【湯殿山神社本宮】

出羽三山の奥の院「湯殿山」

古くから口外禁止「語るなかれ、聞くなかれ」と云われ、神秘のヴェールに包まれてきた湯殿山。

本宮を参詣する為には履物を脱ぎ、裸足になり、御祓い場で身を清めて参拝する。


社殿は無く、御神体は温泉が湧き出ている茶褐色の巨大な岩で、自然崇拝の原型を今に留めている。

清浄神秘に息づく浄めの山「湯殿山」は、三山詣での最終修行地とされている。



-御本宮御神湯の由来-

湯殿山のご信仰は、広大無辺なる、この世の全てのもの、何ものをも包み込む慈しみの御心、

また月山・羽黒山・湯殿山の三山を詣でることにより、過去・現在・未来を経る三関三度の教えによる、

生まれ変わりの信仰と言えます。


尽きること無い、満ち溢れるような御神徳の如く、滾々と絶えることなく流れ出づる御神湯を、

身に纏われた大神様(御神体)は時の移ろいの中にも其の御姿は変わらず、閉山中の厳寒期の

十メートルを優に越える積雪の中にもぽっかりと、太古の御姿そのままに鎮まります。


梵字川の流れに耳を傾け、湯殿山のなだらかな山容を愛(め)で、四季折々の眺め、草木のよそぎ、

その香りを肌に感じながら、暫し俗世を離れてこの幽玄の世界に浸り、湯殿山のご信仰であります

生れ変わりの時を過ごし、心身ともにあらたかなる神の御恵を頂戴されんことを切に念じております。


尚、他社では御社殿奥深くに鎮まります御神体を、当社ではそのままに拝し、

加えて御神徳の証でございます御神湯を踏み、直接触れて御参りのできる全国でも稀にみる御信仰が

今に息づいている、現世とはかけ離れた神域です。そのため古来、山内のことにつきましては、

言わず語らずの定めがあり、俳聖松尾芭蕉も、奥の細道の途次、

月山を越えてこの御山を拝されておりますが、戒めのままに詳しくは記さず、

「語られぬ湯殿にぬらす袂(たもと)かな」の一句を残すのみです。


■開山期間:4月29日~11月3日頃まで。(積雪期は閉山)


■参拝時間:8:00~16:00


■御祓い料:500円

(湯殿山神社本宮へ参拝なさるには、御祓いを受けなければなりません)