当ブログの最近の記事で経済物理学という言葉を見かけると思いますが、
経済物理学において謳われている代表的な事項は、
価格変動は正規分布ではなくベキ分布 (ノ゚ο゚)ノ
ということでしょう。正規分布ではないということは価格変動はランダムでは
ない複雑な動きということになりますが、ランダムにとって代わる複雑な動き
としては、
カオス Σ(゚д゚;)
とも謳われています。何年前か忘れてしまいましたが、価格変動がカオス的
な動きである可能性を知って、どんなアプローチがあるのかなぁと考えていた
のですが、
とりあえず価格変動のカオス性は別として
総損益がカオス的に変化する戦略
ってのを最初に考えてみたのですよ。ただし、疑似乱数を生成する命令語は使
わないという条件をもってカオスな売買を再現しようと様々なアルゴリズムを考え
ていたわけです。そこで開発したのが現在の戦略に採用しているアルゴリズム
なのですが、
カオスな総損益ってどんなの (*_*)?
と気になる方もいると思うので記事にしてみました。ただ、アルゴリズムは守秘義
務やら会社上の兼ね合いで載せれないため結果を載せようと思います。
【まずは初期値の設定】
売買の条件として重要なのが初期値の設定です。カオスは初期値鋭敏性があっ
て初期値によって大きく結果が異なります。その初期値は、
計算を開始するバー
としました。この計算を開始するバーを1本づつずらしてシミュレーションを行うわけ
です。カオスアルゴリズムが機能していればバーが1本ずれると総損益が大きく
変わると予想したわけですよ。
ちなみに、観測枠がある戦略ですと最初の売買は誤差が生じますが、観測枠があ
るため計算開始バーをずらしても売買が減った分の総損益の変化しかありません。
【売買条件】
単純にクロス売買なのですが、カオスアルゴリズムが時間と価格を分離したもので
あるため、
時間的なラインと価格的なラインとのドテンクロス売買
としてます。比較として20バー移動平均線と価格のドテンクロス売買も同時にシミュ
レーションしてみました。
また計算開始バーのずらしを951本分行って双方ともシミュレーションしてあります。
【結果】
面白い結果が出たのですねえ。まずは951通りの総損益分布をカオスアルゴリズム
戦略と移動平均線戦略共に載せます。
移動平均線戦略は単に過去の売買が消えていくだけなのですねえ。元々負けている
戦略なので過去の負けトレードが消えれば総損益は徐々に改善していくので上図の
ようになります。
対してカオスアルゴリズムの方は総損益の分布が見事にバラバラです。ただ、見た目
でバラバラか判断するのもダメなのでヒストグラムを採取してみます。
移動平均線の総損益ヒストグラムは無視しても良いですね。問題はカオスアルゴ
リズムの総損益ヒストグラムです。一見すると正規分布に近い感じがしますが、
正の方向に飛び抜けた値が存在します。サンプル数が951しかないので明確な
答えは導けませんが正規分布に従っているようにも思えます。
次に統計値の面からカオスアルゴリズム戦略の総損益分布の特徴を調べてみます (^O^)/
かなり正規分布に近い結果がでました。
ふむう・・・ (´□`。)
というのがカオスについて最初に勉強しはじめた内容なのですよ。ちなみに計算開
始バーを1本ずらすとエクイティカーブがどこまで変化するかの事例を最後に載せ
てみます。
初期値:0本ずらし
初期値 :1本ずらし
初期値 :3本ずらし
初期値 :4本ずらし
もちろん銘柄は一緒です。また、これだけの情報量では戦略化へのヒントは
ないのですが、ランダム命令を使わない&初期値鋭敏性をもったランダムな
売買シミュレーションを考えてみると違った世界に入れると思いますよ (^-^)/
今回のシミュレーション結果をExcelファイルとしてアップしておきますので解
析してみてください o(^▽^)o
記事で扱ったExcelの処理はExcelファイルダウンロードサービス内にて
ダウンロードできます
今回のファイル名 : 初期値鋭敏性戦略シミュレーション
※ ファイルの反映に時間がかかる時があります










