「月刊 流通雑感」NO.114、2014年 2月号(その2) | 流通雑感のブログ

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3、メーカーのチャネル戦略

(1)サントリー、アメリカのビーム社を買収

 サントリーが、アメリカのビーム社(アメリカ蒸留酒最大手)を約1兆6500億円で買収することが決まりました。

 ビーム社は、1795年創業の世界有数の蒸留酒メーカー《世界第4位》で、所有しているブランドには、「ジムビーム」「メーカーズマーク」「ノブ クリーク」(バーボン)、「サウザ」「オルニトス」(テキーラ)、「ピナクル」(ウオツカ)、「カナディアンクラブ」(ウイスキー)、「クルボアジェ」(コニャック)、「ティーチャーズ」「ラフロイグ」(スコッチウイスキー)、「スキニーガール」(カクテル)、「クルーザン」(ラム)、「キルベガン」(アイリッシュウイスキー)、「ラリオス」(ジン)、「DYC」(ウイスキー)などがあります。ビーム社は規模とスピードを兼ね備えた経営を行い「Creating Famous Brands」「Building Winning Markets」「Fueling our Growth」を戦略の柱に優れた経営成績の実現を目指していました。従業員3,400人、2012年売上高25億ドル(酒税抜き)。本社はシカゴ近郊のイリノイ州ディアフィールド。

 このビーム社を買収することによって、サントリーは蒸留酒の売上高で世界第3位になります。また、ビーム社の営業利益率が約26%であることから、サントリーも7%という営業利益率を引き上げられる可能性が大いにあります。また、一気にグローバル企業になります。

 もちろん、買収額が巨額ですので、割高な買い物だという批判もありますし、将来を疑問視する声もあるようです。それでもグローバル企業になるためにはやってみないとわかりません。「ジムビーム」「カナディアンクラブ」「ティーチャーズ」などは、私でさえ飲んだことのある知名度の高いブランドですから、この価値は計り知れないのです。また、世界の数ヶ所に蒸留所を所有しているようです。

グローバル企業へと挑戦することは素晴らしい事だと思います。

(2)ダブルブランドのボス発売

 セブン&アイとサントリー食品インターナショナルは、共同開発の缶コーヒー「セブンプレミアム×サントリーボス『ワールドセブンブレンド』」を発売しました。販路はセブン&アイに限定。年間200万ケースの販売を見込みます。

 これはメーカーのチャネル戦略からすれば常套手段です。いわゆる専用商品にすぎません。PBではありません。メーカーからすれば販売も容易ですし、とても良い選択の一つです。このような手法はチェーン小売業対策として積極的に行なうべきです。

4、その他

(1)金融機関の顧客満足度ランキング

 第10回日経金融機関ランキング調査、顧客満足度ランキングの結果が出ました。

『顧客満足度ランキング』

第1位(1) ソニー銀行

第2位(5) セブン銀行

第3位(2) 住信SBIネット銀行

第4位(7) 大垣共立銀行

第5位(8) 埼玉りそな銀行

第6位(11)イオン銀行

第7位(17)じぶん銀行

第8位(10)城南信用金庫

第9位(6) りそな銀行

第10位(8) 新生銀行

 ネットバンクが多くランキングに入っています。この消費者調査はネット調査ですので、そのよう偏りがでてくるのではないかと想像しています。それだけに4位に入っている大垣共立銀行は素晴らしいと思います。「変化を先取りし、常にお客様の目線に立ったサービスを提供する」というマーケティング志向の地銀です。昨年は、全国初のドライブスルー店舗(2013年4月)を作り、「雨の日に助かる」「チャイルドシートの子供を降ろさなくても済む」という消費者の声をいただいています。また、「手のひら認証ATM」の設置(通帳、カードなしでお金がおろせる)もしています。このような常に消費者の声に応えようとしている姿勢が高く評価されたものと思います。同様に「りそなグループ」も素晴らしい評価をいただいています。

(2)金融機関、高齢者サポート強化

 金融機関が一人暮らしの高齢者や認知症の高齢者へのサポート体制を強化するように動いています。

 独居高齢者(約500万人)や認知症(約280万人)の方が増加していますが、今後10年~15年で、5割前後増加することが見込まれています。そのため、このような方々への対応の仕方が金融機関の経営課題の一つになってきています。

 たとえば、キャッシャカードの暗証番号を3回続けて間違うと一時的に預金をおろせなくなりますが、そのことに対する高齢者からの苦情が多くなっています。金融機関は、認知症に特有の言語を察知し、的確な接客をするための研修を受けた「認知症サポーター」を急速に増やしています。金融機関の支援員は2013年9月で約16万人と急速に増加しています。

 また、信用金庫や地銀は独居高齢者への声かけを強化しています。さわやか信用金庫(東京都)や広島銀行は高齢顧客の「見守り隊」を設置しました。また、帯広信用金庫は地元の社会福祉協議会と連携しています。

 お金のことに携わる金融機関としては、高齢者対策はとても重要になりますが、地域の福祉対策、福祉事業と協力して独居高齢者や認知症の方に対応していく必要があります。また、地域の金融機関がこのような活動をしていることを広く知っていただきたいと思います。                                      以上