■ 「回帰分析」に関する知識を強化する!
普段の生活には全く縁がないと思われる数学知識ですが、市場分析という
世界に足を踏み入れたのであれば無関係とは言えない知識になるでしょう。
でも今更学生時代の教科書を引っ張り出すには・・ (ノ_・。)
と知識の取得を諦めてしまう方も多いことでしょう。当コンテンツは、そんな方々
へお贈りいたします。
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記事で扱った処理は下記よりサンプルExcelファイル
をダウンロードできます
今回のファイル名 : 『回帰-n個の独立変数と偏回帰係数標準偏差サンプル』
※ファイルの反映に時間がかかる時があります
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■ 今回扱う知識以外に必要な知識
■ 今回扱う知識は「Excelによる複数独立変数時の切片と傾き標準偏差」
【行列計算と行列計算関数の使い方に注意!】
今回は複数の独立変数による切片と傾きの標準偏差を求めていきます。
ちなみに、計算自体は全く変化はありません。紹介した計算プロセスで
独立変数がいくつあっても計算ができます。注意点は、
・ 行列計算の仕方
・ 行列計算関数の使い方
だけです。行列関数の使い方は「今回扱う知識以外に必要な知識」を参照
してください。
ネットや参考書には独立変数が2つまでの事例が多く、N個の独立変数時に
対応していない計算方法が紹介されている場合が多いです。特に切片の標
準偏差を求める式の紹介は独立変数2つの場合、
と紹介されている場合が多いのです。これも正解ですが、N個の独立変数に
対応できない(上記式はN=2の時のマハラノビスの距離をまとめたもの)の
です。よって、当ブログではN個の独立変数に対応するためにマハラノビスの
距離の計算自体を紹介した次第です。
【行列計算について】
マハラノビスの距離D^2は下記行列式で表されます。行列式なので左から右へ
順番に行列計算を行います。
D^2は偏差積和行列の逆行列を必要とすることから下記行列式を偏差積和行列M
として、各項目を計算しMINVERSE関数によって逆行列M^-1を求めます。
この逆行列と各独立変数の平均値によってマハラノビスの距離をもとめていきます
が、行列計算がわからないと関数を使っても計算ができません。そのプロセスを解
説していきます。
注意点としてはXの平均と逆行列の行列計算で出力される行列は、1行N列の
行列とN行×N列の行列計算なので、
独立変数分の列
として出力されます。よってMMULT関数による出力範囲を横一列で独立変数
個分のセルを選択しておいてください。
次に上記例を基にしますと計算結果①とXの平均の行列計算を行うことになり
ます。そこでは、1行N列とN行1列の行列計算になるので、
1つの値として出力
されます。行列計算は行列の基本計算がわかっていないと『何行何列になる?』
と迷ってしまいます。可能な限り行列計算を覚えておくと良いです。ただ、切片の
標準偏差を求めるときは上記パターンで解決しますので、行列に必要性を感じな
い方は上記パターンを覚えるだけでかまいません。
切片の標準偏差は重要視されませんが、行列の計算の仕方は多くの場面で必要
となります。その時のために練習しておくと良いと思います。行列計算は慣れないと
間違いやすい計算です。計算自体はExcelで計算できますが、何行何列で出力され
るかがわからないと出力されない数字が出てきてしまいます。行列は完全に計算が
パターン化されていますので気合い入れて覚えていきましょう♪
具体的な計算はサンプルファイルの中身を参考にすると、より理解が深まると思い
ます。また、単回帰の場合の傾き及び切片の標準偏差の計算を扱っているサンプル
ファイルと併せてみることで計算全体がみえてきますので是非参考にしてください!