「月刊 流通雑感」NO.173、2019年 2月号
《目次》
1、社会・消費者動
(1)日経リサーチのアンケート結果―信頼できるものは?など-
(2)ストレスフリーを求める時代
(3)5G元年
2、小売業・卸売業の動向
(1)「ZOZOARIGATOメンバーシップ」の功罪
(2)柳井社長のインタビュー「チェーンストアの時代は終わった」
(3)セブン、ローソン、成人向け雑誌の販売中止
(4)大手コンビニ3社、配送で協業、駐車場シェア
(5)EC化比率と小売の業績
(6)育つか、プラステ
3、メーカーのチャネル戦略
(1)コカ・コーラ、4月から値上げ
(2)プラットフォーマートとの取引に不満
4、その他
(1)電子マネー、高齢者に受け入れられる
(2)Vチューバー、飛躍の年になるか
2月になり、朝、雨戸を開けたら、雪が降ったのがわかりました。子供は喜んで登校していました。2月は大学入試の季節でもあります。私が所属しているマーケティング学科は5年連続志願者数が増加することが確実になりました。ありがたことですが、それだけ入学者に満足していただける教育を提供しないといけないと思っています。
2月は、中旬から花粉症の季節です。それを思うとちょっと憂鬱になりますね。あとは税金の申告の季節になります。その計算もしないと。
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社会・消費者動向
(1)日経リサーチのアンケート結果―信頼できるものは?など-
日経リサーチが全国の有権者から3000人を無作為抽出し、郵送調査をした(有効回答数1673人)結果が公表されました。その中から、いくつか興味深いものを紹介します。
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信頼できるものは?
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自衛隊、裁判所、警察、検察、教師、国家公務員、マスコミ、国会議員、これらのそれぞれについて、信頼できるかどうかを聞いた結果です。質問の仕方は大雑把としかいいようがありませんが、国民の信頼度がなんとなくわかります。信頼できるベスト3は、1位:自衛隊、2位:裁判所、3位:警察でした。逆に、信頼できないワースト3は、1位:国会議員、2位:マスコミ、3位:国家公務員でした。なんとなく分かる気がしますね。
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政治への関心が高いのは男性か女性か?
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男性は、政治に関する関心は「高い」(44%)、「低い」(23%)で、女性は「高い」(24%)、「低い」(38%)となっています。女性の政治への関心の低さ、若年層の政治への関心の低さの改善が必要だと思います。「女性議員の少なさ」、「シルバー民主主義」など女性と若年層の政治への関心の低さがその原因の一つだと思われます。
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家事分担は?
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家事分担については、「夫も妻も同じように行うのがよい」(36%)、「主に妻が行い.夫も手伝う」(47%)、「妻が行う」(12%)、「夫が行う」(0%)でした。
年代別に見ると、18歳~20歳は、「夫も妻も同じように行うのがよい」(60%)なのですが、40~60歳代は、3割台となり「主に妻」が半数を占めています。働く世代では、「家事は女性の役割り」という考え方が根強いようです。
私は、むしろ、40~60歳代の3割台のひとが家事を「夫も妻も同じように行うのがよい」という意見だというのに驚きました。すこしずつ意識は変わってきているんだな~と思いました。10年後には、家事分担や育児などについては大きく認識が変わっているのかもしれません。
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家計負担で重い費用は?
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家計負担で重い費目のベスト3は、1位:食費、2位:税・社会保障、3位:自動車、でした。注目すべきは2位の「税・社会保障」です。この費用が重いと感じているのは、自営業の人、及び50歳代以上でしょうか。しかし、年代を問わず「税・社会保障」の重さを認識しています。私は60歳代ですが、「税・社会保障」の負担の重さをとても強く感じます。
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資産運用は投資か?預金か?
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資産運用先を複数回答で聞いているためか、1位:預貯金67%、2位:保険28%、3位:株式9%、でした。運用はしていないと言う人も22%に達していました。乳幼児のいる世帯は、預貯金と保険という回答が多かったようです。また、高所得者層は株式や投資信託などのリスク資産での運用割合が増える傾向にあります。「貯蓄から投資へ」という流れはなかなか進まないようです。合理的ではないのかもしれませんが、それが日本経済を堅実に支えているようにも思われます。
(2)ストレスフリーを求める時代
三菱食品の森山社長は、「消費者は何を求めているのでしょう?」という質問に対して、「『ストレスフリー』だ。現代はスピードの時代。スマートフォンで情報はすぐ入るし、会社では効率化、生産性向上と言われる。ストレスを感じないわけがない。だからこそストレス解消や楽しさ、エンターテインメントが求められる」とおっしゃっています。明快で、説得力があります。
大学生も可哀そうになります。入学したとたんに、進路・就職とせめられます。勉強をしないといけないのに、アルバイト、サークル、インターシップと妙に忙しく、ゆっくり将来を考えたり、様々な体験をしたり、研究したりできないうちに卒業しているように思います。せめて2年間くらいはゆっくりと自分の将来を考えるようになるといいな~と思います。人生100年時代なら、なおさらそういう時間が必要です。
一日、12時間くらいはスマホの電源を落として生活したほうが健全なような気がします。
(3)5G元年
しかし、時代はさらなる高速通信の時代に突入します。現在の通信の100倍もの速度でデータをやりとりできる高速通信規格「5G」の実用化が2019年から始まるからです。
5G用のスマートフォンが世界で30種類以上発売されるそうです。また、拡張現実(AR)、や仮想現実(VR)が多様な場面で活用されることになるようです。
さらに便利になり、さらに忙しくなり、人々はさらにストレスフリーを求めるようになると思います。この急激な情報技術の進歩についていけない人はチャンスを得ることができなくなるかもしれません。よりストレスを感じる世界になりそうです。
2、小売業・卸売業の動向
(1)「ZOZOARIGATOメンバーシップ」の功罪
ZOZOが、2018年12月25日から「ZOZOARIGATOメンバーシップ」を始めました。これは定額会員サービスで、年間3000円または月額500円の会員料を払うとゾゾタウンでの買物が常時10%引きになるというものです。
ZOZO側としては、固定客化を図ろうとしたものでしょうが、出品者側は、値引き販売を常時されるとブランド価値が落ちるとか、実店舗での販売に悪影響が出るとか、自社サイトでの売り上げに悪影響が出るという理由で大手のオンワードがゾゾタウンから撤退することになりました。
オンワードの保元社長は、「サービス開始前に事前に十分な時間や相談がなかった」と発言しています。このオンワードの撤退がきっかけでZOZOの株価は一気に下がりました。
これはどのように理解したらよいのでしょうか?
ZOZOは、販売力というパワーを持つようになりました。そのパワーの発揮をしたのですが、(出品者には、「ZOZOARIGATOメンバーシップ」に協力するか、撤退するか二者択一だと連絡したといわれています)、相手に十分な説明をし、理解していただくと、パワーを発揮しても協力関係が維持できるのですが、一方的なパワーの発揮をすると対立(コンフリクト)が大きくなり、今回のように、関係の破綻(オンワードの撤退)になることもあります。パワーを持つものは、謙虚に、win-winの提案をしないといけません。
今回のZOZOの「ZOZOARIGATOメンバーシップ」は明らかに、パワーの使い方を間違えた例です。ZOZOの経営者は、自分の間違いを素直に認め、この提案内容を変更する(割引ではなくポイント付与にすれば良い)か、提案そのものを撤回すべきです。同時に、この程度のことを社内の誰も想定できなかったのかと驚きます。ZOZOは社長の提案に誰も意見を言えないのでしょうか?それでは企業として困ったものです。
その後、ZOZOは、割引表示の見直しをすることになりました。ブランド側が、現在の表示方法(1割引が閲覧する人全員に見える)を選択するか、有料会員にのみ割引表示後の価格が表示される方法かを選べるというのです。改善のひとつだと思っているのでしょうが、本質的問題の解決ではないと思います。