「月刊 流通雑感」NO.168、2018年 8月号(その2) | 流通雑感のブログ

流通雑感のブログ

ブログの説明を入力します。

(4)過疎地に期待される無人店舗

 過疎地で店舗を経営するのは大変です。北海道の過疎地では自治体が補助金をだして、コンビニを出店してもらったり、自治体が食品スーパーを営業していたりします。

 そこで無人店舗が開発されたら、過疎地に出店してもらいたいという期待があります。無人運転技術が実用化されたら、地方でのバスやタクシーで実現してもらいたいと思います。地方や過疎地でこそ無人運転車や無人店舗が必要だと思います。

(5)CVS 3強でシェア9割超

 日経MJの「2017年度コンビニ調査」の結果が公表されました。それによると大手3社の売上高は10兆4795億円でコンビニの売上高の91.3%を占めるようになりました。

 店数は、セブン、ファミリー、ローソンの順で、それぞれ2万260店、1万7232店、1万3,992店でした。

 

3、メーカーのチャネル戦略                        

(1)KADOKAWAが3300書店と直接取引

 KADOKAWAは書籍を直接取引する書店数を1000店舗から3300店舗に増やすそうです。注文から早ければ翌日に届けたり、印刷会社を介せず、自社印刷する書籍を増やしたりして、アマゾンなどのネット書店に対抗しようとしています。そのため、KADOKAWAは遅くても注文から2日以内に届けるそうです。出版取次会社を経ると注文から1~2週間かかる場合があるそうです。これではネットに対抗できません。この3300店舗というのは、実店舗の書籍市場の約8割に相当するようです。書籍流通も大きく変化していきそうです。

(2)花王のESG経営

 花王は、2030年までに、グローバルで存在感のある企業となることを目指しているそうです。そのためにESG(環境・社会・ガバナンス)を重視する経営に取り組んでいます。ESGはコストで見るのではなく、将来の投資と位置づけているのです。

 沢田社長は「足元の業績だけではなく将来の企業価値につながる取り組みが重視されていることを実感した」そうです。そのため、ESG委員会のもと事業部門や研究開発部門と連携して活動する専門部署も設置しました。「環境負荷の低い素材の採用」「容器包装におけるプラスチックの減量化」「革新的で環境負荷の低い容器の開発」「使用済み紙オムツの再資源化」などなどの活動を将来への投資、企業価値向上の視点から実行していこうとしています。

 このような視点からの経営活動が継続され、成果が少しずつ出てきたら、従来よりもより素晴らしい人材が集まり、企業の成果もより良いものになる可能性があります。今、若者は、確実に地球社会に貢献する企業で働きたいうという意思があります。そのような観点からも、ESG経営を進めていただきたいと思います。

(3)花王化粧品ブランドを4割削減

 ESG経営に取り組もうとしている花王にとっての問題事業は化粧品事業です。売上高は約2427億円もあるのですが、営業利益率は2.1%と連結営業利益の13.7%にくらべ大きく下回ります。

 そこで、約50あるブランドのうち、4割にあたる20ブランドを廃止します。この20ブランドは売上高の約1割に相当するようです。

 これから化粧品は、「カウンセリング化粧品」と「セルフ化粧品」に分けて、考えます。つまり、販路別の化粧品の品揃えから、接客をする化粧品かどうかで分類していくわけです。高級品でのブランド力が無い状態でインバウンド需要とも無縁のようです。高級ブランドの育成を基本的課題にしながら、グローバル展開する11ブランドと国内中心の8ブランドに集中的に投資していくようです。

(4)ビールの出荷量にPBの製造受託分を含めるべきか?

 ビールの出荷量にPBの製造受託分を含めるべきかどうかでビール業界の意見は割れているようです。「PBの製造受託分を含めるべき」と主張するキリン、「Pbは他社が販売する商品。自社の出荷量に含めてシェアを算出するのはいかがなものか」と疑問を呈するアサヒとサントリーという構図のようです。

 単純に「生産量」とか「出荷量」と考えるとキリンの主張のとおりでしょうが、自社が販売するビールの出荷量と考えるとアサヒ、サントリーの考えになります。

 定義を明確にすれば、それでよいと思いますが、キリンやアサヒがPBの製造を受託すべきかどうかという議論は別にあると思います。従来からの私の主張ですが、専用ブランド(メーカーのブランドで特定の小売企業でだけ販売する商品)は大いに活用すべきですが、長期的にはPBの生産はメーカーにとってプラスになるとは思えないのです。短期的には、今年のキリンのように、業績・シェアが良いように見えますが、果たして長期的にはいかがなものなのでしょうか?

(5)空中戦、サイバー戦、地上戦

 これは日清食品の安藤社長の説明の仕方です。空中戦(テレビ)、サイバー戦(インターネット)、地上戦(店頭販促)とは、現在のプロモーションを上手に表現されています。

サイバー戦は、「何度も視聴したくなるネタを仕込み、ネットでの拡散につなげる。ネットでの話題が若者の共感を呼ぶ。」のだそうです。参考になります。

 

4、その他

(1)ターゲティング広告

 FBでは、以下のような条件でも対象を絞って広告をすることができます。

・旅行から帰って1週間以内

・海外駐在で6~8歳の子供がいる

・使用言語は関西弁

・同じスマホを25ヶ月以上使用

・1億円以上の持ち家

・最近引っ越したばかり

・友達が婚約したばかり

・家族向け消費が多い

・高価格の買い物が多い

・30日以内に交際記念日

・この地点から半径20キロ以内

・穏健な保守

 このようなターゲティング広告で、FBは年間4兆円以上の広告収入を得ているわけです。広告効果の向上とプライバシー保護の両立へ模索を続けているのです。

(2)お客様は必ずしも神様ではない

 UAゼンセンが2017年6~7月に実施したアンケート(回答者:4万9876人)「来店客からの迷惑行為」を見ると、約2万3~4千件の「暴言」、1万3~4千件の「何回も同じ内容を繰り返すクレーム」、約1万3千件の「権威的(説教)態度」、約9千件の「長時間拘束」など多くの迷惑行為・悪質クレームがあることがわかります。そのため、UAゼンセンは「悪質クレームの抑制・撲滅に向けて必要な対策を講じるよう求める」と意見を表明し、7月中旬までに約170万人の署名を集めています。署名した人は、小売業、外食、ホテル、医療・介護などのサービス業に従事している人です。

 対人サービスは、商品として「心」を売る「感情労働」とも呼ばれています。そのような感情労働の働き手を悪質クレームからいかに守るかという視点が欠けていたのではないかとことです。法律の整備(例:改正航空法)、業界としての指針(例:日本菓子BB協会)、企業としてのマニュアル作成や教育などが必要となってきています。

 誰でもサービスの提供側に明らかに落ち度があって、クレームを言ったことはあるのではないでしょうか?その時の、店員の対応が悪すぎると激怒したくなる時もあるかもしれません。そんな時、お客の方はどうしたらいいのか?そんな問題もあるのですが、その一方では、悪質クレームから従業員を守るためにアクションを起こさないといけません。

 「お客様は神様です」から「時にはお客様は神様ではありません」となるのか、この問題は、消費者も巻き込んだ幅広い議論が必要だと思います。その一方で、業界としての指針の作成、企業としてのマニュアル作成や教育などが必要です。

(3)教会に行く人51%、アマゾンプライム会員は56%

 ジェイソン氏(Jason Fladlien)によると、アメリカでは、パスポート保有者は46%、教会に行く人51%に対して、アマゾンプライム会員は56%だそうです。アメリカのスマホの75%にはアマゾンのアプリが入っているそうです。アマゾン経済圏の凄さを物語エピソードのひとつです。

 

                                    以上