ベルがいなくなって、もうすぐ一ヶ月。


昨日から、ベルの身の回りの物を少しずつ片付ける事にした。


いろんなおもちゃや、身に付けていた物。

一つ一つにみんな思い出がある。

ベルが住んでいた小屋は、そのまま、物置として使うことにした。


『あの~』


声を掛けられ振り返ると、見覚えのある方が立っていた。


『最近、ベルちゃん、見かけませんけど、どうかしたんですか?』


俺を見かけると、そう聞いてくる人が絶えない。

やっぱり、人気者だったんだって、改めて思うね。


『あんなに元気だったのに、そうだったんですか』


あんなに元気。

確かに、あっという間だったからな。


久しぶりに、夕方、散歩に出た。

いつもなら、ベルがいたんだけど、そう思いながらの一人散歩は、ちょっと寂しいね。


「あ、この花、もう咲き始めたんだ」


名前がわからないけど、今の時期、いろんな植物の花が咲き始める。

ベルに、今年も咲いたねって、よく話しかけたな。


ちょうど曲がり角の家に、小さな犬がいて、ベルが通るたびにワンワンって吠えていた犬がいる。


「ベルがいないから、寂しがるかもな」


そして、その家に近づくと、あいつは俺の気配を感じて、道路近くまで駆け寄り、俺を確認してから威嚇し始める。


『ワンワン、ワンッワン!』


「おいおい、お前の相手って、お、おれか?」


どうやら、こいつにとって、ベルがいるいないは関係なかったようだ(笑)


久しぶりの一人散歩。

なんか、はる~って感じがして、気持ちがいいね。


さて、今日は、ヴァイオリンを頑張ろうかな。