤマダHDは4%、エディオンは6%ですから同業大手を圧倒しています。

また、14年3月期に2184億円だった連結売上高は、25年3月期には3.9倍の8534億円になっています。

もっともうまくいっているのは携帯電話販売のキャリアショップ運営事業で、同事業の経常利益は前の期の2.3倍の192億円です。このキャリアショップ運営事業もM&Aをテコに拡大してきています。15年にドコモショップを運営するアイ・ティー・エックス(ITX)を850億円で、25年にはコネクシオを約850億円で伊藤忠商事から買収しました。今ではグループ全体で935店舗を展開し、1000店舗規模のティーガイヤや光通信に伍する存在になってきています。

その他にもパソコンのVAIOやマーケティング支援会社のストリートHDなどを買収しています。

もちろん、2000年以降に買収した会社のうち、11年までに10数社を売却・解散・吸収合併などで整理しています。スルガ銀行は、経営方針の違いから22年に全株を手放しています。

ノジマがこれからもM&Aで成長していくのか、どこかのM&Aで思わぬ失敗をするのか?目が離せません。株価も好調に推移しています。このまま右肩上がりの株価になるのか?その点も興味深いところです。

(2)三井アウトレットパーク木更津、店舗数日本一

三井アウトレットパーク木更津の新エリアが23日に開業しました。パーク全体の店舗数が30増えて、330となり日本一になりました。店舗以外にも人工芝を敷いた約700㎡の屋根付き広場を設けたり、スケートボードのパークも開業しました。

一方、ららぽーとTOKYO-BAYは、建て替えた北館の一部を10月にリニューアル開業します。また、隣接のビビット南船橋は、「ららぽーとTOKYO-BAY North Gate」に名前を変更して統合します。そうなると店舗数は約390店舗になり三井アウトレットパーク木更津よりも多くなりそうです。

千葉湾岸エリアには三井不動産系の商業施設が多く、連なっています。人口増加エリアでもあり、インバウンド客もくるエリアですから、大いに期待が持てるでしょう。楽しみですね。

(3)トライアルの「DXタウン」

トライアルは廃校なった小中学校を改装し、IoT技術や人工知能の研究機能を集約しています。同時に、メーカー各社がトライアル店舗のデジタルサイネージで流すコンテンツも作成しています。このトライアルのDX研究開発拠点を「DXタウン」と呼んでいます。場所は九州の福岡県若宮市にあります。

 DXタウンは、小売りに関わるメーカーや流通の技術革新を促す場として2020年に開設しました。毎月1週間、首都圏などから参画企業の営業担当者やデジタル人材を招いては勉強会を重ねています。宿泊施設も用意し、日夜を問わず企業間で交流できる環境が整っています。

 2021年の勉強会では10社強、約30人が集まっていましたが、25年6月には48社、300人超が集まっていました。

 データは、全国2万1000台のカートやPOSレジ、店頭に設置するAIカメラから膨大な顧客データが日々集まります。約1137万の会員IDから属性別の分析もできます。

 花王は、ある漂白剤を発売した際、当初は女性を主要顧客に捉えていました。トライアルの顧客データを基に分析してみると、実は男性の購入客が多い事が判明しました。トライアルの助言を得ながら広告の打ち出し方を変えたところ、同商品の販売が60%増えました。

 このような事例もあり、DXタウンへの参加者は増えています。また1週間の合宿ですから、他社との情報交換もしやすいというメリットもあるようです。

 このDXタウンへの参加者は、ますます多くなるでしょう。トライアルは、日本の小売業を変えるエネルギーを持っているように感じます。

(4)ローソン「リアル×テック、ローソン」1号店開業

高輪ゲートウェイ駅に直結する複合ビル内に「リアル×テック、ローソン」1号店が開業しました。特徴は以下のように集約されます。

(1)   業務支援

  ➀飲料の自動陳列・在庫管理ロボット

  ➁からあげクンの自動調理ロボット

  ➂床の自動掃除ロボット

(2)   販売促進

  ➀AIカメラによる顧客ごとの商品提案

  ➁AIによる売り場の改善策の提案

  ➂サイネージ連動の商品説明・広告

(3)   サービス

  ➀服薬指導など暮しの相談の遠隔対応

  ➁キャラクターによる店舗案内や占い

  ➂光とデジタルアートを使う空間演出

 この実験店では、店舗運営の作業時間を30%減らさせるようにして、それを水平展開しようとしています。まずは、ロボットが期待通りの成果を出すかどうかが鍵でしょう。それ以外はサイネージ広告で儲ける事でしょうか。

いろいろと新しくなり高齢者はついていくのが大変な部分もあります。現金が使えない店が少しずつ増え、困ります。

(5)ローソン、駐車場で車中泊

ローソンが店舗の駐車場を使った車中泊サービスを始めます。1泊2500~3000円でオンラインでの事前決済が必要です。7月中にも千葉県内の6店舗で始めます。

予約した店舗に到着したら店員による簡単な手続きを済ませた上で使えます。チェックインは18時以降、チェックアウトは9時。自動車1台につき駐車場を2台分開放、キャンピングカーなどの大型車も使えやすくします。店のトイレを自由に使えますし、ポータブルバッテリーを充電できます。生ごみはチェックイン時に渡すレジ袋1枚分のみ捨てられます。

気の利いたサービスの提供に見えます。ただ、風紀の乱れ、騒音問題、ゴミの問題など多くの問題が起きそうです。コンビニ利用者とのトラブルも心配。私は否定的ですね。

(6)高島屋高崎店の「メゾンドエフ」に行ってみませんか?

高島屋高崎店に「メゾンドエフ」というショップ(高崎店のバイヤーが開いた)、があります。地方の工場ブランドを集めた小さなショップです。価格と品質のバランスが抜群で、わざわざ東京からも買いに来る人がいるとか。

古橋のシャトル織機でつくったワイシャツ、山梨県にあるネクタイ工場の繊維の短いロウシルクを使用したネクタイなど個性的な商品が集められています。

高崎に用事がある人は、ちょっと寄ってみたらいかがでしょうか?地方発ブランドがこれから価値を発揮するかもしれませんよ。

(7)ヴィレッジヴァンガード、チェーン店の3割閉店

雑貨・書籍をチェーン展開しているヴィレッジヴァンガードコーポレーションの大規模な閉店計画が明らかになりました。

 ピーク時に約400店舗あったヴィレッジヴァンガードですが、5月末時点で293店舗です。この約3割にあたる81店舗を閉店する計画です。

 「遊べる本屋」として若者に人気のあったヴィレッジヴァンガードですが、その独特の品揃えと体験価値も徐々に薄れて来ているのでしょうか。一説によると、約10年前に導入したPOSシステムも裏目に出たのではないかという意見もあります。売れ筋商品の仕入れが増え、個性が薄れたのではないかと言うのです。

 ヴィレッジヴァンガードが好調の時、学生になぜヴィレッジヴァンガードに行くのかと聞くと「時間つぶし」にちょうどいいという答えでした。きっと、今はちょっと時間が空いた時に行く場所ややることは変わったのでしょうね。

(8)地方百貨店再生の事例

地方百貨店が毎年減少しているのは周知の事実です。そんな中、再建に取組んでいるところもあります。

➀藤丸(北海道帯広)2030年ごろに複合施設へ建て替える予定。地元の新興企業や自動車販売会社が支援しています。クラウドファンディングでも資金調達する予定です。

➁佐賀玉屋(佐賀市)京都の不動産会社「さくら」が事業継承。本館を地上10階建てのビルにし、ホテルと百貨店(従来の7割)の複合施設へ建て替え中。

➂山形屋(鹿児島市)事業再生ADR(裁判以外の紛争解決)が成立。地銀やファンドから役員を受け入れてます。小型店閉店や資産売却で経営をスリム化し5ヵ年計画で経営を立て直す予定です。家電量販店のエディオンや書籍の丸善などを誘致する予定です。

 このように見てくると、百貨店だけで再生するのは難しいようです。複合施設という名前ですが、ホテルや不動産賃貸などを行わないと難しいようで、こうすれば再生するという再生事例もまだないようです。地方百貨店の再生は極めて難しいようですね。

(9)クシュタールがセブン&アイ買収案を撤回

カナダのアリマンタシォン・クシュタールが、16日、セブン&アイへの7兆円規模の買収提案を撤回すると発表しました。約1年の買収交渉が終わり、セブン$アイは単独での成長へと舵を切ることになります。

クシュタールは、「セブンによる建設的な協議が欠如」していることを撤回の理由としています。

セブン&アイは、当初から買収されることは嫌だったのですから、どうして上手に「買収には応じられません」と言えなかったのか、不思議なのですが、現在は、協議しないといけないようになっているのでしょうか。情報開示巡り対立したと報道されています。クシュタールは、情報開示が不十分すぎるので「意図的な混乱と遅延」だと主張していました。

だらだらと対応して、相手が買収案を撤回するのを待っていたようにもみえるので、結果的にはこれで良かったのでしょう。今後は、買収防衛策を考えておく必要がありますし、非上場にできないかも検討する必要がります。ローソンもファミリーマートもすでに非上場会社です。動きが速いと感心しています。セブンは遅い。

 

3,消費財メーカーについて

*特になし

 

4,その他

(1)ゼンショー、国内外食企業NO1、さらに海外へ

ゼンショーは、25年3月期に連結売上高が1兆366億円となり、26年3月期は8%増の1兆2235億円を見込んでいます。国内外食企業では1位です。ゼンショーは、買収を繰り返し、40近いブランドを所有しています。すき家、はま寿司、なか卯のほかにココスやロッテリア、華屋与兵衛などがあります。その他に、「ジョイフーズ」「マルヤ」などの小売業もあります。

店舗数は、1万5419店なのですが、海外店舗が1万521店で7割を占めています。海外の9割の店はテイクアウトの寿司店です。25年度からの3年間で、海外で3000店を新規出店する計画を立てています。テイクアウトの寿司店が中心です。そうなると海外店舗の割合も総売上に占める割合も増えて、いよいよグローバルな企業になるでしょう。

すき家は、24時間営業を止めて、23時間営業にしています。その1時間で掃除・清掃に力をいれています。ゴキブリ問題も乗り越え、さらに飛躍しそうです。     以上