ひとりごと0081(番外035 てんぐさん) | 林住期さんのひとりごとブログ

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林住期を生きるおっちゃんの不定期なひとりごとです。

てんぐさん

 

『論語』においては「四十にして惑はず」という記述がありますが、

自分も含めて40歳前後を振り返りますと、

人生で一番傲慢な時期ではなかったかなと思っています。

本来の40歳の精神が伴っていないという意味でです。

 

私は論語のことは何も分かっていません。

ひょっとして、論語で出てくる40歳とは、現在40歳は、違うかもしれません。

当時の生涯寿命からして、今の60歳前後かもしれません。

一人立ちする年齢からしても全く現代と違うでしょうから。

林住期の今、私はそのように思っております。

 

40歳は、

仕事では肩書がついたり、

家庭でも同じように、脂が乗ってきて、

中には、諸先輩方の話には耳を貸さなくなっていく者も出てくる時期。

 

傍から見れば、人生経験はまだまだ乏しく、

その立ち振る舞いを見ていて残念に思うこともしばしば。

本人は十分世の中がわかったと思い込んでいるのかな?

あまっさえ、かっこいいと自分自身に酔っているのかな?と、

自分自身を振り返りながら、そのように思っています。

若いころの反抗期と同様に、大なり小なり誰にでも訪れているのかもしれません。

 

私の恥ずかしい言動の一例です。

私は、責められない限り、責めることはまずありません。

簡単に言えば、喧嘩を吹っ掛けられない限り、いざこざは起こりません。

でも、てんぐさんの時期は、偉そうにしていました。

 

ある本屋さんでの出来事です。

酔っていたのではっきりは覚えていないのですが、

おそらくアルバイトの男性店員に、

「田中角栄の本、なんでもええから持ってこい」

というようなことを言ったと思います。(注1)。

彼は、酔っ払い相手に真摯に対応してくれました。

偉そうにお金を払いました。

お客と店員という関係性の中で、弱い立場の店員さんに

さらにアルバイトさんという立場的に弱い人に偉そうに言うのは、

弱い人間が、立場上とはいえ、さらに弱い立場の人に偉そうにするのは、

本当に情けなくカッコ悪いです。

プロボクサーくずれが素人相手にボコボコにして

悦に入っているのと同じです。

あ~カッコ悪う。

その時の本は、自分への戒めを込めて大切に保管してあります。

そして、とても良い本を提示してくれたその店員さんには感謝しています。

どこの本屋だったかもサッパリ覚えていません。

罪滅ぼしもできません。

 

40歳1年間だけの“症状”ではないので、

50歳まで続く人も、一生治らない人もいるかもしれません。

私も「てんぐさん」病にかかり

今思い出すだけでも恥ずかしい限りです。

 

一番の薬は、「己の未熟さを痛感させる出来事」だと思います。

私の場合は、

情けないほどの反面教師の存在(あんな人間になりたくない)と、

私を影日向になり支援してくださった「応援団」の存在でした。

そして、サプリメント的に?半ば強制で、

朝一番に私の机に書籍を置いていく上司の存在でした。

 

私は発病しましたが、多分治ったと思っています。

抗体も持っていると思っています。

人の話は、まずは素直に聞けていますので。。。

 

いろいろな人の人生経験の話や書籍は、

自分にとっては、本当に点滴のようなものでした。

良い治療薬です。

病院嫌いで、お薬拒否、点滴拒否、の人は治しようがありません。

 

医師はプロです。

医師の言う通りにせよとまでは言いませんが、

プロである人の話に耳を傾けるべきだと思います。

 

なぜ、素人がプロより優れているとの「勘違い」病を発症させるのでしょう?

とにかく、

既に「てんぐさん」病にかかっていることをなんとか自覚してほしいと願っています。

 

一言だけ挑戦的な物言いをします。ごめんなさい。他意はありません。

 

このブログを読んで、カチンときた人はすでに発病しているかもしれませんよ。

 

注1:「田中角栄が遺したもの」渡辺正次郎著 日本文芸社

   戒めの本なので、メルカリにも出品せず、大切に保管しておりますです。ハイ。