『ねえ、なんだか、また携帯がおかしいんだよね』


「え?なに?」


俺の母親、携帯をもう何年も持っているのに、最近になって、やっとメールが出来るようになった。

でも、ちょっと複雑な事になると、ほとんど、どうしていいのか解らないようで、その都度、俺に聞いてくる。

それはそれで、良いんだけど、ついこないだは、充電がうまく出来なかったようで、壊れた壊れたって大騒ぎだった。


『あのさー、メールなんだけど、エム何とかって書いてあって、なんだか解らないんだよね』


「エム何とか?」


『そう。なんだかおかしいよ』


「どれ」


「ん?何がおかしいの?」


母親の携帯のメールの文章を読んでも、特に変なところは見つからない。


『ほら、これ、なんか、へんでしょ』


「・・・」


そこに書かれてあった文章はこうだ。


よろしくm(._.)m


「・・・」


『ほら、エム何とかって書いてあるでしょ』


これを、見たまま読もうとしている。


「いや、ほら、両手を顔の横に持っていって、猫の手みたいにして、頭を下げた様にすると、よろしくお願いしますって感じになるでしょう」


母親は、m(._.)mのマネをすると、ようやく理解できたようで・・・。


『バ、バカじゃないの!、そうならそうって、なんでそう書かないの?』


「俺に言ってもしょうがないでしょ」


『ちゃんと日本語で書きなさいよ!』


「だから、俺にそう言っても・・・」


メールの文章に、絵文字と言う文化があることを、未だに理解できない母親である・・・。