旦那がおかしくなった



この四ヵ月間、旦那は
私の異常な苦しみを側で
ケアしてくれていた


もちろん、旦那も
辛く苦しいはずなのに
必死に寄り添って
励ましてくれていた


このケアをする事で
旦那の苦しみを
私が代弁するしくみ
になっていたのだろう


旦那は私の苦しみに
自身の苦しみを
重ねる事で
心のバランスを
とっていたに違いない


旦那のサポートのお陰で
この二日間の私は
生まれ変わったようだった


以前の明るさを取り戻し
旅行や食べ物の話しや
未来について語れるようにまで
なっていたのだ

ほんのさっきまでは…




ところがそんな話題とは裏腹に
終始、旦那の顔は険しく
私の話題とは関係なく
息子への自責を連ねた言葉を
口にするのだ



「今迄、私のケアに明け暮れて
○○ちゃんの心の整理が
できてなかったもんね
今度は私がサポートするから…」

と、励ました
私の役割だと思った


私の奇跡の回復と同時に
延々と旦那の心の
苦しみを聞き続けた


旦那が私にしてくれたように
同じようにした
でも…



結果、無惨にも私はまた
振り出しにもどり、そして
簡単に沈み始めたのである…


本格的な復活デビューを
するには、ひ弱すぎた
まだ本物じゃなかった


旦那をサポートするほどの
力はなかった


このままでは共倒れになる
ケアする者がいない
また、苦しい!
苦しい!
嫌だ、もう苦しみたくない!
辛すぎる!


強敵は側にいたのだ





息子が旅立ってから
初めて二人で
もがき苦しんだ