今日も天気が悪い。

さっさと通り過ぎてほしいな、台風。


最近、会社で部が違う先輩で、ちょっと仲良しになった方がいるんだ。

仲良しって言っても、お昼を食べるくらいなんだけど、だいぶ前に、一緒にラーメンを一緒に食べてから、たまに誘ってくれるようになったんだ。

本人に言わせると、おいしいお店って事なんだけど、10歳以上はなれている先輩とは、ちょっと味覚の違いが・・・。

でも、誘ってくれる気持ちを考えると、断るのもね。

そんな先輩が、昨日、讃岐うどんを食べに行こうって誘ってくれた。

「うどん屋はいろいろあるけど、あそこは本場の味だって評判の店なんだよ」

「そうですか、楽しみですね」

本来、俺、蕎麦派なんだけど、おいしいうどん屋は確かにおいしい。

ちょっと期待しながら早めに会社を出て、電車に乗り込む。

わざわざ電車に乗って行くくらいのお店だから、だんだんと期待したくなるよね。

お店はこじんまりとしたお店。

10人くらいしか座れない。

この座席数でおいしいと評判なら、これはおいしいかも。

「ベルさん、ぶっかけでいいよね」

「はい」

ぶっかけってよく聞くけど、なんだっけ?
ま、とりあえず、ワクワクしてくる。

しばらくすると、注文した物が目の前に置かれ、よく見るとある物に気が付き、俺の目の前に縦スジののれんがかかった(笑)

どんぶりの中にはうずたかく雪山のような大根おろし。

・・・こ、こ、これは無理じゃないか?

トップクラスの苦手な物が鎮座している。

「さ、遠慮なく」

「はい・・・」

遠慮なくって言われても遠慮はしていない。と言うか、遠慮したいんだけど。

でも、ここまで誘ってくれたんだし、食べないわけにもいかないし、ここは息をしなければなんとかなるかも。

しばらく、いろいろ考えたけど、仕方ないのではしを手に取り食べ始めて気が付いた。

息を止めるとすすれない(笑)

この独特な臭いと味。

もう、こらえるのが精一杯。

それでも、大人なんで頑張ったんだよ。

そして、気を失う一歩前・・・。

なんとか物を口に入れ、飲み込み、水を飲み、それを数回繰り返すと戦いが終わりに近づいてくる。

「どう?」

「お、おいしいです」

そう言って、また口に入れ・・・。

気がつくと涙が・・・。

「いやいや、連れきてよかった。涙を流すほど感激してくれんだ。このスープがまたいいんだよ、あれ?飲まないの?」

言葉が見つからず、頷くだけ。

流す涙に色がついていて、気持ちを表す事ができたとすれば、わかってもらえただろうか(笑)

「おいしかったよね」

「はい」

「また来ようね」

次に誘われた時は、ちょっと考えよう。