朝、テレビで京都の中継をやっていた。
20代半ばだったかな。大学の時の友人一人と、後輩と、合わせて三人で、新緑の季節に、二泊三日で京都を訪れた事がある。
中学生の卒業旅行が、京都だったんだけど、二十歳過ぎで行く京都は、その時の感じとまるで違っていたのを覚えている。
侘び寂って言うのか、見るものすべて、趣があって、目に飛び込んでくるすべての物に、いちいち感動していた。
『ここは、紅葉の時、すごいだろうな』って、何処へ行っても会話の中に新緑を眺めながら、緑の葉に赤を重ね描いて語りあったな。
まったりとした、幸福に思える時間が、俺達を包んでいた。
ちょうど、古都税が始まった頃で、行きたかったお寺が三分の二位しか拝観出来なかったけど、三千院での写経や、どこで食べたかは忘れたけど、湯豆腐とか、仲の良い連れと行く旅行は、楽しかったな。
若い頃は、本当に、いろいろな所へ出掛けて行った。
そう言えば、日光の紅葉も行ったな。
やたら渋滞していて、いろは坂を上りきっての絶景は、鳥肌ものだった。
美しい物を見て、感動するって気持ちは、なぜか、年々少なくなっていくような気がする。
自分の中で、経験って形で、記憶に残っている為なのか、年をとった為なのか。
感じる感覚が、鈍ってきているのかもしれない。
家にじっとしていると、いろんな事を考える。
これはこれで、裕福な時間の過ごし方のかもしれないな。