「月刊 流通雑感」NO.174、2019年 3月号
《目次》
1、社会・消費者動向
(1)富裕層増加、高額品増える
(2)少子化の罠
2、小売業・卸売業の動向
(1)「悪魔のおにぎり」大ヒット
(2)アマゾンが全品にポイント付与
(3)アマゾン3つの環境変化要因
(4)ヨーカ堂、「貸す」ことに積極的
(5)ドラッグもデジタル革新へ
3、メーカーのチャネル戦略
(1)花王の5大新技術
(2)電子商取引の取引実態報告書
(3)公取、ポイント還元巡り、ネット通販大手一斉調査
4、その他
(1)カスタマーハラスメント
(2)林真理子さんの見方
3月になりました。今日はひな祭り。春の訪れが随所で感じるようになってきています。
ただ、花粉症の季節でもあります。桜の花が咲くまでは、花粉症対策をしっかりしないといけない時期ですね。
もうすぐ卒業式、そして、桜が咲いて、来月は入学式・・・・。
入試では、志願者数で東洋大学が近畿大学についで全国2位とか。驚きました。早稲田、明治、法政が11万人台で東洋が12万人台とか。確定ではないのかもしれませんが。そんな情報も入ってきています。
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社会・消費者動向
(1)富裕層増加、高額品増える
日本では富裕層が増加しています。野村総研によると、純金融資産1億円以上を持つ世帯は、2017年に126万世帯となり、4年間で26%増えているそうです。純金融資産の額は同期間で24%増えて、300兆円に迫るそうです。126万世帯というと、日本の世帯数の約2.5%です。
この2.5%の世帯をメインターゲットとした商品が次ぎ次ぎと出ています。
・阪急交通社・・・4月から実施のバスツアーは98万円。12日間で観光地を巡り、高級ホテルに泊まるものです。
・JTB・・・豪華客船「サン・プリンセス」を借り切っての世界一周ツアーを始めます。3ヶ月超で20カ国を訪れます。2人1部屋の場合で、一人当たり208万円~888万円です。
また、販売価格が2千万円を超える高級車が良く売れています。最近5年間で2千万円を超える車は3倍売れています。2018年には、2千万円以上の車は3539台販売されています。1千万円以上の車ということになると、2018年に2万1千台も売れています。確実に高額品市場は拡大しています。
(2)少子化の罠
日本の少子化が止まりません。その主な理由は、未婚率の上昇です。30歳代前半の女性の未婚率は、1990年は13.9%でしたが、2015年には34.6%にも上っています。生涯未婚率も年々上昇中です。2015年で、男性の23.4%、女性14.1%に達しています。
少子化から抜け出すためには、保育サービスの充実、子育て手当ての拡充、仕事と子育ての両立支援などで国が有効な対策を打てることが重要だといわれています。同時に、「男は仕事、女は家庭」といった性別役割分担意識が強い国ほど少子化から抜け出せないといわれています。正に、日本はこれに該当します。
低出生率が常態化するほど回復には多くのコストと労力が必要になるため、少子化の窮地から抜け出さなくなってしまうとする説もある。こうした状況は「少子化の罠」と呼ばれています。日本は、どっぷりと少子化の罠にはまっているように思います。
2、小売業・卸売業の動向
(1)「悪魔のおにぎり」大ヒット
ローソンの悪魔のおにぎりが大ヒット商品になっています。このおにぎり、もともとは南極越冬対のまかない飯のことで、悪魔のおにぎりとよばれたようです。それをたまたまテレビで見たローソンの方がおにぎりの担当者に話したことが開発のきっかけだったそうです。悪魔のおにぎりは、天かすと天つゆ、青海苔だけのシンプルなレシピだそうです。これを示試作して、食べてみたら、とにかく「美味しい」ので、すぐに商品化することを決めたようです。
おにぎりは、店舗あたり1日10個売れると大ヒット商品だそうですが、開発担当者は、2ヶ月間、店舗あたり1日15個作ると決めて、生産する事にしました。発売日は、10月16日。1週目で120万個が売れました。SNSでも拡散、問い合わせ殺到。1日15個どころか25個、30個と爆発的に伸びていきました。ついには1日48個も売れたのです。ツナマヨを追い抜き、おにぎりで一番売れるようになりました。ところが、この背後では、青海苔が手に入らず、日本中、青海苔を求めて仕入れていたのです。そのため、青海苔の値段は1.5倍になったそうです。通常は、青海苔は1年間で150kgしか使わないのに、悪魔のおにぎりのため、2ヶ月間で600kgも必要だったのです。その青海苔をなんとかかき集め、悪魔のおにぎりは生産され続けられました。
日本のコメの生産量の5%程度は、コンビニのおにぎりに使われているそうです。立った1個のおにぎりがこれほど売れたことはないのではないでしょうか。
(2)アマゾンが全品にポイント付与
アマゾンジャパンは、5月23日からネット通販サイトの全商品で購入額の1%以上をポイントとして還元します。従来は、アマゾンの直販のなど一部の商品だけだったのですが、外部事業者の出品にもポイントを付与します。消費者の利便性は向上しますが、費用は出品者の負担の上、自動的に設定するということなので、優越的地位の濫用にあてはまらないのか議論を呼ぶかもしれません。出品者の同意が必要となるので、契約書の見直しが必要となるかもしれません。ポイントによる顧客の囲い込みにアマゾンも参入するということでしょうか。
(3)アマゾン3つの環境変化要因
アメリカのアマゾンが1月31日に発表した2018年10月~12月期決算は、前年同期比で6割伸びる好業績でした。そのアマゾンにとっての3つの環境変化にどのように対応するかが今後のカギと見られています。その3つの環境変化は以下の通りです。
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北米での実店舗の反撃・・・北米事業の10~12月期の売上高は前年同期比18%増でした。4割以上伸びていた2017年10~12月期にくらべると減速してます。その一因は、ウォルマートなど旧来型小売大手の逆襲です。ウォルマートはネット注文した商品を実店舗で受け取れるサービスを拡充し、業績を伸ばしています。アマゾンの宅配は通常2日程度。しかし、ウォルマートなら昼休みにネットで注文し、帰宅途中にピックアップできるのです。ターゲットも同様のサービスを提供し、業績を伸ばしています。マイクロソフトもウォルグリーンやクローガーと提携し、購買データ活用などで協力し、アマゾンに対抗しようとしています。
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アジアで苦戦・・・タイ、ベトナム、インドなどではアマゾンは苦戦しています。信用決済や配達網など環境が異なる新興国での事業展開は容易ではないようです。タイやベトナムでは地場企業が強く、未だに未進出です。特に力を入れているインドではフリップカートに次ぐ2位ですが、フリップカートをウォルマートが18年8月に買収しており、競争は激しさを増しています。その上、インド政府が7千万人超の中小小売業を保護する狙いがあって、外資規制を強化しました。そのため、インドでも苦戦を強いられています。
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データ活用に規制の壁・・・アマゾンが行っている一種のターゲティング広告は、個人のプライバシーを巡り、データ収集手法に批判が高まっています。これはリスクにもなります。欧州などで広がるデータ規制でコスト増も見込まれています
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(4)ヨーカ堂、「貸す」ことに積極的
イトーヨーカ堂は、好立地の店舗を有効活用するために、賃貸を積極的に行ってきているが、これからは「シェアオフィス」も取り入れていくそうです。
3月下旬には、「イトーヨーカドー赤羽店」で、寝具・生活用品などがある売場の一角にシェアオフィスを入れます。広さは約110平方メートル、防音の個室や4人用の打ち合わせ部屋、オープンスペースなどを備えています。料金は一人用個室で15分250円。
販売が振るわない衣料品などの自社で運営する売り場を縮小し、テナントへの切り替えを進めています。これをさらに進めて行くことになります。
(5)ドラッグもデジタル革新へ
ドラッグストアもICタグを商品につけて、コンビニと同じような実験を2月から開始するようです。
ウエルシアHDは、新聞、タバコを除く全商品に電子タグをつけた実験店を都内で2月から始めます。初めて無人レジを設置します。また、自動発注にも乗り出します。実験店を2019年内に5店舗にするそうです。省人化実験ですね。
ツルハHDは、販売状況や季節に応じて、価格を柔軟に変える「ダイナミックプライシング」の実験を始めます。パンなどの賞味期限が迫った食品のポイント還元率を高めたり、LINEで値引き情報を配信するそうです。また、デジタルサイネージ(電子看板)とセンサーを活用し、来店客一人一人にあった販促展開の実験をするようです。販促実験ですね。