<マネージャーって「マネージャー」>
私は今の会社で部門長になって約5年になります。
私が統括しているのは、海外案件を専門に扱う部署で、チームメンバーは11人、歴も年齢も上の先輩が半分、後輩が半分で、全員女性です。
上層部は全員男性、横(他部門の長)は男性女性半々です。
数年後、数十年後は今と違う考えになっているかもしれませんが、私が今思うことは、マネージャーってあの「マネージャー」
野球部の女子マネージャー的な、中高の運動部のマネージャー的な、あんな感じです。
運動部のマネージャーって、部員の汚れたユニフォームの洗濯、飲み物の準備、部室の整頓、スケジュールや道具の管理、練習風景や試合のスコアの記録、時には叱咤激励(?)など、自ら競技をするわけでもないのに、部員が試合や練習に専念できるよう快適な環境を作るために、ひたすら裏方で雑務に徹しています。そして、部員に声がけをしたり励ましたり、アドバイスをしたりして、時にはメンタルのサポートもします。
会社で「マネージャー」というと、何やら上の立場の偉い人のように聞こえますが、私は自分のことを「女子野球部の女子マネージャー」のように思っています。チームメンバーがサクサク快適に仕事を進められるよう、メンバー各々の個性と才能が発掘され発揮されるよう、他部門と協力的な雰囲気の中で上手く連携して仕事が進められるよう、(COVID-19問題があってもなくても)健康と安全が確保された環境下で仕事ができるよう、ひたすら雑務に徹します。
<プレイングマネージャーは通用しない>
私の会社ではプレイングマネージャーをよしとする傾向があったため、私も数年はプレイングマネージャーから抜け出せませんでした。というか、つい最近までバリバリプレイングマネージャーでした。しかし、本当にマネジメント業務をやろうと思ったら、プレイングマネージャーでは通用しません。
プレイングマネージャーって、練習常にフル参加、試合は毎回スタメン出場の部長自らが、部員のユニフォーム洗濯して、毎日飲み物作って、部員の練習風景記録して、記録分析してアドバイスして。。。をやっているようなものです。
どれだけ賢く手際のいい有能な部長でも、試合に直接的な影響が出にくい業務から手を抜いていき、適当に転がしていかないと、全てを同時並行的に回すことはできません。
そうなると、雑務(ユニフォームの洗濯系の業務)から手を抜かざるを得なくなり、各々でできることは各々でやってくださいとなります。
それでも手が回らなくなってくると、部員の練習風景の記録など、戦略を練るために必要なチームメンバー個々のデータの収集・分析系の業務がおざなりになってきます。
そして最終的には、自分が試合に出場することで優勝を勝ち取れるから大丈夫ですとなり、自らの練習時間と試合を重視するようになってくるのです。
しかし、この「最終段階=ラストステージ」に突入すると、もはやただの有能なプレイヤー、会社で言うと、ただの有能な一担当者のままであって、マネージャーではないんです。
特に、有能なプレイヤーだった人が、その有能な実務能力が目立った結果マネージャーに抜擢されたり、自らマネージャーに名乗りをあげた場合、結局この「最終段階=ラストステージ」状態に陥りやすく、しかもラストステージ状態に長期間留まりやすい傾向にあるように感じています。
<マネジメント業務に真摯に向き合ってきた人たちはとにかく懐が深い>
「私はマネージャーをやってきました」「私はマネージャーです」と、肩書や経歴をネタに下の人を自分に従わせようとするワンマン的な傾向にある人たちは、恐らく肩書だけは手に入れたものの、本当の意味でマネジメント業務は行ってこなかったのだと思います。
逆に肩書だけでなく、本当の意味でマネージャーを務めてきた人たちは、とても懐が深いです。辛抱強く、メンバー一人一人をよく見て各々の才能や良さを発掘し、それを伸ばそうと一生懸命になってくれます。自分が目立つことよりも、チームメンバーをいかに輝かせるかを考えています。
特に、優秀な実務担当者だった人が優秀なマネージャーである場合、「自分一人でやった方がどれだけいいか。。。」という、目の前の担当業務にだけ全力で専念できた実務担当者の頃の思いと、チームメンバーや組織全体の事を考えなくてはならなくなった新しい挑戦との間で何度も悩み、葛藤してきたはずです。そして、マネージャーに徹するため、好きだった実務(第一線)から泣く泣く退いた人も多いと思います。これらを乗り越えてきただけあって、優秀なマネージャーと呼ばれる方には、懐が深く、優しくおおらかな人が多いように思います。
私自身、「リーダー」「マネージャー」「経営者」「社長」の肩書を持つ方々とつながりを持たせていただき、お話を伺ってきましたが、マネジメント業務に真摯に向き合ってこられた方々に共通しているのは、とにかく懐が深いという点です。世界の誰もが知る日本企業でトップを務められ、既に引退された方と仲良くさせていただいているのですが、その方の懐の深さはもう神の領域で、ご本人からは神々しさすら感じられます。
長くなってきたので、また次回![]()
