「月刊 流通雑感」NO.122、2014年 10月号(その2) | 流通雑感のブログ

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(5)ウォルグリーンのエコ店舗

 アメリカの小売業のトレンドの大きなものとして、食品ではオーガニックですが、店舗はエコストアのようです。「ネットゼロストア」とは自らのエネルギー消費量を自らのエネルギー消費量で相殺する建築物をネット・ゼロ・エネルギー・ビルと呼ぶがそれを小売業にあてはめた表現です。

 「ネットゼロストア」を実現するために、ウォルグリーンがやっているのは、 

① 屋上のソーラーパネル

② 地熱発電

③ 2つの風力発電装置

④ すべてLEDの照明

⑤ 二酸化炭素冷却システム

⑥ 外壁のエコレンガ(エネルギー使用量、二酸化炭素排出量の削減)

⑦ 雨水の処理

以上だそうです。自家発電し、エネルギー消費を抑制するようにしています。スーパー業界での「オーガニック」と店舗の「ネットゼロストア」が今後の小売業にとって重要になっていくのが目にみえます。

(6)地方スーパー苦戦

地方を基盤とするスーパーの業績が悪いようです。関西スーパーマーケット、2014年4~9月期4億7千万の赤字。イオン九州は2014年3~8月期11億の赤字。マックスバリュ東北は2014年3~8月期営業利益は2億2200万円と従来予想の半減となりました。このように消費税の影響が地方で強く出ています。地方経済は必ずしも良いわけではありません。

3、メーカーのチャネル戦略

(1)「選択と集中」続く欧米のメーカー

 GEが家電部門をスウェーデンのエレクトロラックス(欧州家電最大手)に約3470億円で売却しました。そして、収益性の高い重電・航空機エンジン部門に経営資源を集中します。しかし、創業時からの事業も収益性が低いといって、売却する冷静な判断には驚きます。

 ビール世界第2位のSABミラーは、ホテル(ホテル・カジノ運営のツォゴ・サン)の株式を手放しました。売却額は約1035億円です。ハイネケンは、メキシコのパッケージ事業を売却しました。売却額は約1290億円です。ネスレは水の宅配事業を売却します。

 このように欧米のメーカーでは、将来性の無い事業を売却し、経営資源を得意分野や将来性のある分野に集中的に投資する動きが続いています。

(2)味の素、米冷凍メーカーを買収

 味の素は、アメリカの冷凍食品メーカー、ウィンザー・クオリティ・ホールディングスを約840億円で買収すると発表しました。

 ウィンザー・クオリティ・ホールディングスは、中華料理の商品などが得意でアメリカの冷凍食品のアジア食分野でトップです。味の素は、冷凍食品のアジア食分野で5位です。

ウィンザー・クオリティ・ホールディングスを買収することによって、冷凍食品のアジア食分野のシェアが36%程度になりますが、これを2020年には50%程度に高めたいと計画しているようです。

 ウィンザー・クオリティ・ホールディングスの魅力は、チャネルで、全米の小売店8万店と外食12万店に販路を持っています。これがとても魅力的だと味の素は言っています。

(3)グリコの「オフィスグリコ」黒字に

 江崎グリコの置き菓子オフィスグリコが好評です。

 2002年から事業開始。現在、ボックスは約12万台設置。売れ筋は「フレンドベーカリー」「ビスコ」など。2013年度には、売上高45億円で初の黒字に。

4、その他

(1)マクドナルド不振、マック離れか

マクドナルドの不振が際立ってきています。

来店客数は16ヶ月連続前年同月比で減少。既存店売上高は7ヶ月連続前年同月比で減少。7月の既存店売上高は前年比17、4%減少、来店客数は前年比9、6%減少。8月の既存店売上高は前年比25、1%減少、来店客数は前年比16、9%減少。明らかに下降線です。8月には鶏肉問題の影響もあったのでしょうが、それ以前から下降傾向なのです。

日経MJが、10歳代~60歳代の男女1274人にアンケート調査をしました。その結果、マクドナルドの利用回数については、1年前と比べて「やや減った」「減った」「利用しなくなった」が合計で59、1%に達しているのです。

利用しなくなった理由としては、

① 食材の安全性に不安がある(55、2%)

② 価格が高い(32、4%)

となっています。

 その上、いつの間にかマクドナルドは「狭い・うるさい・汚い」というイメージを持っている人が増えているのです。一部の店舗のことかもしれないのですが、このようなイメージをもたれてきているということは店頭での清掃・接客などのサービスレベルが低下していることを反映しています。

 日本人の主食はコメです。ハンバーガーではありません。主食ではないのですから、油断しているとさらなるマクドナルド離れが加速するかもしれません。

(2)横浜市の図書館、無断持ち出し約2万冊

 横浜市には18の図書館があります。蔵書は合計で約406万冊です。この図書館の監査をした結果、平成21年から25年までの5年間で無断持ち出しが原因とみられる不明除籍図書数が年間で1万9024冊だったことが判明しました。

 図書館利用者が図書雑誌の切抜きや書き込みなどをするといった事も多く、問題となっているのですが、このような無断持ち出しも多くなっています。

 もちろん、利用者のモラル低下が問題なのですが、これは窃盗にあたることを明確にすべきです。また、そのような行為をする人に対する罰則が無いのも問題です。

 実は、大学図書館もこの無断持ち出しに困っているのです。そのため、本にICタグをつける大学が多くなっています。また、借りて、返さない人もいます。そのため、大学によっては、借りている本を返さないと卒業証書を渡さないという大学もあります。

 図書館利用者のモラル低下については、あまり問題にされてきていませんが、実は大きな問題です。 以上