北広島市 迷子犬死去から1年 | ポチタマの手

ポチタマの手

捨てられた犬や猫達を救うために活動を始めました。


犬のM基金 Facebookより転載

🔸一年。🔸

一年と少し前
保健所の迷子情報に 横たわったままの犬が掲載されました。

オスの雑種。
ボロボロの錆びた首輪をしていました。

保健所にお問い合わせしたところ
寝たきりで意識が混濁しているとの事。
公示直後から すぐに会で引き取りを決め
打ち合わせを重ねました。
迷子公示が切れるのを 早く早くと願いながら待ちました。

朝一で迎えに行くと その子は
目を閉じ スヤスヤ眠っているようでしたが
抱き上げても 車に載せても 目を開けず 
抱いた温もりから 生きている…と感じる状態でした。

途中 目を少し開け 病院に到着するまで 小さな声で キューキューと鳴いていました。
あ!鳴いた!と すごくドキドキした。
不安なのかな痛いのかなと思い 
歌を歌ったり 頑張ってくれてありがとね!と話しかけながら札幌に向かいました。
うるさかったね。ごめんね。

その頃 札幌のスタッフは
その子の引き取り連絡や 病院へ緊急搬送するために
早朝から奮闘中。
全ての準備を整えて 待っていてくれました。

札幌の病院に到着し
カルテ作成のため名前を尋ねられ
ずっと 頑張ってくれてありがとうと話しかけていたので

ガンバです

と伝えました。

意識がなく 動くこともなく
治療法がない中 
生きる力を信じ 病院様のお力をお借りしました。

24時間全力で お世話してくださいました。
お忙しい中 
歩けるようにと抱き起こし 寄り添ってくださいました。

動物を想うお気持ちに感謝の気持ちでいっぱいです。

病院様のご尽力で ご飯を食べるようになり 
やったー!よかった!と
会スタッフ皆んなが 歓喜に沸きました。

しかし それ以上の回復が見込まれることはなく
次第に 弱々しい反応になり
預かり母さんの元で 過ごすことになりました。

知らないお家に来たガンバのベッドは
捨てた飼い主のお家で見ていたであろう 同じ空が見える場所にしました。
病院様から ガンバが使っていたタオルを頂き
枕にしました。

不安からか その日ずっと夜通し鳴いていました。

1日目2日目は 薬を飲ませ点滴をし
治療を続けました。
3時間おきに体位を変え
シリンジでお水をコクコクと飲み
カロリーエースを飲み
可愛いお目目をパチパチし 嬉しかった。
今この時を生きようとするガンバが 
愛おしくてたまりませんでした。

オシッコやウンチをすると
アーアーと言って教えてくれます。
えらいね!ありがとね!と撫でると
クリクリお目目をパチパチします。
拭いている時も お空を眺め 
シーツを取り替えると スゥーと眠ります。
スッキリしたのかな。
しかし 痙攣 発作があったり 辛そうな時もありました。

3日目から
眼振が始まり 痙攣や 発作が激しくなりました。
常に鼻がつまり 呼吸が苦しそうで
綿棒で取ると 黄色い塊がいっぱいでした。
塊が取れ 息が楽になると穏やかな表情になりました。
そして だんだん発作が激しくなり 水も飲まなくなり
もう決断をしなければならない時が
来てしまったのか…

無理な延命は しない。
そう決めていました。

スタッフと話し合い 預かりの気持ちを伝え
点滴をやめ
投薬をやめました。

私たちに出来ることは
ガンバの気持ちと命に 寄り添うことだけになってしまい数日を過ごしました。
頑張る様子に胸が締め付けられながら
いっぱい お話ししました。

6月2日。
明け方から 発作がなくなり
呼吸が ゆっくり ゆっくりになりました。
目がうつろで 空を見つめているようにも見えました。
撫でている手を止めると 目を開けます。
ごめんごめん サボってないよ〜と 笑顔で答え 不安を感じませんようにと願いながら
また撫でました。
骨と皮になってしまったけれど 温かい温もりがありました。

泣いている場合じゃない。
しっかりしろ!
笑顔で送ろう。
明るくお話ししよう。
頑張るガンバを見て そう決めていました。

夕方
小さく小さく アーと言いました。
呼吸が浅くなり 間隔が あき始めました。

大丈夫 大丈夫 心配ないよと 言い続けましたが
覚悟を決めてからのことは 
どんなお話をしたのか いきなり記憶から なくなっていました。

抱きしめたガンバは
空を見つめたまま 
ゆっくりと。ゆっくりと。呼吸が止まりました。

預かりの胸に 地鳴りのような音が鳴り響き
一気に涙が溢れました。

知らないおじちゃんとおばちゃんのそばで 
きっと飼い主を思っていただろう…
ガンバの気持ちを思うと 無念で悔しい気持ちでいっぱいでした。

あとわずかの命…
どうして最期まで 一緒にいてくれなかったんだよ。

一生懸命に生きたガンバは
たくさんの方々に想われ 
一年前のこの日 旅立ちました。

あなたが病気になった時 愛犬と暮らしてくださる方は どなたですか?

犬も病気になり 年老いていき
時間を拘束され お金もかかります。
最期まで寄り添えますか?

少しでも自信がなければ 犬のために飼わないという選択が出来ますか?

捨てる選択は いずれご自身の人生に大きな傷となって消えないことを
ご存知ですか?

犬の幸せを願う優しいあなたから
一人でも多くの人に伝え 問いかけて欲しいのです。

いつも 犬たちにたくさんのことを
教えられます。
家族無しでは生きていけない純真な犬たちが
最期の時まで ずっと家族のそばで暮らせますようにと 願ってやみません。

ガンバ。
生き抜いてくれて ありがとう。
今度は 慌てん坊しないで
間違わないで 本当の家族のもとへ 行くんだよ。
約束だよ。