■ 「行列:Matrix」に関する知識を強化する!
普段の生活には全く縁がないと思われる数学知識ですが、市場分析という
世界に足を踏み入れたのであれば無関係とは言えない知識になるでしょう。
でも今更学生時代の教科書を引っ張り出すには・・ (ノ_・。)
と知識の取得を諦めてしまう方も多いことでしょう。当コンテンツは、そんな方々
へお贈りいたします。
■ これまでに扱った行列の知識
■ 今回扱う知識はExcel編
【Excelでの計算は主に関数】
Excelにおける行列の計算は関数とキーボード操作によって行います。
関数は「数学/三角」の分類にあります!
ちなみにキーボード操作がかなり重要なので飛ばし読みされると正しい
計算ができなくなります。
【Excelにおける行列の扱い】
Excelにおける行列の扱いはセルの配置を利用して直接に値を入力する
原始的な方法の他に、配列数式を利用して行列要素を作る方法もありま
す。手順としては、
ⅰ) N×N分のセルを範囲選択する
ⅱ) 行毎に「,」で区切りながら要素を入力し
ⅲ) 改行は「;」によって行う
ⅳ) 入力を終えたら「Ctrlキー+Shiftキー+Enterキー」を同時に押して決定
これらの操作により指定した行列が各セルに配置されます。配列要素と
なったセルは上記ⅰ~ⅳの操作を再度行わない限り数値の変更はできな
くなります。ちなみに、入力形式の意味をイメージとして表しますと下図の
ようになります。
「,」で行の要素を区切り、「;」で改行と、横書き文章の書き方と大差はない
ので覚えやすいと思います。要は、行毎に入力していくことを間違えなけれ
ば問題はないでしょう!
【加算】
ある行列同士が「+」で結ばれる時、
という新たな行列が作られます。これをExcelで計算しますと下図のように
なります。1か所の数式を作成すれば、他は入力することなく数式のコピー
簡単に計算ができます。
【減算】
ある行列同士が「-」で結ばれる時、
という新たな行列が作られます。これをExcelで計算しますと下図のように
なります。1か所の数式を作成すれば、他は入力することなく数式のコピー
簡単に計算ができます。
【実数倍】
ある行列をN倍する時、
という新たな行列が作られます。これをExcelで計算しますと下図のように
なります。実数倍する値を絶対参照とすれば、1か所の数式を作成すれば、
他は入力することなく数式のコピー簡単に計算ができます。
【積】
という新たな行列が作られます。積は加算・減算・実数倍とは違い関数
によって求めます。
使用する関数 : MMULT関数
MMULT関数は行列の積を求める関数です。出力される行と列数分の
セルをあらかじめ指定して使用します。
そして関数の挿入を押して関数に行列Mと行列Nを入力します。
入力を終えましたら、「Ctrlキー+Shift+Enterキー」を同時に押して決定
します。この操作は必須です。しない場合は正しく出力されません。
上記操作で入力しますと行列要素として一斉に計算されます。手動計算を検算
としても一致していることがわかります。
【逆行列】
行列の除算は逆行列というものを求めることで行います。正確には行列
には除算はなく、逆行列を乗じることになります。
つまり、簡単に考えれば、例えば同じ数同士で除算しますと1になります。
行列の場合は、逆行列を乗じて単位行列となることが同義となります。
例えば2×2の行列Mの逆行列は、
によって求めます。逆行列は関数によって求めます。
使用する関数 : MINVERSE関数
MINVERSE関数は逆行列を求める関数です。使い方は積の関数と同一
です。まず、元の行列の行と列数分のセルをあらかじめ指定して使用します。
次いで関数の挿入を押してMINVERSE関数を選択し、逆行列を求める行列を
選択します!
入力を終えましたら、「Ctrlキー+Shift+Enterキー」を同時に押して決定
します。この操作は必須です。しない場合は正しく出力されません。
以上で逆行列の計算は終了です。今回は2×2の行列を例に計算を行いました
が、積と逆行列の関数はN×Nの行列に対応していますので必要な際はExcelで
計算しておくと楽になるでしょう♪
Excelにおいて行列の積と逆行列の扱いを覚えれば連立一次方程式は解きたい
放題です。ただ、Excelは便利ですが、言語による表現には一切のヒントを与えて
くれません。あくまでも検算としての役割に限ります。よって、言語ベースでの処理
も今後は扱っていこうと思います!
Excel編はここまでです。次回は行列と他分野の計算との組み合わせを扱います♪
☆ 「既に分からない・・」・「質問したい」という方は
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