ハンセン病患者が当事者となった裁判をめぐり、伝染の恐れなどを理由に、裁判所ではなく入所先の国立療養所など外部に設置された「特別法廷」で審理を行ったことが正当だったかどうかについて、最高裁が検証を始めたことが18日、関係者への取材で分かった。今後、関係者への聞き取り調査などを実施し、結果も公表する。
裁判所法は、必要と認めるときは、最高裁が指定する場所で下級審に法廷を開かせることができる、と規定している。
最高裁によると、裁判所以外で法廷として指定された例は、昭和52年までに113件あり、このうち、95件(刑事94件、民事1件)がハンセン病を理由としたものだった。法廷は、患者が入所していた療養所や、収容先の刑務所、拘置所などに設置されたという。
特別法廷については、全国ハンセン病療養所入所者協議会などが昨年11月、特別法廷での審理は「裁判の公開」を定めた憲法に違反するなどとして、正当性の検証を求める要請書を最高裁に提出していた。
これを受けて、最高裁は今年5月、事務総局内に調査委員会を設置。裁判所での関連資料の保管状況を調べるとともに、施設を所管する厚生労働省や法務省にも調査を依頼した。
今後は、当時の関係者などへの聞き取り調査を行う予定で、元患者らが対象となる可能性もあるという。
憲法は「裁判官の独立」を保障しているため、検証対象は司法行政上の判断である「開廷場所の指定」に限られ、個別の裁判内容の見直しは行わない。